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三葉茉莉は友達の五月女凛音と一緒に買い物に出掛けた時、凛音の方がある人を見つけた。
「あれって……」
『凛音?どうかしたの?』
「ううん。何でもないよ。」
二人はその後デパートで服を買っていた。
「この服茉莉に似合いそう。」
『本当?』
服を当ててる時に目に入った服を取った。
『此れ、凛音に似合いそう。』
「そうかな。」
『一緒に試着しようよ。』
「良いよ。」
二人はそれぞれの試着室に入って服を着て外に出た。
茉莉が外に出た時にお店の中に婚約者の新庄壮一が女の子を連れて服を選んでいた。
『えっ?壮一さん……』
「茉莉?なんで此処に?」
『その女性は誰です?』
「お前に関係ないだろ。」
壮一は茉莉にはっきりとそう言った。
「やっぱりあんただったのね、さっきの。判別出来なかったから誤魔化したけど…茉莉が居るのに何してんの!」
『凛音。壮一さん、婚約破棄しましょう。』
茉莉が壮一にはっきりとそう言い放った。
「婚約破棄するわけねぇだろ。お前はこれからも俺の婚約者だ。結婚したらお飾り妻で大人しくしてろ。」
壮一は反省する様子もなく茉莉にそう言って一緒にいた女性の腰に手を回して歩いて行った。
「何なのよ!」
『凛音落ち着いて。』
「茉莉は落ち着きすぎ!」
『大丈夫。すぐにお父様達に連絡して婚約破棄をするわ。』
茉莉はそう言ったが壮一は人前でも猫被りが上手い為上手く行かないかもしれないと内心慌てた。
『(でも絶対お父さんは彼の味方するだろうなぁ。)』
茉莉は自分の父親が婚約者を乗り換えて母と結婚した事を知っている。
『(家族は当てにならない。どうしようかな。)』
茉莉が悩んでいると凛音が顔を覗き込んで来た。
「大丈夫?じゃないよね。」
『うん、まぁね。お父さんは彼の味方だと思うのよ。』
「どうして?」
『仲が悪かった訳じゃないけどうちの父親は婚約者を乗り換えてるの。』
「……えっ!マジ?」
『うん。お母さんじゃ無い人と婚約してお母さんに一目惚れしてもう直ぐ結婚って時に婚約解消したんだって。』
茉莉は凛音に親のちょっとした過去を話し出した。
『親同士が揉めたって聞いてる。お母さん達は揉めなかったみたいだけど。それでも婚約している人がいるのに別の人をってやっぱり酷いよね。自分の親がそうだからなのか私は気をつけようと思ってたんだけど。』
茉莉は少し落ち込んだ顔をしていた。
「じゃあ良い人紹介してあげる!」
『えぇ!?』
「そう言うのに詳しい人。」
『……お願いしようかな。』
茉莉は凛音の言葉に賛同してお願いした。
一週間後、壮一が話がしたいと連絡が来た。
『(今更何の話があるって言うの?もしかして向こうから婚約破棄のお願いかしら。絶対に彼からの婚約は木じゃなくて私からの婚約破棄にしなくちゃ。問題があるのは彼の方なんだから。)』
茉莉は壮一が家に来る前に凛音に連絡した。
凛音から直ぐに連絡が来た。
メールには助っ人を連れて行くと書いてあった。
茉莉は少しほっとして家族と一緒に壮一を待った。
壮一が来る前に凛音が茉莉の幼馴染でもある西園寺零を連れてやってきた。
『凛音が言ってた助っ人って彼の事だったの?』
「そうよ。彼、今は家の仕事を継がずに弁護士やってるんだって。」
『そうなんだ。……久しぶりだね、零。』
「あぁ、久しぶり。茉莉は昔も綺麗だったけど今はもっと綺麗になったね。」
『有り難う。お世辞でも嬉しいわ。』
話していると壮一が家にやって来た。
「話は聞いてるから大丈夫。」
「茉莉、彼女達を呼んだのはお前だったんだな。」
『はい、お父さん。今日、此処で何が起きても口を出さないで下さい。』
茉莉は真剣な目で父親を見つめた。
「あぁ。分かったよ。」
茉莉は少しほっとして部屋に壮一が来るのを待った。
いきなりドアが開き壮一はこの間一緒に居た女性と入って来た。
『……今日は何の用かしら?』
茉莉は自分は一人じゃないと思い強く出た。
「お前!!俺のクレジットカードを止めただろ!」
