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第六章 王立学院サフラン・ブレイバード編
第94話 類友が沢山
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学校生活は楽しく、主にルリアと行動することが多い。
クラスが同じなのもあるが、彼女と居ると、邪な感情抜きで落ち着くからだ。
学業においてもそう。
小テストの結果を見せ合い、勝った負けたを繰り返すうちに、段々と親睦が深まり、今では良き友だ。
そう、友達なのだ。
にもかかわらず、他クラスの面々がコソコソと噂話をし始めた。
俺とルリアが付き合っていると言うのだ。
周囲の勝手な勘違いが広まり、とうとうリーズの耳に入った。
お陰様でリーズの夜這いは、より一層激しさを増し、昨日は寝かせてくれなかった。
朝は良かったのだが 、昼過ぎから激しい頭痛に襲われている。
あと数時間耐えれば帰れる。
頑張ろう。
「眠そうだね」
「あぁ…頭も痛くてしんどい…」
「じゃあほら、ギュッてしてあげる」
「ありがたいけどやめとくよ…また、何言われるかわかったもんじゃない」
「つれないなー、もう」
ルリアは唇をとんがらせて拗ねた。
彼女は、この状況を楽しんでいる節がある。
どういうつもりかは知らないけど、少なくとも、俺が結婚していることは知らないはず。
単に、おちょくるのが好きなんだろう。
その火種は大きいので自重して貰わねば。
授業は全て担任が行う。
つまり、丸一日一緒に居るわけで、それには理由がある。
生徒の健康状態や、関係性などを細かく記録するためだ。
セスティーも休み時間に書き留めていた。
こっそり覗いてみたが、やはり内容は細かく、俺とルリア、リードのことについて、びっしりと書かれていた。
その日食べた物や、休み時間何をしていたかなど。
空白だったが、恋事情欄まである。
ここまでする必要があるのかは、教師陣にしか分からない。
ちなみに、影では囚人観察ブックなどと言われている。
プライベートにズカズカと踏み込んだノートだからな。
合ってると思う。
帰り道、俺はルリアと喫茶店に入った。
俺は葡萄ジュースを頼み、ルリアはコーヒーを頼んだ。
飲みながら、一息つく。
「ふぅ…疲れたぁ…」
「お疲れさん。てかさ、ライネルはどこに住んでるの?」
「王国の西側に住んでる。一際デカい家だから、一発で分かんじゃないかな」
「へー。今度行ってもいい?」
「いいよ、家族多いから騒がしいけど」
「そんなに多いの?」
「俺含めて5人だけだけど、みんな元気いっぱいで、女の子しか居ない」
「えっ…両親は?」
「だいぶ前に死んだ。それからは、テオネスと二人で暮らしてきた」
「じゃ、なんで5人いるの」
「一人は買った…のかな?んで、もう一人は助けた。あとは妻です」
「んんん?つまり…え、結婚してるの!?ホントに!?どっちからいったの!ねぇ、どっちから!?」
「あー…あっちから…」
「えー!普通男からでしょ!意気地無し!」
「後から好きになるパターンもあるんだよ。じっくりと、時間をかけて愛を育む的なやつよ」
「きめ」
「サラッと毒吐くなし」
ルリアと会話を楽しんだ。
彼女と居るとなんか落ち着く。
口も堅いから気兼ねなく話せるし、相談にも乗ってくれる。
些細な変化にも気がついてくれる。
親友になってくれたらなと思ってしまう。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、とうとう暗くなってきた。
もう、帰る時間だ。
「ちゃんと寝なきゃダメだよ。じゃあまた明日ね!」
「はいよ。また明日」
ルリアと別れ、あかりの灯る歓楽街を進む。
物騒な事件が立て続けに起こっていて、犯人は未だ捕まっていない。
魔術師ばかりが狙われ、その悉くが命を落としている、恐ろしい事件だ。
だから明るい所を通って帰る。
魔導剣士が殺された事例は無いが、念の為。
巻き込まれたくないし。
にしても、出店が多い。
人も多くて、かき分けて進むしかない。
今日は祭りがあったのか。
イカ焼きとか、りんご飴なんかもある。
どれも美味しそうだ。
