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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№120】デーモンイーターとのどうにもならない戦い4
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痛みに呻き声を上げることも、バランスを崩すこともなく、スムーズにデーモンイーターは立ち上がった。片腕を持って食べながら。。。
魔女の一撃が発動してまだそんなに経過していないのに。。。。なんで?まっまさか、食べたことで再生したから、状態異常のギックリ腰まで治療したのか?
くっそ~、僕は、精霊術による回復も、ポーションによる回復もダメだったのにそんなのありかよ。でも、今はこれしか使える切り札がない。
『スキル:魔女の一撃』
スキル自体は発動したのか、デーモンイーターは、痛みに耐えかね、また、腰を落とす。ギラっとデーモンイーターの目がこちらを睨む。むしゃむしゃと食べていた腕をおもむろに振りかぶり。こっちに向かって投げつけてきた。
投げてきた腕の残骸が物凄いスピードで飛んでくる。あたりがスローモーションになってくる。
あれっ、これってもしかして死ぬ予兆か。前の襲撃とは違い走馬灯を見ることはないが、周辺が超スローペースでコマ送りのように動いている。身体が動けば、対処出来るかもしれないが生憎痛くて動けない。
あー終わってしまった。愛ちゃんごめん僕はもう地球には帰れそうもないや。僕のことは忘れてステキな人と結婚して幸せな人生を送って下さい。
「リュウ兄ちゃん危ない」
そんなことを考えていた折に、チルがそれを防ごうと僕とデーモンイーターの間に出てきて手を広げる。それは子を守る親のように。
チル、だめだそこをどくんだ。チルはいいから逃げてくれ。声にならない心の声を上げる。もどかしい、なんでこんな瞬間がスローモーションで流れてるんだ。何もできない大切な人が身を呈して守ってくれているのに、自分は横たわって何も出来ずにただ見ているだけ。
投げられた腕は射線上にあった、チルの胸にぶつかり、チルを弾き飛ばし、ぶつかった衝撃で、腕の残骸は上に吹っ飛び地面に転がり落ちた。
僕の時間が再び通常通り動き出した。
チルは弾き飛ばされて遠くに行ってしまった。なんとか痛む体を動かし、チルの方を見る。右胸半分が吹き飛んでしまったチルが血を流し横たわっていた。ピクリども動かない、血が身体からどんどん流れ出している
スカイブルーの綺麗だったスーツが真っ紅に染められてゆく。
「うっうそだ。嘘だ。チル。チル。生きているんだろう。頼むから返事してくれ。」
僕はギックリ腰の痛みに耐えながら、ゆっくりと手足を使って匍匐前進していく。
「ウギュウギュ、ウギュウギュウギュ」
デーモンイーターの下びた笑い声があたりに広がる。自分のギックリ腰の痛みよりも、目の前に広がる悲惨な光景、悲しみの叫び声が楽しいようだ。
「ティタニア。ティタニア。、はっはやく、チルに回復を」
ティタニアは、チルの側まで飛んでいく。チルの首筋に手を当て、こちらを向いて首を横に振る。
「そっそんな、。チル!チル!。チルー」
「ウギュウギュ、ウギュウギュウギュ」
デーモンイーターの下びた笑い声がまた聞こえてくる。
「何が、何がそんなに面白いんだ。人が一人なくなったって言うのに。お前なんか、チルを殺したお前なんか、殺してやる。たとえ、相打ちになったって絶対にお前を殺してやる。」
『怨恨値が規定値に達しました。
賢者の素を悪魔の素に変質します。
賢者の素の愛情値はリセットされます。
・
・
・
怨恨値が規定値に達しました。
悪魔の素が悪魔の種に進化します。
・
・
・
怨恨値が規定値に達しました。
規定の条件を達成のため、悪魔の器に進化します。
・
・
・
本体の損傷確認並びに状態異常感知
修復するため、周囲より魔素を吸収します。』
周囲の魔素がどんどんリュウの身体に吸収されていく。あれだけ手を尽くしても治らなかった、ギックリ腰が治り、魔素を吸収した身体は徐々に硬くそして、黒く染まっていく。
さっきから、システムメッセージがピコピコ五月蝿い。手でシステム画面を振り払う。どういうわけかギックリ腰の効果が、なくなっていて、身体を動かしても痛みがない。
丁度いいや。起き上がって足を一歩踏み出す。
「パンっ」
地面を蹴った後には土煙が舞い上がる。デーモンイーターは相変わらず、横たわったままゲタゲタと笑っている。
一瞬にして、距離を詰めるリュウ
「死ね、デモンズブレイド」
右手から、魔素を固めた漆黒の剣が現れ、それを横たわっているデーモンイーターの首を目掛けて振り下ろす。
先程まで、傷つけられることの出来なかったデーモンイーターの皮膚をあっさりと貫通し、切り離す。デーモンイーターは、自分が死んだことにも気付かずになくなってしまった。
「お前なんか、お前なんか死んで、粉クズになって、あの世でチルに詫びろ!」
何度も何度もことキレたデーモンイーターに対して、我を忘れて、リュウはデモンズソードを振り回して、微塵切りにしていく。
悲しみの咆哮があたりに鳴り響く。
リュウが変貌してしまった間、ティタニアは、猛烈な幻通に襲われていた。
「痛い、痛い、痛い、これは一体なんなの?何が起こってるの?」
妖精の声を聞けるものはこの場には誰もいない。
魔女の一撃が発動してまだそんなに経過していないのに。。。。なんで?まっまさか、食べたことで再生したから、状態異常のギックリ腰まで治療したのか?