『?何を意味の分からない事を言って居るの?私がどうして貴方のクレジットカードをどうこう出来るのよ。』
茉莉は入ってきていきなり言われた壮一の言葉に理解が出来なかった。
「じゃあ俺の親父が止めたとでも言うのか?」
「その事なら、俺が話をするよ。凛音から相談を受けた時に君の事について調べさせて貰ったんだ。君、茉莉のクレジットカード一枚盗んで使ってるよね。」
話に入って来た零の言葉に茉莉は驚いた。
『確かに一枚カードを失くしてたけど直ぐにお父さんに言って止めて貰ったわ。』
「止まってなかったんだよ。」
『!!どうして?』
茉莉は父親を見ると父親は茉莉から目を逸らした。
『どうしてなの?私がバイトやお父さん達の仕事の手伝いをしてためたお金だよ。』
「壮一君が言ったんだよ。茉莉から貰ったカードだって。だから私は茉莉から止めてと言われても茉莉が渡したのにと思って止めなかった。」
『信じられない……』
茉莉は泣きそうになりながら椅子から崩れ落ちた。
零が茉莉を支えて椅子に戻した。
「これには続きがあってね。俺はその事が分かって銀行にこの事を伝えて使えなくしたんだ。そして使え無くなれば彼は間違いなく君の所に来ると考えてね。」
「私も気になってたのよね。今、新庄家は赤字続きの火の車だって聞いてたのに彼やその隣に居る女の服装が到底そうは見えなかったから。」
『赤字続きって、お父さんはこの事知ってたの?』
「いや、知らない。彼の父親からは提携を結んで欲しいと言われただけでそんな話を聞いていない。」
「あぁ、ごめんごめん。火の車なのは新庄家じゃなくてあんた個人の会社か。」
凛音ははっきりと言い直した。
「良いから。カードもとに戻せよ!買い物が出来ねぇだろうが!」
『戻すつもりないし、そのカード私のなんだから返してよ。』
茉莉はとても冷たい目で壮一を見た。
『お父さん、お母さん、壮一さんとの関係を清算したい。彼との婚約を破棄したい。』
「……破棄になると茉莉の経歴に瑕がつくから解消にしよう。」
『良いけど解消理由は壮一さんに有って私にはない事を知ってもらいたい場合はどうすればいい?』
茉莉は真剣な目でそう言うと父親は壮一を見た。
「そうだね。彼の今迄の行動を知ってもらえればいいだけどね。」
「ちょっと待ってください。俺は婚約破棄するつもりはありませんよ。どうして婚約破棄しないといけないんです。もしかして彼女が原因ですか?彼女はただの友達ですよ。疚しい関係ではないですって。」
壮一は普通に嘘を付き出した。
「この写真を見てもそう言えるんだったら言ってくれ。」
零が大きな封筒を取り出して机に置いた。
其処にはこれまで茉莉が知らない所でいろんな女の子と遊んでる証拠の写真だった。
『私の知らない所でこんなに遊んでたんだ。まぁいいけど元々私は壮一さんの事好きじゃなかったしこれが結婚前に知れて良かったわ。』
茉莉は壮一を見て安心したと言った。
「貴方、茉莉のしたい様にしてあげましょう。」
今迄黙っていた母親が口を開いた。
「私達の時は私達当事者達は好きか嫌いかで言ったら好きじゃないだったから解消が成立したけど茉莉の場合は嫌いな人との婚約ですもの。茉莉は婚約した時から壮一君の事を嫌っていたじゃない。やっと解消して上げれるんだから解消してあげましょう。」
「……それもそうだな。解消しよう。解消の時に話は聞いてるね。手切れ金として今迄使って来た茉莉のお金の金額が君に渡す手切れ金だ。此方からはそう言う事にしよう。そして解消原因を作った君には茉莉の使ったお金の二倍の額を支払って貰うよ。」
父親は真剣な目をして昔結んだ婚約の契約書を取り出して話を始めた。
「そんな!!待ってください。」
壮一は慌てて話を止めた。
「それじゃあ俺は何も貰えない上にお金を支払う事になる。茉莉!!俺が悪かったから許してくれ。俺の事好きだろ。さっき君のお母さんが言ってた事は嘘で俺の事愛してるだろ!?」
『ずっと昔から壮一さんの事なんて好きじゃないし愛しても居ませんよ。私は当時好きだった人が居たのに貴方との婚約で諦める事になったんだから。貴方さえ居なければって何度思った事か。此れで漸く離れられる。』