「すみません。これ、ひとつ下さい」
俺はりんご飴を買った。
甘いのが無性に食べたくなったから。
ついさっき、葡萄ジュースを飲んだばかりだというのに。
「奇遇だな。ここで会うなんて」
フードを被った女性が話しかけてきた。
このフード、見覚えがある。
「ライ…?」
「呼び捨てとは…やっと恋人らしくなってきたな」
そう言ってライはキスしてきた。
誰も付き合いたいなんて、言ってないのだが。
ライは言ってたか、俺が好きだって。
というか公衆の面前でやめて欲しい。
一瞬だったとはいえ、誰かに見られたらどうするんだ。
「今夜時間あるか?」
「すみません。明日も学校があるので…」
「そうか…残念だ…」
神出鬼没に現れたと思えば、夜のお誘い。
丁重にお断りした。
妹そっくりな赤い髪に青い瞳。
胸は大きく、セクシーな大人の体。
危うくその気になるところだった。
家に帰ると、スレナがお出迎えしてくれた。
今日はちゃんと服を来ているな。よし。
「随分と遅かったですね!あれですか。酒飲んで、他の女抱いて、酔っ払って帰ってくるやつですか!」
「すごい、全部違う」
誤解が家庭内にまで浸透している。
その証拠に、俺の椅子がない。
帰るのが遅い=浮気。だと思われている。
「お兄ちゃん。ここ教えて」
「あーこれかぁ」
テオネスが出してきたのは、宿題として出される一冊のテキスト。
俺が渡された物と一緒だ。
これは少々意地悪な問題が多い。
特に、魔力理論ってやつは難しかった。
記述問題のみで構成され、文章を考えて書かないといけないから、難易度がずば抜けて高い印象を受けた。
テオネスが気になっているのは、特定の条件下で、風族系魔術が火属系魔術に打ち消される理由についてだ。
「なんで、打ち消されるの?」
「いや、それが既に間違い。打ち消すのではなく、吸収して上乗せしてるんだ。相手の力を利用してると言えばわかりやすいかな」
「なるほど…自滅を狙うってことか…」
「正解。この手の問題は何故かを答えるのではなく、問題文を書き改めるものだと考えた方がいい」
「ありがとう…!もうちょっとだけ付き合って!」
「構わないよ。その前に夜ご飯食べたい。腹が減って死にそうなんだ」
工夫すれば、火属系は風属系相手に有利に立ち回れる。
過去に、セスティーがシルバーを追い詰めれたのは、これが理由。
シルバーが生み出した竜巻に、セスティーが火属系魔術を付与したことで、竜巻の中心は灼熱地獄となった。
それで自身を囲んであった為、シルバーは技の解除を余儀なくされた。
結果、神風再臨を封じられ、決め手を失ったことで、セスティーに圧されたと推測できる。
この頃のセスティーは頭脳派だったのか。
教師なんだし今もか。
夕飯を食べ、お風呂に入り、テオネスの勉強に付き合った後、ミラの部屋に。
中はこざっぱりしていて、必要最低限の物しか置いてない。
良く言えば片付いている。
ただし、服はベッドの上に投げ捨ててあるな。
「ふふっ…久しぶりだぁ…」
ミラが背中にしがみついてきた。
すりすりと顔を埋めて、俺のズボンに手を入れる。
「ミラ?薬切れたのか?」
「あんなのもう要らない…ここなら誰にも邪魔されないし…」
「ちょっとだけならいいよ」
就寝前の僅かな時間、俺はミラの相手をした。
本番はして無い。
体が、まだその時ではないと言っているかのように、自制を働かせる。
何故か、彼女にだけ働く力だ。
常時、全ての人に適応して欲しい。
自室に戻り、ベッドに入った。
灯りを消して寝る。
明日も早いからなと考えた、その時。
ガチャと音が鳴り、扉が開いた。
鍵は閉めたはずなのに。
「グフッ…!」
お腹に強烈な重み。
目を開けたら、下着姿のリーズが居た。
そのまま、何食わぬ顔で毛布の中に入ってきて、下着を脱いで俺にくっ付く。
無言でキスして、絡み合い、時々漏れる声だけが響く。
心臓が止まりそうになるほどの高揚感が俺を襲い、欲望の限りを尽くした。
一時間が経ったあたりで、ようやくリーズが口を開いた。
「気持ちよかった…?」
「めちゃくちゃ気持ち良かった。リーズはどうだった?俺…下手だからさ、満足させられたか心配で…」
