【完結】雇われ勇者の薬草農園　～チートスキルで薬草栽培始めます～　【累計13万PT　＆　123大賞4一次通過】

近衛　愛

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第8章　変わってしまう日常編

【雇用№121】ティタニアの決断

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ティタニアは、痛みに耐えながら、ある光景を見ていた。

「ここはどこなの？さっきまで農園にいて、デーモンと戦っていたのに。」

辺りを見回すと、街の中なのだろう。しかし、家は壊れ、道の上には、瓦礫や死体が所々に転がっている。街を囲む外壁が、壊れているのか、薬樹の森が街の中から確認でき、精霊樹も大きく聳え立っている

「精霊樹が見えるということは、私が住んでいる街よね。なら、このくたびれた街は、デーモンに襲撃があったからなのかしら？」

あの活気のある街はもうそこにはなかった。人が倒れ、家が崩れ、白のあった方を見ると、そこにはあったはずの城が跡形もなく消えていた。

「ホント、どうなっているの？城がなくなるほどの、デーモンが、したって言うの？ありえないわ。どんな攻撃や魔法をした所であんなでかい建造物を跡形もなく消し去るなんてこと、いくらデーモンやデーモンイーターであっても出来るはずがない。というか、魔族がわざわざ建造物わ破壊するなんて無意味なことをする意味がないわ。」

「じゃー一体どうして？それにここは、いつなの？私は意識を失ったの？リュウは、リュウはどうなったの？勇者であるリュウは」

その時、上空に黒いマントをつけた影が移動して、街を壊れた街をさらに破壊していた。

「ふばばばっ、魔族と戦争をし、民を蔑ろにし、そのつけを異世界人に回す国なぞ滅んでしまえ。チルを殺したこの街なんてもう必要ない。全て、全てなくなってしまえ。」

「はわっはっはっは。」

どこか、聞き覚えのある声だった。だってその声は、いつもの日常にあった声なのだから。でも、その声には温かみはなく、冷たい寂しい声だった。

「リュウ。。。。まさか、勇者であるあなたがやったっていうの。」

ティタニアの意識は、再び、戻っていった。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「はぁっ、はぁっはぁっ、一体さっきの光景はなんだったのかしら。今は、そうよね。農園で、デーモンイーターと戦っている最中よね。あっ、そう言えば、精霊王の側近のオジジが言ってたっけ。精霊には稀に、予知夢もしくは、デジャビュを見る者がいるって。その時は酷い痛みを有し、限りなく起こるであろう未来を僅かだが覗かことが出来るって」

「なら、あれはこれから起こりうる未来の光景ってこと。なに勇者であるリュウが、世界を救うんじゃなくて、国を滅ぼすやつになるってこと。何やってんのよ。あの勇者は。。。でも、その気持ちも分からなくもないわね。チルが大切にしてたチルが死んじゃったんだから。。。」

「でも、仕方ないのよ。人はいずれ死ぬ者だし、確かに理不尽な死ではあった。とは言え、私にも生き返られる精霊術なんてないし、……。あむ、オジジがそう言えば、精霊術の禁術についてあの時わざわざ教えてくれたわね。禁術なんメリーナて、禁死されているものを教えることへの矛盾を感じたけど…あの時オジジは、なんて言ってたっけ？世界が滅びへと向かうような未来を見た時に限り禁術を、使うことを許可するだったかな？」

「教えてもらった禁術は、時の巻き戻し。時の流れを弄るんだから、そりゃ禁術扱いよね。時が変わった流れの反動がどのようにして起きるかなんて、分かんないんだから。でも、この時の巻き戻しを使えってこと？これって、対象は、世界ではなく、ある狭い範囲の対象のみのは微々たるものなのに？そんなに未来へ影響与えられなくない？」

とティタニアは本当にそうか考え込む………。

「あの時、リュウはチルが亡くなってしまったことを理由に、城や街への破壊行為を、してたのよね。なら、チルがなくならなければ、そんなことにはならない？チルだけなら、禁術を使えば、生き返らせることも出来るかもしれないし、あの未来を、回避出来るかもしれないわね。でも………」

「はぁーっ、」

　深いため息を吐くティタニア。

「でも、その未来に私がいることはないし、見ることも出来ないわね。なんせ禁術だもん、それ相応のリスクはあるもんね。巻き戻した分の時間以上に、未来に使用者が吹き飛ばされるってそんなことあり？オジジが前に使った時は100年程経過してたみたいだけど。そんなに飛ばされちゃったら、私はもう2度と、リュウやチル、ウェルザやモニカちゃん、セバリン、そして、ウリとあえなくなってしまうんだけど。。。」

「それに、私が受けた神託はどうすればいいのよ。あっ、でもあのオジジこうなることが分かってて教えた節があるわね。まーでも、しゃーないか、チルが亡くなってるのは私も嫌だし、リュウがあんなに暴走して訳わかんないのも嫌だし、あんな状況じゃ他のみんなもどんなことになってるか分かんないものね。
　みんなが良くなる代償は、かわゆい超天才美少女妖精のティタニアちゃんの人生ってだけだもんね。しかも、私の命がなくなるわけじゃないけど。生きてはいるけど、知っている人が誰も生きていない世界に飛んだってしょうがないんだけど………。」

「あっ、それはリュウも一緒か。悪いことしちゃったわね。今度会ったら優しくしてあげたいとこだけどそれも………無理……か……。やると決めたらサクッとやっちゃおう。時間が経てば経つほど大丈夫に払う私の時間が伸びちゃうし。」

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