茉莉は嬉しそうに笑った。
「そうだ。私は関係ないって顔をしてるけど君には慰謝料を払って貰うからね。」
今迄関係ないと思っていた壮一の浮気相手は自分に迄火の粉が降りかかるなんて思っても居なかった。
「どうして私が!!彼女のお金を使ったのは彼であって私じゃないわ。」
「だって君が今来ている服も鞄もアクセサリーも全部茉莉のお金であって彼のお金じゃないからね。」
「そ、そんな……。」
彼女は膝から崩れ落ちてショックを受けていた。
「何をショック受けてるのよ。当たり前の事でしょ。」
凛音はその様子に辛辣な物言いをした。
「でも此れで茉莉の婚約者の座が空くわね。」
『そうね。でも今はまだ凛音と一緒にいる方が楽しいわ。』
「何それ、超嬉しいんだけど!!」
凛音は茉莉に抱き着いた。
『それじゃあそう言う事でこれにサインして下さる?』
茉莉は壮一と浮気相手に零が用意してくれていた契約書を見せてそれにサインする様に言った。
壮一達は最後迄嫌がって居ていたが何を言っても変わらないと分かり渋々サインをして三葉家から追い出される様に帰って行った。
『これで、終わったのよね。』
「そうよ。」
凛音が嬉しそうにそう言った。
「今度の私の誕生日パーティーで婚約者探しをしたらいいわ。」
『うーん……そうね。良い人を見つけなくちゃ。』
茉莉がそう言って居る後ろで凛音は零に目配せしていた。
「そのパーティーは俺も呼んでくれるのかな?」
「勿論よ。楽しいパーティーになりそうね。」
凛音と零はそれぞれ帰って行った。
『それにしてもこうも簡単に終わるなんて。少しだけ心配があるわ。』
茉莉は少しの不安を胸に抱いていたがこれ以上気にしてもと思い忘れた。
茉莉は次の日、明日のパーティーの準備を始めた。
凛音の誕生日パーティーのプレゼントを買いに出かけた。
凛音が好きなブランドのお店に入って物を見ていた。
「茉莉!!」
大きい声で呼ばれて肩を掴まれて振り返ると壮一が鬼の形相の様な顔をしていた。
『離して下さい!』
茉莉は壮一の手を振り払った。
「お前の所為だ!お前が大人しくしてりゃあ良かったんだ!!」
『(自分が原因なのに……こんな人が婚約者だったなんて。)はぁ~。』
「何だよ、その態度!!」
『此処はお店です。周りの人に迷惑ですし私にはもう関係ない事ですわ。』
茉莉は壮一を無視してにお店を後にした。
『(買いたかった物も買えたし家に帰ろう。)』
茉莉はプレゼントを見て家に帰った。
家に帰ると買い物の時に事がもう両親が知っていた。
「お帰り、怪我はしてない?」
『大丈夫だよ。直ぐにその場を離れたから。』
「其れならいいが。明日の五月女さんの娘さんの誕生日パーティーのパートナーは選んだのか?」
『まだ誰も誘ってないわ。』
「其れなら零君に頼んだら?」
『零は凛音のパートナーに選ばれてると思うわ。だから私は一人で参加しようと思ってるよ。』
「其れなら誘ってみなさいよ。」
『私が……?』
「この間の事のお礼もまだできてないんだろ。」
『……分かった。誘ってみるね。』
茉莉は両親に言われて部屋に戻って零に電話した。
『もしもし。零、今いいかな?』
「あぁ。大丈夫だ。」
『あのね、「零ー!誰と電話してるの?」「今話しかけてくるな!」……ごめん何でもない!』
茉莉は慌てて電話を切った。
『(凛音と一緒にいたんだ。やっぱり付き合ってるよね。パーティー一人で行こう。)』
その後直ぐに茉莉の携帯が鳴ったが出る気になれずそのまま寝てしまった。
次の日、茉莉は携帯にメールや着信が沢山入ってるのに驚いたがどれも確認せずパーティーの準備を始めた。
数時間前
茉莉から連絡が来た時零は確かに凛音と一緒に居たがパーティーのパートナーを茉莉にって話をしていただけだった。
だがタイミング悪く凛音が喋ってしまった為茉莉に勘違いをさせてしまったのだ。
零はその後も何度も電話をするが茉莉は電話に出なかった。
「ごめん。私が声出したから。」
「いや、良いんだ。パーティーのパートナーには自分の誘うさ。」