「前よりもずっと良くなったよ。むしろ上手すぎるぐらい。ね、もう一回シよ。これじゃ全然足りない」
相変わらずリーズの性欲は強い。
彼女も加減は考えてくれたので、深夜に差し掛かったあたりで中断してくれた。
その後、抱き合って寝た。
暖かくて湿った彼女を抱き枕にして、ちょっと擦り付けた。
それが湧き上がってくるのは一瞬。
腰さえ砕けなければ、男は無限に発射出来るかもしれない(リードには狂人と言われた)。
ちょっと激しく暴れていたら、リーズが起きてしまった。
「なんだ、まだまだ元気じゃん。心配して損した」
リーズが放った一言。
それは、手加減と気遣いを放棄すると同義。
でも、流石に寝てもらった。
2日連続、寝不足はしんどい。
学業に支障が出ない範囲でやろう。
---
翌朝、リーズと一緒にシャワーを浴びて、そこでもイチャコラした後、リビングへ向かった。
すると、楽しそうな声が聞こえた。
家の中では聞き慣れない声も。
誰か来ているのか。
「あ!おはようライネル!」
ルリアだった。
彼女と一緒に話をしていたのはスレナとテオネス。
ミラはまだ寝てるなこりゃ。
「おはよう。もう俺ん家突き止めたのか」
「まぁね。でもキミも意地悪だよね。大っきい家なんて無数にあるのに、その中から探せなんてさ」
「ルリアなら見つけ出せると思って」
「あー…後ろ見た方いいかも…」
「えっ…あ、あっはは…違うんだよ」
リーズが険しい顔をして立っていた。
深い意味は無いんだけど、俺の言い方が良くなかったですね。ええ。
すみません。
「勘違いしないで。わたしとライネルはそういう関係じゃないから」
「そう…だよね。うん!疑ってわ――」
「今は。ね」
今日仮病で休もっかな。
二人の睨み合いが始まり、腹痛を堪えながらスレナお手製の朝食を食べる。
野菜と鶏肉がごろごろ入ったシチューと、太くて長いパンを焼いてくれた。
時期はもうとっくに過ぎているが、まだ肌寒いのでシチューの温かさが体に染みた。
パンは切り込みが入っていて、香ばしい香りとサクッとした食感が堪らない。
「ご馳走さま。美味しかったよ」
「ホントですか!?嬉しいです!」
スレナは大喜びで後片付けまでやってくれた。
すっかりメイドさんだ。
これだけの事をしてくれてる、お給料も考えないと。
「お兄ちゃん。あのルリアって人、一体何者なの?」
テオネスが耳打ちしてきた。
「わかんない。ただ、次席で入学してるわけだから、相当強いと思う」
実技試験を見ていないのが災いした。
合同実技の時は後方支援担当を希望し、攻撃魔術は一切使用していない。
それに、あの時掛けられた付与魔術は単一に与えるものを無理矢理折半したような、脆弱極まりないもの。
あっても無くても変わらないレベルだった。
攻撃魔術が本領ならば、はなからそれ使えよという話だ。
わざと実力を隠している…?
何故。そもそも隠す必要が無い。
更に言うなら、実技試験は攻撃魔術のみを精査する。
彼女が持つ技は、その試験を余裕を持ってクリアできる強さであり、次席に食い込める能力を秘めている。
並の実力では無い事は確かだ。
---
学校に着いて早々、セスティーに呼び出された。
誰も居ない教室の中、すごい剣幕で椅子に座っている。
腕を組み、足を組んで偉そうに座っている。
「お呼びでしょうかセスティー先生」
「おう…まぁ座れや」
「あ、はい」
怖いの怖いの。
言われるがままに、面談の時と同じく、セスティーの真正面に椅子を置いて座った。
「まず、何故呼ばれたと思う」
「皆目見当もつきません」
「校内規則その二。不純異性交遊をした生徒は即退学となる。言いたいことはわかるな…?」
血の気の引くセスティーの言葉に、一気に力が抜けて椅子から転げ落ちた。
え、退学。
嘘でしょ。いくらなんでも早すぎだ。
誰が垂れ込んだ。
昨日の今日で有り得ないだろ。
「待って下さい!俺が誰と何をしたんですか!」
俺は決死の思いで叫んだ。
でも、心当たりがあり過ぎて頬が緩む。
「昨晩。ルリアと別れた後、りんご飴を買っただろう?その出店の前で、見ず知らずの女性とお前がキスをしていたと報告があった」
「そんなデタラメな話…」
ダメだ。笑うな俺。
自身の未来に関わる話だぞ。もっと緊張感を持て。