くっそ~、僕は、精霊術による回復も、ポーションによる回復もダメだったのにそんなのありかよ。でも、今はこれしか使える切り札がない。
『スキル:魔女の一撃』
スキル自体は発動したのか、デーモンイーターは、痛みに耐えかね、また、腰を落とす。ギラっとデーモンイーターの目がこちらを睨む。むしゃむしゃと食べていた腕をおもむろに振りかぶり。こっちに向かって投げつけてきた。
投げてきた腕の残骸が物凄いスピードで飛んでくる。あたりがスローモーションになってくる。
あれっ、これってもしかして死ぬ予兆か。前の襲撃とは違い走馬灯を見ることはないが、周辺が超スローペースでコマ送りのように動いている。身体が動けば、対処出来るかもしれないが生憎痛くて動けない。
あー終わってしまった。愛ちゃんごめん僕はもう地球には帰れそうもないや。僕のことは忘れてステキな人と結婚して幸せな人生を送って下さい。
「リュウ兄ちゃん危ない」
そんなことを考えていた折に、チルがそれを防ごうと僕とデーモンイーターの間に出てきて手を広げる。それは子を守る親のように。
チル、だめだそこをどくんだ。チルはいいから逃げてくれ。声にならない心の声を上げる。もどかしい、なんでこんな瞬間がスローモーションで流れてるんだ。何もできない大切な人が身を呈して守ってくれているのに、自分は横たわって何も出来ずにただ見ているだけ。
投げられた腕は射線上にあった、チルの胸にぶつかり、チルを弾き飛ばし、ぶつかった衝撃で、腕の残骸は上に吹っ飛び地面に転がり落ちた。
僕の時間が再び通常通り動き出した。
チルは弾き飛ばされて遠くに行ってしまった。なんとか痛む体を動かし、チルの方を見る。右胸半分が吹き飛んでしまったチルが血を流し横たわっていた。ピクリども動かない、血が身体からどんどん流れ出している
スカイブルーの綺麗だったスーツが真っ紅に染められてゆく。
「うっうそだ。嘘だ。チル。チル。生きているんだろう。頼むから返事してくれ。」
僕はギックリ腰の痛みに耐えながら、ゆっくりと手足を使って匍匐前進していく。
「ウギュウギュ、ウギュウギュウギュ」
デーモンイーターの下びた笑い声があたりに広がる。自分のギックリ腰の痛みよりも、目の前に広がる悲惨な光景、悲しみの叫び声が楽しいようだ。
「ティタニア。ティタニア。、はっはやく、チルに回復を」
ティタニアは、チルの側まで飛んでいく。チルの首筋に手を当て、こちらを向いて首を横に振る。
「そっそんな、。チル!チル!。チルー」
「ウギュウギュ、ウギュウギュウギュ」
デーモンイーターの下びた笑い声がまた聞こえてくる。
「何が、何がそんなに面白いんだ。人が一人なくなったって言うのに。お前なんか、チルを殺したお前なんか、殺してやる。たとえ、相打ちになったって絶対にお前を殺してやる。」
『怨恨値が規定値に達しました。
賢者の素を悪魔の素に変質します。
賢者の素の愛情値はリセットされます。
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怨恨値が規定値に達しました。
悪魔の素が悪魔の種に進化します。
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怨恨値が規定値に達しました。
規定の条件を達成のため、悪魔の器に進化します。
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本体の損傷確認並びに状態異常感知
修復するため、周囲より魔素を吸収します。』
周囲の魔素がどんどんリュウの身体に吸収されていく。あれだけ手を尽くしても治らなかった、ギックリ腰が治り、魔素を吸収した身体は徐々に硬くそして、黒く染まっていく。
さっきから、システムメッセージがピコピコ五月蝿い。手でシステム画面を振り払う。どういうわけかギックリ腰の効果が、なくなっていて、身体を動かしても痛みがない。
丁度いいや。起き上がって足を一歩踏み出す。
「パンっ」
地面を蹴った後には土煙が舞い上がる。デーモンイーターは相変わらず、横たわったままゲタゲタと笑っている。
一瞬にして、距離を詰めるリュウ
「死ね、デモンズブレイド」
右手から、魔素を固めた漆黒の剣が現れ、それを横たわっているデーモンイーターの首を目掛けて振り下ろす。
先程まで、傷つけられることの出来なかったデーモンイーターの皮膚をあっさりと貫通し、切り離す。デーモンイーターは、自分が死んだことにも気付かずになくなってしまった。
「お前なんか、お前なんか死んで、粉クズになって、あの世でチルに詫びろ!」
何度も何度もことキレたデーモンイーターに対して、我を忘れて、リュウはデモンズソードを振り回して、微塵切りにしていく。
悲しみの咆哮があたりに鳴り響く。
リュウが変貌してしまった間、ティタニアは、猛烈な幻通に襲われていた。
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