「でも茉莉電話に出ないんでしょ。」
凛音の言葉に零は少し考えて当日に誘えばいいかと考えた。
「あれって……」
『凛音?どうかしたの?』
「ううん。何でもないよ。」
二人はその後デパートで服を買っていた。
「この服茉莉に似合いそう。」
『本当?』
服を当ててる時に目に入った服を取った。
『此れ、凛音に似合いそう。』
「そうかな。」
『一緒に試着しようよ。』
「良いよ。」
二人はそれぞれの試着室に入って服を着て外に出た。
茉莉が外に出た時にお店の中に婚約者の新庄壮一が女の子を連れて服を選んでいた。
『えっ?壮一さん……』
「茉莉?なんで此処に?」
『その女性は誰です?』
「お前に関係ないだろ。」
壮一は茉莉にはっきりとそう言った。
「やっぱりあんただったのね、さっきの。判別出来なかったから誤魔化したけど…茉莉が居るのに何してんの!」
『凛音。壮一さん、婚約破棄しましょう。』
茉莉が壮一にはっきりとそう言い放った。
「婚約破棄するわけねぇだろ。お前はこれからも俺の婚約者だ。結婚したらお飾り妻で大人しくしてろ。」
壮一は反省する様子もなく茉莉にそう言って一緒にいた女性の腰に手を回して歩いて行った。
「何なのよ!」
『凛音落ち着いて。』
「茉莉は落ち着きすぎ!」
『大丈夫。すぐにお父様達に連絡して婚約破棄をするわ。』
茉莉はそう言ったが壮一は人前でも猫被りが上手い為上手く行かないかもしれないと内心慌てた。
『(でも絶対お父さんは彼の味方するだろうなぁ。)』
茉莉は自分の父親が婚約者を乗り換えて母と結婚した事を知っている。
『(家族は当てにならない。どうしようかな。)』
茉莉が悩んでいると凛音が顔を覗き込んで来た。
「大丈夫?じゃないよね。」
『うん、まぁね。お父さんは彼の味方だと思うのよ。』
「どうして?」
『仲が悪かった訳じゃないけどうちの父親は婚約者を乗り換えてるの。』
「……えっ!マジ?」
『うん。お母さんじゃ無い人と婚約してお母さんに一目惚れしてもう直ぐ結婚って時に婚約解消したんだって。』
茉莉は凛音に親のちょっとした過去を話し出した。
『親同士が揉めたって聞いてる。お母さん達は揉めなかったみたいだけど。それでも婚約している人がいるのに別の人をってやっぱり酷いよね。自分の親がそうだからなのか私は気をつけようと思ってたんだけど。』
茉莉は少し落ち込んだ顔をしていた。
「じゃあ良い人紹介してあげる!」
『えぇ!?』
「そう言うのに詳しい人。」
『……お願いしようかな。』
茉莉は凛音の言葉に賛同してお願いした。
一週間後、壮一が話がしたいと連絡が来た。
『(今更何の話があるって言うの?もしかして向こうから婚約破棄のお願いかしら。絶対に彼からの婚約は木じゃなくて私からの婚約破棄にしなくちゃ。問題があるのは彼の方なんだから。)』
茉莉は壮一が家に来る前に凛音に連絡した。
凛音から直ぐに連絡が来た。
メールには助っ人を連れて行くと書いてあった。
茉莉は少しほっとして家族と一緒に壮一を待った。
壮一が来る前に凛音が茉莉の幼馴染でもある西園寺零を連れてやってきた。
『凛音が言ってた助っ人って彼の事だったの?』
「そうよ。彼、今は家の仕事を継がずに弁護士やってるんだって。」
『そうなんだ。……久しぶりだね、零。』
「あぁ、久しぶり。茉莉は昔も綺麗だったけど今はもっと綺麗になったね。」
『有り難う。お世辞でも嬉しいわ。』
話していると壮一が家にやって来た。
「話は聞いてるから大丈夫。」
「茉莉、彼女達を呼んだのはお前だったんだな。」
『はい、お父さん。今日、此処で何が起きても口を出さないで下さい。』
茉莉は真剣な目で父親を見つめた。
「あぁ。分かったよ。」
茉莉は少しほっとして部屋に壮一が来るのを待った。
いきなりドアが開き壮一はこの間一緒に居た女性と入って来た。
『……今日は何の用かしら?』
茉莉は自分は一人じゃないと思い強く出た。
「お前!!俺のクレジットカードを止めただろ!」
『?何を意味の分からない事を言って居るの?私がどうして貴方のクレジットカードをどうこう出来るのよ。』