「お前はこれでおしまい。明日までに、これを書いてくるように」
セスティーが退学届を手渡してきた。
さすがにもう笑えない。
手が震えて頭が真っ白だ。
「…あの、救済とかは」
「無い。甘んじて受け入れろ」
誘われてから楽しみにしていた学校生活が、こんな形で終わるなんて。
自爆とか、ほんと救いようが無い。
もう何も考えたくない。
「さぁもう帰っていいぞ。お前はもうウチの生徒じゃないんだからな」
突き放すような言葉を、セスティーは冷酷な目で言った。
その姿は悪魔にしか見えない。
…逆恨みもいい所だ。
俺は学校を辞めたくない。まだまだ学び足りない。
夢を決めるには力がいる。
知力も体力も必要だ。
自身に欠けたピースをここで補わずして、どこで。
「お願いします助けて下さい!俺、なんでもします。プリント取りに来いと言われたら、真っ先に行きます。なんなら毎時間、肩をお揉みします。だからお願いします。助けて下さい…」
藁にもすがる思いで懇願した。
土下座をして、誠意を見せた。
「そうか…なんでも、か」
その言葉を聞いた時、背中を冷たい氷が伝ったような感じがした。
粘っこく、それでいて嬉しそうなセスティーの声だった。
間違いなく、見下した視線を俺に送っていることだろう。
「そうです!なんでもです!」
「なら…週に一回私の家に来い。最近ストレスが溜まりがちでな。体が乾いてしまってウズウズしてるんだ」
「教師の家に生徒が行くのは…」
「校内規則その六。担任の指示は絶対に守ること。ふふ…バカめ。お前は私のモノになるんだよ」
「残念!校内規則その十一。担任と生徒の関係を超えてはならない。じゃなかったでしたっけ?」
完璧なカウンターだろこれ。
論破したのに、セスティーに両手を押さえつけられていて動けない。
馬乗りで力強く押さえてくる。
「ほお、ちゃんと覚えていたのだな。感心感心。で?だからなんだ?お前は校内規則を十一までしか知らない。生徒にはそれしか教えられていない。いい機会だ、ちょっと教えてやる。実はな、教師陣にのみ伝えられている裏の校則があるんだよ。その校則こそが絶対。前半の十一条を歯後にできる校則だ。わたし達教師陣は、それらを行使できる権限を持っている。うっかりした教師が十一条に触れたとしても問題無し。裏の校則で守られるから。これらは全て、一部の愚かな生徒に対して不利に働く。だから強気に出れる。だからお前を味見できる」
そう言って、セスティーが顔を舐めてきた。
この人は、欲求不満を包み隠さず俺を襲った。
真っ直ぐな所はリーズに似ている。
多忙を極める教師という立場は、いとも簡単に人を壊してしまう。
同情の余地はある。
裏の校則は、一般生徒には知り得ない情報。
知る方法はただ一つ。
「セスティー先生…取り引きをしませんか?」
「この期に及んで何を…」
「週に一回先生の家に行きます。ですが良くないことはしません。妻が居るので。その代わりに、裏の校則を教えて下さい。一部でいいです。お話から察するに、複数あるでしょう?」
セスティーは[それら]を行使する権限を持っていると言った。
この事から、複数あると推測できる。
「待て。それではわたしにメリットが無い。一つ条件を付けさせろ。お触りくらいは許して欲しい…」
「あー…まぁ、それぐらいなら。てか、父さんの件はどうしたんですか。俺のこと嫌いって、あなた自分で言ってましたよね」
「前はそうだったな。でも、今のお前を見てると、若い頃のナイン師匠を見ているようで変な気持ちになるんだ。授業中の真面目な顔を見てると特にそう。ずっと見てたくなって、チョークを折りそうになる。唇に指を入れたらどんな反応するんだろうとか、リーズの前ではどんな顔してるんだろうかとか。考えれば考えるほど頭がぐるぐるして。お前の事しか考えられなくなって…好きに…なっちゃた…」
急にしおらしくなり、照れながら髪を弄るセスティーに、胸がきゅうとなった。
これって…告白だよね。
人の旦那に手を出そうとしてるんだよね。
似た者師弟だな。おい。
あと授業中に何考えてんだ。
真面目に受けてるこっちが馬鹿みたいじゃないか。
…なんて考えてないと、おとされてしまう気がする。
クラスが同じなのもあるが、彼女と居ると、邪な感情抜きで落ち着くからだ。
