【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

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第8章 変わってしまう日常編

【雇用№114】突発!魔族襲撃5

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「ウェルザさん、モニカちゃん無事かい?」

「リュウお兄ちゃんお帰り~。」

「リュウさん、チルさん、せっかくのデートなのに、急いで帰ってもらってごめんなさいね。」


「いえいえ、火急の大事ですから、仕方ないですよ。それより、二人が無事でよかったです」

「ホントだよー。農園に着いたら、デーモンがわんさか集まってるし、気がきじゃなかったよ。」

「まー二人が無事なのはよかったとして、その服は一体なんなんですか?」

そう僕の目の前には、鮮やかなピンク色と黄色の日朝にやってる戦隊ものっぽいスーツに身を包んだウェルザさんとモニカちゃんがいたのだ。

「ふふっ、それはですね。よくぞ聞いてくれました。リュウさん、私とセバリンが二人がかりで開発した秘密の装備なんですよ。デザインはリュウさんが以前お話してくれた戦隊ものをヒントに作成しました。」

「なっなぜ、そんなことを?普通の装備でいいじゃないですか?」

「それはですね。」
「それはだよ」

「正義の味方は、正体を知られてはいけないのです。」

「いけないんだよ。」

「特にリュウさんの力は、私たちからすると異端にも思えるほどの能力です。女神さまへのお祈りも必要なく、便利な魔法を沢山作られてます。リュウさんは、異世界からやって来てますから、この街の人々を守ってくれるのは、リュウさんの優しさによるものです。でも、私たちは、その優しさに甘えてはならないのです。」

「ならないのです。」

「私達も戦うためにこのスーツを作りました。これを着ていればリュウさんの魔法を私達がバンバン使っても、バレることはありません。」

「ありません」

「いや、でも、魔法を唱えたら声でウェルザさんってバレるんじゃ?」

「その点も心配ご無用ですわ」

「ですわ」

「セバリンが、熊の魔石を使って、声を変えられるマスクを開発しました。このスポッと被れるマスクをつければ」

「つければ」

「他の人からの個人の特定は不可能なのですよ」

「なのですよ」

「それだけではありません。基本の防御性能も、かなりたかいです。デーモンの皮と魔熊の皮を使用して、作成しましたので、耐刃性能、耐魔性能、耐衝撃性能もかなり高いです。インプ程度ならかすり傷一つ負うことはないでしょう」

「ないでしょう」

「そっそうなんですか」

「はい、それでこちらが我らが経営者、リーダーであるリュウさんのスーツです。」

どっどうやら、準備してあったようだ。この分だと5着ないし6着は準備してあるのかも。出されたスーツは、リーダーに相応しい情熱の真っ赤な赤いスーツ。さしずめドラゴンレッドなのだろう。

「あっありがとうございます。あはっ、あはっ、あははははっ」

いくらなんでも、25を過ぎて、このスーツは俳優さんでもないと着れないだろう。いや、既に僕の前にいい大人のウェルザさんが来ているのだが。なにか上手いいい訳は。。。
あっ、

「そっそうだ。僕は、冒険者者登録してますから、有事の際には、防衛並びに撃退の任務をする必要がありますから、覆面スーツでは、僕が何もしていなかったことになってしまいます。ですから、非常に残念ではありますが、今回は着ることは出来ないですね。でも、ウェルザさんやバトリンさんが僕たちのためを思って作ってくれたのは嬉しいです。ありがとうございます。」

よし、上手い言い訳だ。実際に活動しているのを周囲に見てもらう必要があるから、単なる言い訳だでもないのだが。

「ええ、勿論それも、私どもは、考慮しておりますよ。ですから、街の治安を守る時はこちらの服を着て下さい。」

と次に差し出されたのは、どこぞの勇者様がきておられる蒼い服、さっきのレンジャースーツのような煌びやかさはなく、そこらを歩いている人が、きているような淡い色合いのものだ。そして、真っ黒なマント。頭には、耳付きの、冬国で使ってそうな耳付きのの茶色のフード。フードと、マントは素材の色そのままのようだ。

「こちらも、デーモン並びに魔熊の素材で使ってありますので、安全性能はばっちりです。マントは、耐魔性能重視ですので、盾がわりにお使い下さい。」

こっこれなら、来着ても大丈夫かもしれない。イギリスの魔法使いの映画が好きな僕としては、真っ黒な服とマントに身を包み、魔法の杖を持って、魔法を使ってみたかったんだ。

「ありがとうございます。これなら、安全に戦うことが出来ます。」

「リュウさん、その服とスーツには、対魔霊樹用の素材も使ってありますから、大事に使って下さいね。」

僅かな時間で、そこまでの装備を作るとは相変わらずセバリンさんとウェルザさんのスペックが高すぎる。あれっ?対魔霊樹装備?

「と言うことは、チルとティタニアの分も?」

「ええ、既に準備して渡してありますわ。ほらっ、二人とも準備出来たようですわ」

ウェルザさんの示した方を見ると、グリーンと、スカイブルーのスーツを着たチルとティタニアが立っていた。いやでも、これって身体のラインがハッキリ分かるから、目のやり場に困りますね。特にウェルザさんは、スタイルがよいので、顔より下に視線を向けることが出来なかった。

視線を下に一度下がってしまえば、二度と、上に上げることは出来なくなってしまうだろう。それにしても、なぜ、お子様サイズのティタニアが、チルと同じ大きさで立っているのだろう。顔とスーツの大きさが合っておらず、アンバランス感が半端ない。

「リュウ兄ちゃんどうかな?」

とくるっと、その場で回る。オシャレ装備のミニスカートがチラッと風で浮かぶ。

「うん、とてもよく似合ってるよチル」

「えへへへへーっ、」

チルが顔を赤く染めて喜んでいる。

「ちょっと私にはなにもないのかしら?リュウ」

「ティタニアは、アンバランス感が酷いので、ノーコメントだ。」

「だって仕方ないじゃない。小さなままで外で戦うと妖精の存在を勘付かれかねないし。それなら、ある程度の大人のサイズで戦う必要があるじゃない?スライムのジェルを沢山詰め込んで、精霊術で頑張って動かしてたのに。」

どうやら、色々考えた末でのアンバランス感になったようだ。褒めてもらえず、若干不貞腐れている。

「いや、すまん。とてもよく似合ってるよ。」

「セバリンとウリにも、スーツは渡してありますから大丈夫ですわ。それに、このスーツは、セバリンの奥さんが作ってくれましたから。」

「そっ、そうだった。セバリンさんをこれから僕とチルは助けに行くから、ウェルザさんと、モニカちゃんは十分安全に配慮して、町の人たちの避難を誘導すること。ティタニアは、二人について、デーモンが来たときの対応を頼む。もし、危なくなりそうだったら、さっきみたいに通信?してくれ。」

「「「はい」」」
「分かったわ」

「では、ドラゴンファーム、『命大切に』の作戦で行くぞ!」

「「「おーっ」」」
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