一人ぼっちの少年と白い魔物

妖猫

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道迷う

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そのごろ、ユウトは

(日が明るい時に入ったはずなのに夜みたいに薄暗くて下手すりゃ迷子になる気味が悪い森だな。しかも道が入り組んでいてかれこれ2、3時間ぐらい歩いだはずなのになかなか出口が見えてこないなあ)

とブツブツと呟きながら鞄の中からコンパスを出しひとまず方向を確かめようとするが磁場が狂ってるせいか針がグルグルと回ってしまう。

(どうしたもんだ)

と頭を抱えていると陽気な番人から言われたことを思い出して鞄の中にコンパスを仕舞い、代わりに無愛想な番人からもらったランプを出すと半信半疑で恐る恐る火を灯しながら辺りを見回すと足元にニュルっと白い蛇が足にまとわりついてきました。少年はびっくりして木の根っこに引っかかって転んでしまいました。

その蛇は少年の方に静かに眺めるとついて来いと言いたげそうな顔をし、そしてどこかに向かい始めました。青年は慌てて立ち上がりその蛇を見失わないようにランプを先に灯しながら必死に追いかけました。

すると入り組んでいた道は嘘のようにあっという間に抜け、出口の方に眩しい光に目を瞑り、ゆっくり開けてみると広い原っぱにぼつんと家が建っていました。

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