学業においてもそう。
小テストの結果を見せ合い、勝った負けたを繰り返すうちに、段々と親睦が深まり、今では良き友だ。
そう、友達なのだ。
にもかかわらず、他クラスの面々がコソコソと噂話をし始めた。
俺とルリアが付き合っていると言うのだ。
周囲の勝手な勘違いが広まり、とうとうリーズの耳に入った。
お陰様でリーズの夜這いは、より一層激しさを増し、昨日は寝かせてくれなかった。
朝は良かったのだが 、昼過ぎから激しい頭痛に襲われている。
あと数時間耐えれば帰れる。
頑張ろう。
「眠そうだね」
「あぁ…頭も痛くてしんどい…」
「じゃあほら、ギュッてしてあげる」
「ありがたいけどやめとくよ…また、何言われるかわかったもんじゃない」
「つれないなー、もう」
ルリアは唇をとんがらせて拗ねた。
彼女は、この状況を楽しんでいる節がある。
どういうつもりかは知らないけど、少なくとも、俺が結婚していることは知らないはず。
単に、おちょくるのが好きなんだろう。
その火種は大きいので自重して貰わねば。
授業は全て担任が行う。
つまり、丸一日一緒に居るわけで、それには理由がある。
生徒の健康状態や、関係性などを細かく記録するためだ。
セスティーも休み時間に書き留めていた。
こっそり覗いてみたが、やはり内容は細かく、俺とルリア、リードのことについて、びっしりと書かれていた。
その日食べた物や、休み時間何をしていたかなど。
空白だったが、恋事情欄まである。
ここまでする必要があるのかは、教師陣にしか分からない。
ちなみに、影では囚人観察ブックなどと言われている。
プライベートにズカズカと踏み込んだノートだからな。
合ってると思う。
帰り道、俺はルリアと喫茶店に入った。
俺は葡萄ジュースを頼み、ルリアはコーヒーを頼んだ。
飲みながら、一息つく。
「ふぅ…疲れたぁ…」
「お疲れさん。てかさ、ライネルはどこに住んでるの?」
「王国の西側に住んでる。一際デカい家だから、一発で分かんじゃないかな」
「へー。今度行ってもいい?」
「いいよ、家族多いから騒がしいけど」
「そんなに多いの?」
「俺含めて5人だけだけど、みんな元気いっぱいで、女の子しか居ない」
「えっ…両親は?」
「だいぶ前に死んだ。それからは、テオネスと二人で暮らしてきた」
「じゃ、なんで5人いるの」
「一人は買った…のかな?んで、もう一人は助けた。あとは妻です」
「んんん?つまり…え、結婚してるの!?ホントに!?どっちからいったの!ねぇ、どっちから!?」
「あー…あっちから…」
「えー!普通男からでしょ!意気地無し!」
「後から好きになるパターンもあるんだよ。じっくりと、時間をかけて愛を育む的なやつよ」
「きめ」
「サラッと毒吐くなし」
ルリアと会話を楽しんだ。
彼女と居るとなんか落ち着く。
口も堅いから気兼ねなく話せるし、相談にも乗ってくれる。
些細な変化にも気がついてくれる。
親友になってくれたらなと思ってしまう。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、とうとう暗くなってきた。
もう、帰る時間だ。
「ちゃんと寝なきゃダメだよ。じゃあまた明日ね!」
「はいよ。また明日」
ルリアと別れ、あかりの灯る歓楽街を進む。
物騒な事件が立て続けに起こっていて、犯人は未だ捕まっていない。
魔術師ばかりが狙われ、その悉くが命を落としている、恐ろしい事件だ。
だから明るい所を通って帰る。
魔導剣士が殺された事例は無いが、念の為。
巻き込まれたくないし。
にしても、出店が多い。
人も多くて、かき分けて進むしかない。
今日は祭りがあったのか。
イカ焼きとか、りんご飴なんかもある。
どれも美味しそうだ。
「すみません。これ、ひとつ下さい」
俺はりんご飴を買った。
甘いのが無性に食べたくなったから。
ついさっき、葡萄ジュースを飲んだばかりだというのに。
「奇遇だな。ここで会うなんて」
フードを被った女性が話しかけてきた。
このフード、見覚えがある。
「ライ…?」
「呼び捨てとは…やっと恋人らしくなってきたな」
そう言ってライはキスしてきた。
誰も付き合いたいなんて、言ってないのだが。