茉莉は入ってきていきなり言われた壮一の言葉に理解が出来なかった。
「じゃあ俺の親父が止めたとでも言うのか?」
「その事なら、俺が話をするよ。凛音から相談を受けた時に君の事について調べさせて貰ったんだ。君、茉莉のクレジットカード一枚盗んで使ってるよね。」
話に入って来た零の言葉に茉莉は驚いた。
『確かに一枚カードを失くしてたけど直ぐにお父さんに言って止めて貰ったわ。』
「止まってなかったんだよ。」
『!!どうして?』
茉莉は父親を見ると父親は茉莉から目を逸らした。
『どうしてなの?私がバイトやお父さん達の仕事の手伝いをしてためたお金だよ。』
「壮一君が言ったんだよ。茉莉から貰ったカードだって。だから私は茉莉から止めてと言われても茉莉が渡したのにと思って止めなかった。」
『信じられない……』
茉莉は泣きそうになりながら椅子から崩れ落ちた。
零が茉莉を支えて椅子に戻した。
「これには続きがあってね。俺はその事が分かって銀行にこの事を伝えて使えなくしたんだ。そして使え無くなれば彼は間違いなく君の所に来ると考えてね。」
「私も気になってたのよね。今、新庄家は赤字続きの火の車だって聞いてたのに彼やその隣に居る女の服装が到底そうは見えなかったから。」
『赤字続きって、お父さんはこの事知ってたの?』
「いや、知らない。彼の父親からは提携を結んで欲しいと言われただけでそんな話を聞いていない。」
「あぁ、ごめんごめん。火の車なのは新庄家じゃなくてあんた個人の会社か。」
凛音ははっきりと言い直した。
「良いから。カードもとに戻せよ!買い物が出来ねぇだろうが!」
『戻すつもりないし、そのカード私のなんだから返してよ。』
茉莉はとても冷たい目で壮一を見た。
『お父さん、お母さん、壮一さんとの関係を清算したい。彼との婚約を破棄したい。』
「……破棄になると茉莉の経歴に瑕がつくから解消にしよう。」
『良いけど解消理由は壮一さんに有って私にはない事を知ってもらいたい場合はどうすればいい?』
茉莉は真剣な目でそう言うと父親は壮一を見た。
「そうだね。彼の今迄の行動を知ってもらえればいいだけどね。」
「ちょっと待ってください。俺は婚約破棄するつもりはありませんよ。どうして婚約破棄しないといけないんです。もしかして彼女が原因ですか?彼女はただの友達ですよ。疚しい関係ではないですって。」
壮一は普通に嘘を付き出した。
「この写真を見てもそう言えるんだったら言ってくれ。」
零が大きな封筒を取り出して机に置いた。
其処にはこれまで茉莉が知らない所でいろんな女の子と遊んでる証拠の写真だった。
『私の知らない所でこんなに遊んでたんだ。まぁいいけど元々私は壮一さんの事好きじゃなかったしこれが結婚前に知れて良かったわ。』
茉莉は壮一を見て安心したと言った。
「貴方、茉莉のしたい様にしてあげましょう。」
今迄黙っていた母親が口を開いた。
「私達の時は私達当事者達は好きか嫌いかで言ったら好きじゃないだったから解消が成立したけど茉莉の場合は嫌いな人との婚約ですもの。茉莉は婚約した時から壮一君の事を嫌っていたじゃない。やっと解消して上げれるんだから解消してあげましょう。」
「……それもそうだな。解消しよう。解消の時に話は聞いてるね。手切れ金として今迄使って来た茉莉のお金の金額が君に渡す手切れ金だ。此方からはそう言う事にしよう。そして解消原因を作った君には茉莉の使ったお金の二倍の額を支払って貰うよ。」
父親は真剣な目をして昔結んだ婚約の契約書を取り出して話を始めた。
「そんな!!待ってください。」
壮一は慌てて話を止めた。
「それじゃあ俺は何も貰えない上にお金を支払う事になる。茉莉!!俺が悪かったから許してくれ。俺の事好きだろ。さっき君のお母さんが言ってた事は嘘で俺の事愛してるだろ!?」
『ずっと昔から壮一さんの事なんて好きじゃないし愛しても居ませんよ。私は当時好きだった人が居たのに貴方との婚約で諦める事になったんだから。貴方さえ居なければって何度思った事か。此れで漸く離れられる。』
