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第7章 ひとときの日常休暇編
【雇用№101】【閑話】セバリンとウェルザさんの秘密工作
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「奥様、例の件順調に進んでおりますぞ。」
「セバリン。ありがとう。それは良かったわ。次の襲撃までには間に合わないとね。これをお披露目することになると思うし。」
「ははっ、そうでございますな。デーモンの素材もリュウ殿が持ってきたあるもののおかげで有効利用の道が見えましたし、それに、大量に魔熊の素材も手に入りましたからな。」
「ええ、この上なく朗報でしたわ。何しろ、全員分のものを作るためには素材が不足していましたからね。デーモン一体だけでは、作れる量に限りがありましたし、その不足分を役所からもらおうととしたら、理由を問われますからね」
「ええっ、現状では、希少価値が高くなりすぎますからな。足元を見て、ふっかけられるか、国民の安全のため破格の金額で叩かれて技術を教えることになるでしょうな。
魔熊の素材もデーモンと同じく加工出来ることがわかりましたし、強度や耐魔法性能では、何段か落ちますがそれでも、金属に比べればはるかに軽く、鉄や銅よりも防御性能はございますからな。」
「そうよね。普段使いにしては、まだまだ、質感に問題があるけど、有事の際に使う分には問題なくなってますからね。リュウさんにも、素材自体は売ることも出来ないからなんでも使って、研究してくれてと言われてますから、問題ありませんしね。」
「奥様、リュウ殿にはこの件まだまだ秘密になさるおつもりでしょうか?」
「そうね。リュウさんには、当日見せてびっくりさせましょうか。それに、リュウさんにデーモンや魔熊の素材の有効活用を知られると、また、役所の方に情報を抜かれてしまいますから。」
「そうでございますな。あの方には、諜報や商売、駆け引きと言ったことはとことん向いておりません。故に勇者たる素質があるのでしょう。いい人過ぎる形で周りの人からも頼られやすく、それでいて利用されやすくもあり、また、騙されやすくもある。」
「そうなのよね。でも、それがリュウさんの魅力でもあるのよね。それだと、国や貴族、役所、商人に利用されるだけされてしまうわ。」
「そうですとも奥様。それ故に我々が勇者リュウ様の盾となり、壁となり、時に邪魔者を排除する剣となり、守ってあげる必要がありまする。奥様、リュウ殿のために我々は共に頑張っていきましょう!」
と二人は腕を交差さて、熱い視線で見つめあう。そこには、恋愛感情というものはなく、勇者のためにご奉仕するという盲目的な想があった。
「ええ、勿論よ、セバリン。世話をかけるわね。そのためにも次の襲撃までに、この秘密兵器が是非とも必要になるわ」
「そうでございますな。リュウ殿は、ファームの皆様には、下の防衛拠点にて、避難するように言っておりますが、おそらく戦えるようになった私達がそのまま避難するとは考えずらいですからな。おそらくチル殿あたりが率先して、というか、リュウ殿に並んで出かけてしまわれるでしょう。」
「そうよね。そうなると、他の人達にリュウさん以外でも、チルちゃんが戦えることになりますし、私達もそこそこ戦えることが公になるのよね。」
「ええ、そうなると役所、国からの詮索、並びに、住民からの嫉妬等も出てくるやも知れませんねな」
「そうなると、これまで培ってきた技術やリュウさんが秘匿しておきたい勇者や妖精のティタニアちゃんや、精霊樹の武器の問題も発覚してきますからな。それは望まぬ所でありましょう」
「そのならないためにも、また、仮に発覚した場合に置いてもこちらが有利になるように状況を整えておく必要があるものね。」
「ええ、これが全員分完成すれば、インプなどの攻撃は完全に弾けますし、安全性も増しますから、リュウ殿も、安心なさるでしょう。」
「セバリン、奥さんには、悪いけどもう少し頑張って頂いて頂戴。素材や技術の観点から中々他には依頼しにくいもの。あなたの奥さんだけが頼りなのよ。」
「奥様大丈夫ですとも。妻もその点はよく理解しておりますよ。むしろ、奥様や勇者リュウ殿の力となれるのであれば、喜んでと言ってますわ。」
「そう、それなら良かったわ。また、フルーツやお肉差し入れに渡すわね。」