ライは言ってたか、俺が好きだって。
というか公衆の面前でやめて欲しい。
一瞬だったとはいえ、誰かに見られたらどうするんだ。
「今夜時間あるか?」
「すみません。明日も学校があるので…」
「そうか…残念だ…」
神出鬼没に現れたと思えば、夜のお誘い。
丁重にお断りした。
妹そっくりな赤い髪に青い瞳。
胸は大きく、セクシーな大人の体。
危うくその気になるところだった。
家に帰ると、スレナがお出迎えしてくれた。
今日はちゃんと服を来ているな。よし。
「随分と遅かったですね!あれですか。酒飲んで、他の女抱いて、酔っ払って帰ってくるやつですか!」
「すごい、全部違う」
誤解が家庭内にまで浸透している。
その証拠に、俺の椅子がない。
帰るのが遅い=浮気。だと思われている。
「お兄ちゃん。ここ教えて」
「あーこれかぁ」
テオネスが出してきたのは、宿題として出される一冊のテキスト。
俺が渡された物と一緒だ。
これは少々意地悪な問題が多い。
特に、魔力理論ってやつは難しかった。
記述問題のみで構成され、文章を考えて書かないといけないから、難易度がずば抜けて高い印象を受けた。
テオネスが気になっているのは、特定の条件下で、風族系魔術が火属系魔術に打ち消される理由についてだ。
「なんで、打ち消されるの?」
「いや、それが既に間違い。打ち消すのではなく、吸収して上乗せしてるんだ。相手の力を利用してると言えばわかりやすいかな」
「なるほど…自滅を狙うってことか…」
「正解。この手の問題は何故かを答えるのではなく、問題文を書き改めるものだと考えた方がいい」
「ありがとう…!もうちょっとだけ付き合って!」
「構わないよ。その前に夜ご飯食べたい。腹が減って死にそうなんだ」
工夫すれば、火属系は風属系相手に有利に立ち回れる。
過去に、セスティーがシルバーを追い詰めれたのは、これが理由。
シルバーが生み出した竜巻に、セスティーが火属系魔術を付与したことで、竜巻の中心は灼熱地獄となった。
それで自身を囲んであった為、シルバーは技の解除を余儀なくされた。
結果、神風再臨を封じられ、決め手を失ったことで、セスティーに圧されたと推測できる。
この頃のセスティーは頭脳派だったのか。
教師なんだし今もか。
夕飯を食べ、お風呂に入り、テオネスの勉強に付き合った後、ミラの部屋に。
中はこざっぱりしていて、必要最低限の物しか置いてない。
良く言えば片付いている。
ただし、服はベッドの上に投げ捨ててあるな。
「ふふっ…久しぶりだぁ…」
ミラが背中にしがみついてきた。
すりすりと顔を埋めて、俺のズボンに手を入れる。
「ミラ?薬切れたのか?」
「あんなのもう要らない…ここなら誰にも邪魔されないし…」
「ちょっとだけならいいよ」
就寝前の僅かな時間、俺はミラの相手をした。
本番はして無い。
体が、まだその時ではないと言っているかのように、自制を働かせる。
何故か、彼女にだけ働く力だ。
常時、全ての人に適応して欲しい。
自室に戻り、ベッドに入った。
灯りを消して寝る。
明日も早いからなと考えた、その時。
ガチャと音が鳴り、扉が開いた。
鍵は閉めたはずなのに。
「グフッ…!」
お腹に強烈な重み。
目を開けたら、下着姿のリーズが居た。
そのまま、何食わぬ顔で毛布の中に入ってきて、下着を脱いで俺にくっ付く。
無言でキスして、絡み合い、時々漏れる声だけが響く。
心臓が止まりそうになるほどの高揚感が俺を襲い、欲望の限りを尽くした。
一時間が経ったあたりで、ようやくリーズが口を開いた。
「気持ちよかった…?」
「めちゃくちゃ気持ち良かった。リーズはどうだった?俺…下手だからさ、満足させられたか心配で…」
「前よりもずっと良くなったよ。むしろ上手すぎるぐらい。ね、もう一回シよ。これじゃ全然足りない」
相変わらずリーズの性欲は強い。
彼女も加減は考えてくれたので、深夜に差し掛かったあたりで中断してくれた。
その後、抱き合って寝た。
暖かくて湿った彼女を抱き枕にして、ちょっと擦り付けた。
それが湧き上がってくるのは一瞬。
腰さえ砕けなければ、男は無限に発射出来るかもしれない(リードには狂人と言われた)。
