上 下
85 / 105
第7章 アカネとフルーテスとのお茶会編

【男の娘085】ショトウナーワへの準備3

しおりを挟む
「そむそうであったか。ならば、我一人が飛んで行って苗か?種?を取ってくれば良いのではないか?」

「あっ、そういえばそう言う方法もあったね。私が行かなきゃ分からないと思ってたから、考えてなかったよ。でも、ティムじゃどれが砂糖が出来る植物か分かんないでしょ?」

「うむ、それもそうじゃな。どんな植物なんじゃ?」

「それは、私も実際に見たことはないんだけど。イネ科の植物だから、小麦や稲と同じ様な形はしているの。こんな感じかな。」

 簡単な絵を紙に書いて行く。

「ここの幹の部分を切り取って、その中にある糖液を取り出して精製したものが砂糖になるんだよ。多分。」

「アカネは色々と賢いのー。それにしても多分とはどう言うことじゃ?それだけ詳しいなら、見たことがあるのであろう?」

「実際に見たことはないかな。書物で書いてあるのを見たことがあるだけだから、多分としか言えなかったの。あと茎を齧ると甘いジュース見たいらしいよ。」

「ふむ、そうであったか。いやいやアカネは勤勉であるな。齧ると甘い?もしかしてあれのことか?」

「えっ、ティムは実際に齧ったことがあるの?」

「ああ、多分あるぞ。大分昔のことだが、狩をしている時に、獲物と一緒に食べたことがあるぞ。」

 私は身を乗り出して、ティムの顔間近まで行って、肩を掴んでゆさぶった。

「ティムそれだよ。それがサトウキビだよ。灯台元くらしとはよく言うけど、まさか探し求めていたもののヒントがこんな近くにあったなんて。ティムともっと初めからよくお話ししておけばよかったなー。それで、ティムその場所は分かる?転移ゲートで行くことが出来る?」

「場所は、分かるぞ。ねぐらの一つの近くであるからな。転移では流石に行けんぞ。アンカーを打ち込んでおらんからな。我が転移ゲートの魔法を使える様になったのはアカネと契約してからであるからな。」

「そっかー、そうだよね。転移は、流石に高望みしすぎだよね。でも、場所が分かるんなら、ティムがピューっと飛んで行って取ってこれるってことじゃない?」

「ああその通りじゃな。ドラゴンに戻れば一日もかからずに行ってこれる距離じゃ。ふむ、なら、我が明日の朝一番で、行ってその植物をとってくれば良いのじゃな。」

「うん、出来るのならお願い。あっ、でもちょっと待って…一応大丈夫だとは思うけど、お父様に話を通しておかないと。」

「ふむ、なら今から話してくれば良かろう。」

「そうだね。善は急げだね。」

 私とティムはお父様の書斎に駆け込んだ。丁度お母様もいたので、タイミングが良かった様だ。

「お父様、先程の件で進展がありました。」

「なに、アカネ本当か?さほどじかんも経って居らんぞ。それで進展というのは。」

「砂糖の植物のある場所にティムが行ったことがありました。ドラゴンの姿なら、1日あれば行ってこれるそうです」

「ふむ、それが本当なら本当に進展があったということか。だが、先程はショトウナーワ国には言ったことがないと言ってあったが。」

「あー、お父様、今言ってる場所とショトウナーワ国が同じかどうかは分かりませんわ。」

「そうなんですか?ティム殿」

「うむ、国名を一々覚えておらんゆえ、分からんわ。ただ、茎を齧ると甘い汁が出る植物を食べたことはある。」

「ということですよ。お父様、ティムに行って取って来てもらってもいいでしょうか?」

「ティム殿がよければ問題なかろう。ただ、ドラゴンの姿を他の人に見られないことが条件になるかの。いることが知られれば大騒ぎになるからな。」

「ティムそういうことなんだけど。お願い出来るかな。」

「うむ、大丈夫じゃな。あとアカネ流石にやることが大き過ぎるからのう、腹も減るし、1日アカネの魔力とご飯が食べれんのは正直厳しいな。」

「なら、お弁当作るし、中途中途で転移ゲートで戻って来ればいいんじゃないかな?お父様、ティムに転移ゲートの魔法の許可を頂けますか?」

「うむ、誰にも見られないことと。その子供の姿で使わなければさほど問題にはならんであろう。あーいい忘れておったが、アカネは一緒に行ってはならんぞ。それとティム殿の転移はアカネの部屋のみとしなさい。これはまだ、私と母さんとお前たちだけとの秘密である。」

「はい、分かってますわ。お父様。ティム、そう言うことだから、ちょっと明日、行ってもらえる?あっ、転移を使う時は必ず向こうでアンカーを打ってからにしてね。じゃないとせっかく飛んで行ったのが無駄になっちゃうから。」

「うむ、分かったぞ。お弁当はサンドイッチと唐揚げで頼む。夕食は戻ってくるから用意しといてくれ。」

「ええ、ティム殿分かっておりますよ。お腹が空いて帰ってくるでしょうから、沢山用意して待ってますね。」

 私たちは、砂糖の件が前進したことので、気分良く解散した。

 いよいよ、待望していたサトウキビの苗が手に入る。私が現地に行って採ってこれないのは残念だけど、これで料理の幅は広がるし、お菓子をどんどん作ることが出来るわ。

 待っててね。私の未来の王子様。ちゃんと結納金を返済してから行きますから。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:241pt お気に入り:339

異世界に転生したので、とりあえず戦闘メイドを育てます。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:947pt お気に入り:945

無敵チートで悠々自適な異世界暮らし始めました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:149pt お気に入り:2,518

短編まとめ

BL / 連載中 24h.ポイント:362pt お気に入り:102

処理中です...