「ありがとうございます奥様。それも頂けるとあって、毎日張り切って頑張っておりますわ」
「セバリン。ありがとう。それは良かったわ。次の襲撃までには間に合わないとね。これをお披露目することになると思うし。」
「ははっ、そうでございますな。デーモンの素材もリュウ殿が持ってきたあるもののおかげで有効利用の道が見えましたし、それに、大量に魔熊の素材も手に入りましたからな。」
「ええ、この上なく朗報でしたわ。何しろ、全員分のものを作るためには素材が不足していましたからね。デーモン一体だけでは、作れる量に限りがありましたし、その不足分を役所からもらおうととしたら、理由を問われますからね」
「ええっ、現状では、希少価値が高くなりすぎますからな。足元を見て、ふっかけられるか、国民の安全のため破格の金額で叩かれて技術を教えることになるでしょうな。
魔熊の素材もデーモンと同じく加工出来ることがわかりましたし、強度や耐魔法性能では、何段か落ちますがそれでも、金属に比べればはるかに軽く、鉄や銅よりも防御性能はございますからな。」
「そうよね。普段使いにしては、まだまだ、質感に問題があるけど、有事の際に使う分には問題なくなってますからね。リュウさんにも、素材自体は売ることも出来ないからなんでも使って、研究してくれてと言われてますから、問題ありませんしね。」
「奥様、リュウ殿にはこの件まだまだ秘密になさるおつもりでしょうか?」
「そうね。リュウさんには、当日見せてびっくりさせましょうか。それに、リュウさんにデーモンや魔熊の素材の有効活用を知られると、また、役所の方に情報を抜かれてしまいますから。」
「そうでございますな。あの方には、諜報や商売、駆け引きと言ったことはとことん向いておりません。故に勇者たる素質があるのでしょう。いい人過ぎる形で周りの人からも頼られやすく、それでいて利用されやすくもあり、また、騙されやすくもある。」
「そうなのよね。でも、それがリュウさんの魅力でもあるのよね。それだと、国や貴族、役所、商人に利用されるだけされてしまうわ。」
「そうですとも奥様。それ故に我々が勇者リュウ様の盾となり、壁となり、時に邪魔者を排除する剣となり、守ってあげる必要がありまする。奥様、リュウ殿のために我々は共に頑張っていきましょう!」
と二人は腕を交差さて、熱い視線で見つめあう。そこには、恋愛感情というものはなく、勇者のためにご奉仕するという盲目的な想があった。
「ええ、勿論よ、セバリン。世話をかけるわね。そのためにも次の襲撃までに、この秘密兵器が是非とも必要になるわ」
「そうでございますな。リュウ殿は、ファームの皆様には、下の防衛拠点にて、避難するように言っておりますが、おそらく戦えるようになった私達がそのまま避難するとは考えずらいですからな。おそらくチル殿あたりが率先して、というか、リュウ殿に並んで出かけてしまわれるでしょう。」
「そうよね。そうなると、他の人達にリュウさん以外でも、チルちゃんが戦えることになりますし、私達もそこそこ戦えることが公になるのよね。」
「ええ、そうなると役所、国からの詮索、並びに、住民からの嫉妬等も出てくるやも知れませんねな」
「そうなると、これまで培ってきた技術やリュウさんが秘匿しておきたい勇者や妖精のティタニアちゃんや、精霊樹の武器の問題も発覚してきますからな。それは望まぬ所でありましょう」
「そのならないためにも、また、仮に発覚した場合に置いてもこちらが有利になるように状況を整えておく必要があるものね。」
「ええ、これが全員分完成すれば、インプなどの攻撃は完全に弾けますし、安全性も増しますから、リュウ殿も、安心なさるでしょう。」
「セバリン、奥さんには、悪いけどもう少し頑張って頂いて頂戴。素材や技術の観点から中々他には依頼しにくいもの。あなたの奥さんだけが頼りなのよ。」
「奥様大丈夫ですとも。妻もその点はよく理解しておりますよ。むしろ、奥様や勇者リュウ殿の力となれるのであれば、喜んでと言ってますわ。」
「そう、それなら良かったわ。また、フルーツやお肉差し入れに渡すわね。」
「ありがとうございます奥様。それも頂けるとあって、毎日張り切って頑張っておりますわ」
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