ちょっと激しく暴れていたら、リーズが起きてしまった。
「なんだ、まだまだ元気じゃん。心配して損した」
リーズが放った一言。
それは、手加減と気遣いを放棄すると同義。
でも、流石に寝てもらった。
2日連続、寝不足はしんどい。
学業に支障が出ない範囲でやろう。
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翌朝、リーズと一緒にシャワーを浴びて、そこでもイチャコラした後、リビングへ向かった。
すると、楽しそうな声が聞こえた。
家の中では聞き慣れない声も。
誰か来ているのか。
「あ!おはようライネル!」
ルリアだった。
彼女と一緒に話をしていたのはスレナとテオネス。
ミラはまだ寝てるなこりゃ。
「おはよう。もう俺ん家突き止めたのか」
「まぁね。でもキミも意地悪だよね。大っきい家なんて無数にあるのに、その中から探せなんてさ」
「ルリアなら見つけ出せると思って」
「あー…後ろ見た方いいかも…」
「えっ…あ、あっはは…違うんだよ」
リーズが険しい顔をして立っていた。
深い意味は無いんだけど、俺の言い方が良くなかったですね。ええ。
すみません。
「勘違いしないで。わたしとライネルはそういう関係じゃないから」
「そう…だよね。うん!疑ってわ――」
「今は。ね」
今日仮病で休もっかな。
二人の睨み合いが始まり、腹痛を堪えながらスレナお手製の朝食を食べる。
野菜と鶏肉がごろごろ入ったシチューと、太くて長いパンを焼いてくれた。
時期はもうとっくに過ぎているが、まだ肌寒いのでシチューの温かさが体に染みた。
パンは切り込みが入っていて、香ばしい香りとサクッとした食感が堪らない。
「ご馳走さま。美味しかったよ」
「ホントですか!?嬉しいです!」
スレナは大喜びで後片付けまでやってくれた。
すっかりメイドさんだ。
これだけの事をしてくれてる、お給料も考えないと。
「お兄ちゃん。あのルリアって人、一体何者なの?」
テオネスが耳打ちしてきた。
「わかんない。ただ、次席で入学してるわけだから、相当強いと思う」
実技試験を見ていないのが災いした。
合同実技の時は後方支援担当を希望し、攻撃魔術は一切使用していない。
それに、あの時掛けられた付与魔術は単一に与えるものを無理矢理折半したような、脆弱極まりないもの。
あっても無くても変わらないレベルだった。
攻撃魔術が本領ならば、はなからそれ使えよという話だ。
わざと実力を隠している…?
何故。そもそも隠す必要が無い。
更に言うなら、実技試験は攻撃魔術のみを精査する。
彼女が持つ技は、その試験を余裕を持ってクリアできる強さであり、次席に食い込める能力を秘めている。
並の実力では無い事は確かだ。
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学校に着いて早々、セスティーに呼び出された。
誰も居ない教室の中、すごい剣幕で椅子に座っている。
腕を組み、足を組んで偉そうに座っている。
「お呼びでしょうかセスティー先生」
「おう…まぁ座れや」
「あ、はい」
怖いの怖いの。
言われるがままに、面談の時と同じく、セスティーの真正面に椅子を置いて座った。
「まず、何故呼ばれたと思う」
「皆目見当もつきません」
「校内規則その二。不純異性交遊をした生徒は即退学となる。言いたいことはわかるな…?」
血の気の引くセスティーの言葉に、一気に力が抜けて椅子から転げ落ちた。
え、退学。
嘘でしょ。いくらなんでも早すぎだ。
誰が垂れ込んだ。
昨日の今日で有り得ないだろ。
「待って下さい!俺が誰と何をしたんですか!」
俺は決死の思いで叫んだ。
でも、心当たりがあり過ぎて頬が緩む。
「昨晩。ルリアと別れた後、りんご飴を買っただろう?その出店の前で、見ず知らずの女性とお前がキスをしていたと報告があった」
「そんなデタラメな話…」
ダメだ。笑うな俺。
自身の未来に関わる話だぞ。もっと緊張感を持て。
「お前はこれでおしまい。明日までに、これを書いてくるように」
セスティーが退学届を手渡してきた。
さすがにもう笑えない。
手が震えて頭が真っ白だ。
「…あの、救済とかは」
「無い。甘んじて受け入れろ」