茉莉は嬉しそうに笑った。
「そうだ。私は関係ないって顔をしてるけど君には慰謝料を払って貰うからね。」
今迄関係ないと思っていた壮一の浮気相手は自分に迄火の粉が降りかかるなんて思っても居なかった。
「どうして私が!!彼女のお金を使ったのは彼であって私じゃないわ。」
「だって君が今来ている服も鞄もアクセサリーも全部茉莉のお金であって彼のお金じゃないからね。」
「そ、そんな……。」
彼女は膝から崩れ落ちてショックを受けていた。
「何をショック受けてるのよ。当たり前の事でしょ。」
凛音はその様子に辛辣な物言いをした。
「でも此れで茉莉の婚約者の座が空くわね。」
『そうね。でも今はまだ凛音と一緒にいる方が楽しいわ。』
「何それ、超嬉しいんだけど!!」
凛音は茉莉に抱き着いた。
『それじゃあそう言う事でこれにサインして下さる?』
茉莉は壮一と浮気相手に零が用意してくれていた契約書を見せてそれにサインする様に言った。
壮一達は最後迄嫌がって居ていたが何を言っても変わらないと分かり渋々サインをして三葉家から追い出される様に帰って行った。
『これで、終わったのよね。』
「そうよ。」
凛音が嬉しそうにそう言った。
「今度の私の誕生日パーティーで婚約者探しをしたらいいわ。」
『うーん……そうね。良い人を見つけなくちゃ。』
茉莉がそう言って居る後ろで凛音は零に目配せしていた。
「そのパーティーは俺も呼んでくれるのかな?」
「勿論よ。楽しいパーティーになりそうね。」
凛音と零はそれぞれ帰って行った。
『それにしてもこうも簡単に終わるなんて。少しだけ心配があるわ。』
茉莉は少しの不安を胸に抱いていたがこれ以上気にしてもと思い忘れた。
茉莉は次の日、明日のパーティーの準備を始めた。
凛音の誕生日パーティーのプレゼントを買いに出かけた。
凛音が好きなブランドのお店に入って物を見ていた。
「茉莉!!」
大きい声で呼ばれて肩を掴まれて振り返ると壮一が鬼の形相の様な顔をしていた。
『離して下さい!』
茉莉は壮一の手を振り払った。
「お前の所為だ!お前が大人しくしてりゃあ良かったんだ!!」
『(自分が原因なのに……こんな人が婚約者だったなんて。)はぁ~。』
「何だよ、その態度!!」
『此処はお店です。周りの人に迷惑ですし私にはもう関係ない事ですわ。』
茉莉は壮一を無視してにお店を後にした。
『(買いたかった物も買えたし家に帰ろう。)』
茉莉はプレゼントを見て家に帰った。
家に帰ると買い物の時に事がもう両親が知っていた。
「お帰り、怪我はしてない?」
『大丈夫だよ。直ぐにその場を離れたから。』
「其れならいいが。明日の五月女さんの娘さんの誕生日パーティーのパートナーは選んだのか?」
『まだ誰も誘ってないわ。』
「其れなら零君に頼んだら?」
『零は凛音のパートナーに選ばれてると思うわ。だから私は一人で参加しようと思ってるよ。』
「其れなら誘ってみなさいよ。」
『私が……?』
「この間の事のお礼もまだできてないんだろ。」
『……分かった。誘ってみるね。』
茉莉は両親に言われて部屋に戻って零に電話した。
『もしもし。零、今いいかな?』
「あぁ。大丈夫だ。」
『あのね、「零ー!誰と電話してるの?」「今話しかけてくるな!」……ごめん何でもない!』
茉莉は慌てて電話を切った。
『(凛音と一緒にいたんだ。やっぱり付き合ってるよね。パーティー一人で行こう。)』
その後直ぐに茉莉の携帯が鳴ったが出る気になれずそのまま寝てしまった。
次の日、茉莉は携帯にメールや着信が沢山入ってるのに驚いたがどれも確認せずパーティーの準備を始めた。
数時間前
茉莉から連絡が来た時零は確かに凛音と一緒に居たがパーティーのパートナーを茉莉にって話をしていただけだった。
だがタイミング悪く凛音が喋ってしまった為茉莉に勘違いをさせてしまったのだ。
零はその後も何度も電話をするが茉莉は電話に出なかった。
「ごめん。私が声出したから。」
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