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第二部
城内の敵の捜索②
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「ふっ、さすがに階段はないと思うぞ、行き方なり入り口なりが特殊なのだろう。真上の城に住んでいた王子が存在さえ知らなかったのだからな。長らくこの城に潜り込んでいるであろう連中が、地下神殿の破壊ができていないのは案外入り口がわからないからかもしれん。だとしたらとんだマヌケだが」
わたしの階段嫌だ発言に少し笑った魔王は相手も行き詰まっている説を唱えた。
城に潜り込んでみたものの、入り口が見つけられなくて何年も居座らざるを得なくなってるなら確かにちょっとマヌケだ。
「さあ、地下神殿への行き方はあの王子にまかせて俺たちは首謀者探しだ」
「うん、どうやって探すつもり? 地道に聞き込み…は、しないか」
「そんな面倒なことはしない。こいつを使う」
魔王が手のひらに転移させたのは見覚えのある魔法陣。鉱山から持ち帰った箱のなかに描かれていた転移の魔法陣のある布。この布は例の箱の底に貼られていたものだそうで、これに魔法陣が描かれていたので布だけにして持ち運びやすくしたらしい。たしかに箱だとかさばる。
「これに魔力をわずかに流しその転移先を探る。そうすれば目当ての相手の顔をすぐに拝める」
これなら確かに早い。一気に事態が進みそうでなんだか緊張してきた。
「特定できたら転移で直接乗り込みたかったが、先程見て回った様子だと王族の居住区画だけあり強い魔法無効の結界が貼られている。この仮初の体の魔力では気付かれず転移の術を使用するのは難儀でな。敵の全容がわからない状況で騒ぎになるのはまだ時期尚早… おい、リンカどうした?」
魔法無効の結界があっても魔法使えるのか? 気付かれる気付かれない以前に。
十分すごいのだけれど本人としては普通のことのようで驚きを通り越して呆れてしまう。こちらは浄化の神聖魔法を初めて使うだけでずいぶん苦労したというのに、魔法に関して最強というか天才というか、なんだか遠い目になってしまったところ魔王に不思議がられた。
「世の中不公平だなって思っただけ。ええとつまりどうするの?」
「なんだかわからんが…つまりは対象の位置を特定したら直接足で出向き魔法陣を持つ片割れをこの目で確認する」
「まずは魔法陣を持つ人物の特定だね」
「ああ、でははじめるとしよう」
魔王が微弱な魔力を手のひらの転移の魔法陣へと流し、探知を開始した。
わたしの階段嫌だ発言に少し笑った魔王は相手も行き詰まっている説を唱えた。
城に潜り込んでみたものの、入り口が見つけられなくて何年も居座らざるを得なくなってるなら確かにちょっとマヌケだ。
「さあ、地下神殿への行き方はあの王子にまかせて俺たちは首謀者探しだ」
「うん、どうやって探すつもり? 地道に聞き込み…は、しないか」
「そんな面倒なことはしない。こいつを使う」
魔王が手のひらに転移させたのは見覚えのある魔法陣。鉱山から持ち帰った箱のなかに描かれていた転移の魔法陣のある布。この布は例の箱の底に貼られていたものだそうで、これに魔法陣が描かれていたので布だけにして持ち運びやすくしたらしい。たしかに箱だとかさばる。
「これに魔力をわずかに流しその転移先を探る。そうすれば目当ての相手の顔をすぐに拝める」
これなら確かに早い。一気に事態が進みそうでなんだか緊張してきた。
「特定できたら転移で直接乗り込みたかったが、先程見て回った様子だと王族の居住区画だけあり強い魔法無効の結界が貼られている。この仮初の体の魔力では気付かれず転移の術を使用するのは難儀でな。敵の全容がわからない状況で騒ぎになるのはまだ時期尚早… おい、リンカどうした?」
魔法無効の結界があっても魔法使えるのか? 気付かれる気付かれない以前に。
十分すごいのだけれど本人としては普通のことのようで驚きを通り越して呆れてしまう。こちらは浄化の神聖魔法を初めて使うだけでずいぶん苦労したというのに、魔法に関して最強というか天才というか、なんだか遠い目になってしまったところ魔王に不思議がられた。
「世の中不公平だなって思っただけ。ええとつまりどうするの?」
「なんだかわからんが…つまりは対象の位置を特定したら直接足で出向き魔法陣を持つ片割れをこの目で確認する」
「まずは魔法陣を持つ人物の特定だね」
「ああ、でははじめるとしよう」
魔王が微弱な魔力を手のひらの転移の魔法陣へと流し、探知を開始した。
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