誘われてから楽しみにしていた学校生活が、こんな形で終わるなんて。
自爆とか、ほんと救いようが無い。
もう何も考えたくない。
「さぁもう帰っていいぞ。お前はもうウチの生徒じゃないんだからな」
突き放すような言葉を、セスティーは冷酷な目で言った。
その姿は悪魔にしか見えない。
…逆恨みもいい所だ。
俺は学校を辞めたくない。まだまだ学び足りない。
夢を決めるには力がいる。
知力も体力も必要だ。
自身に欠けたピースをここで補わずして、どこで。
「お願いします助けて下さい!俺、なんでもします。プリント取りに来いと言われたら、真っ先に行きます。なんなら毎時間、肩をお揉みします。だからお願いします。助けて下さい…」
藁にもすがる思いで懇願した。
土下座をして、誠意を見せた。
「そうか…なんでも、か」
その言葉を聞いた時、背中を冷たい氷が伝ったような感じがした。
粘っこく、それでいて嬉しそうなセスティーの声だった。
間違いなく、見下した視線を俺に送っていることだろう。
「そうです!なんでもです!」
「なら…週に一回私の家に来い。最近ストレスが溜まりがちでな。体が乾いてしまってウズウズしてるんだ」
「教師の家に生徒が行くのは…」
「校内規則その六。担任の指示は絶対に守ること。ふふ…バカめ。お前は私のモノになるんだよ」
「残念!校内規則その十一。担任と生徒の関係を超えてはならない。じゃなかったでしたっけ?」
完璧なカウンターだろこれ。
論破したのに、セスティーに両手を押さえつけられていて動けない。
馬乗りで力強く押さえてくる。
「ほお、ちゃんと覚えていたのだな。感心感心。で?だからなんだ?お前は校内規則を十一までしか知らない。生徒にはそれしか教えられていない。いい機会だ、ちょっと教えてやる。実はな、教師陣にのみ伝えられている裏の校則があるんだよ。その校則こそが絶対。前半の十一条を歯後にできる校則だ。わたし達教師陣は、それらを行使できる権限を持っている。うっかりした教師が十一条に触れたとしても問題無し。裏の校則で守られるから。これらは全て、一部の愚かな生徒に対して不利に働く。だから強気に出れる。だからお前を味見できる」
そう言って、セスティーが顔を舐めてきた。
この人は、欲求不満を包み隠さず俺を襲った。
真っ直ぐな所はリーズに似ている。
多忙を極める教師という立場は、いとも簡単に人を壊してしまう。
同情の余地はある。
裏の校則は、一般生徒には知り得ない情報。
知る方法はただ一つ。
「セスティー先生…取り引きをしませんか?」
「この期に及んで何を…」
「週に一回先生の家に行きます。ですが良くないことはしません。妻が居るので。その代わりに、裏の校則を教えて下さい。一部でいいです。お話から察するに、複数あるでしょう?」
セスティーは[それら]を行使する権限を持っていると言った。
この事から、複数あると推測できる。
「待て。それではわたしにメリットが無い。一つ条件を付けさせろ。お触りくらいは許して欲しい…」
「あー…まぁ、それぐらいなら。てか、父さんの件はどうしたんですか。俺のこと嫌いって、あなた自分で言ってましたよね」
「前はそうだったな。でも、今のお前を見てると、若い頃のナイン師匠を見ているようで変な気持ちになるんだ。授業中の真面目な顔を見てると特にそう。ずっと見てたくなって、チョークを折りそうになる。唇に指を入れたらどんな反応するんだろうとか、リーズの前ではどんな顔してるんだろうかとか。考えれば考えるほど頭がぐるぐるして。お前の事しか考えられなくなって…好きに…なっちゃた…」
急にしおらしくなり、照れながら髪を弄るセスティーに、胸がきゅうとなった。
これって…告白だよね。
人の旦那に手を出そうとしてるんだよね。
似た者師弟だな。おい。
あと授業中に何考えてんだ。
真面目に受けてるこっちが馬鹿みたいじゃないか。
…なんて考えてないと、おとされてしまう気がする。
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
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