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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№123】ティタニアの運命2
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「はいっ、それで一体何があったの?僕はどうなってたんだい?」
「リュウ、これから私が質問する以外は返答は許しません。さっきも言ったけど時間がないのよ。わかった?」
「はいっ」
背筋を伸ばして、直立して返事をする。こんなのは会社の新入社員研修以来だな。
「時間がないので掻い摘んで話すわね。まず、チルは生き帰った訳ではないわ。正確にいうと、死ぬ前の状態に精霊術の禁術である時の巻き戻しを使って、チルの身体の時間を巻き戻したの。」
「そっ」
発言しようとした瞬間、ティタニアから鋭い突き刺すような視線が飛んできた。はい、もう勝手に喋りません。
「それでチルはまーいく帰った訳ね。その禁術はリスクがあって、使用者が巻き戻した時間に比例して未来に飛ばられるというもの。多分数十年か百年程未来に飛ばされることになるわ。だから、私はもうあなた達と一緒に魔霊樹伐採に行くことは出来ない。」
なるほど、それでさっきから時間がない時間がないって言っていたのか。でも、ティタニアともう会えないのか?
「で、リュウさっきまで意識を失ってたみたいだけど、デーモンイーターを倒した覚えはある?」
「いいえ、ありません。」
悠長に話しているかと思ったら、デーモンイーターを倒していたのか。どうやって?しかも、僕が倒したのか?そういえば話すわ、普通に立っているけど、魔女の一撃の効果はどうなったんだ?
「そう?なら、意識を失う前に何かおかしなことはなかった?どんな些細なことでもいいから。思い出して」
僕が意識があるのは、チルがデーマンイーターに殺されて、怒りがどんどんどんどん溢れて来たんだよな。あっ、そういえば、あの時は
「システムメッセージが現れてた」
「システムメッセージ?何が出てたの?」
「うん?なんだっけ、賢者の素が、どうこうって。。。」
「そのメッセージって見られないの?」
「あっそうか」
『ステータスオープン』
「うん、システムメッセージの履歴が残っているから確認できるよ。」
「なら、その箇所を読んでみて、早く早く」
「ええっと。賢者の素が変質して、悪魔(悪の魔法使い)の種に変質しましたって書いてあるよ。」
女神様、なんてものをスキルに入れてくれてるんですか?悪魔の種って滅茶苦茶やばそうじゃないですか。
「それが原因みたいね。それにしても悪魔の種ってそんなやばいものを(なら、それを元に戻せばあの未来は回避出来るかもしれないわね。リュウに未来のことを話したら、潰れてしまいそうだから話せないし、外部から出来る限りのことをやって回避しないとね。)リュウ、あなたに時の巻き戻しを使うわ。でも、私の精霊力だけじゃ足りないわ。あなたの気も使わせてもらうわよ。」
「はい、お願いします。どうすればいいですか?」
「リュウは何もしなくてもいいわ。そのままじっとしていて。悪魔の種はどこにあるんだっけ?基本的には脳の所よね。」
ティタニアは、リュウの頭に手を当てて、リュウの気を吸い取りながら、時の巻き戻しの精霊術を発動する。後は、悪魔の種が賢者の素に戻るまで術をかけ続けるだけである。
「リュウ、巻き戻しを発動したから、なにかメッセージに変化があったら教えてくれる?」
「はいっ、分かりました。現状は何も変わりありません。」
「それはそうよね。さっき話した分から、さらにあんたが暴走する直前まで戻すんだから。チルの時よりも時間がかかるわ。それまでに伝えておくべきことを話しておくわね。」
「はいっ、お願いします。」
発言を許されない一兵卒になった気分である。もはや、隊長の許可無くして発言することが出来ない。
「私がいなくなることに関しては誰のせいでもないからそのことであなたが悔やむことはないの。だから、自分を責めちゃダメだし、世界を恨んでもダメよ。あなたは、大切なものがいなくなると暴走しやすくなるのかしら?賢者の素が変質したなんて聞いたことはないわ。元に戻しただから、同じようなことがあればまた、悪魔の種になるかもしれないわね。」
「えっ、本当に」
「ええっマジよマジ。だから後でティタニア様が特別におまじないをかけてあげるわ。ええと後は、モニカちゃんやウェルザさん、セバリンさんに、ウリには悪いけどリュウから宜しく伝えといてくれる?」
「そんな、今もこの場にいる訳だし、ティタニアがそのまま維持してくれて、話してくれたら」
「バカリュウ。いつまでも、維持できる訳ないでしょう…自分の足りなくなったから、あんたの気を使ってるんじゃないの。それもあんたの悪魔の種を戻すのに使ってはいるけど、戻せるかどうか微妙だけどなとこなんだからね。」
「はい、すみません。僕から伝えさせて頂きます。」
「宜しい。あっ、チルにも起きたら説明しといて。私がいなくなるのはチルのせいでもないから。それでもあんた達が後ろめたく、責任感じるようなら私が未来に飛ばされた時に美味しいものが沢山食べられるように蜜を沢山用意しておきなさい。」
「ええと、つまりティタニアの好きな話を沢山ドラゴンズファームに植えとけば良い分けで?」
「そうよ。リュウが元の世界に帰っても、チルがジャミやでなくなった後も未来永劫、ティタニア様が、美味しく花の蜜を吸えるようにしときなさい。」
「えっ、僕たちが、いなくなった後も」
「当然でしょう。数百年は飛ばされることになるんだから、そこまで持たないと私が大好きな花の蜜を吸うことが出来ないじゃない。」
「ごもっともで。ですが、管理者がいなくなった後というのは………」
「リュウ、これから私が質問する以外は返答は許しません。さっきも言ったけど時間がないのよ。わかった?」
「はいっ」
背筋を伸ばして、直立して返事をする。こんなのは会社の新入社員研修以来だな。
「時間がないので掻い摘んで話すわね。まず、チルは生き帰った訳ではないわ。正確にいうと、死ぬ前の状態に精霊術の禁術である時の巻き戻しを使って、チルの身体の時間を巻き戻したの。」
「そっ」
発言しようとした瞬間、ティタニアから鋭い突き刺すような視線が飛んできた。はい、もう勝手に喋りません。
「それでチルはまーいく帰った訳ね。その禁術はリスクがあって、使用者が巻き戻した時間に比例して未来に飛ばられるというもの。多分数十年か百年程未来に飛ばされることになるわ。だから、私はもうあなた達と一緒に魔霊樹伐採に行くことは出来ない。」
なるほど、それでさっきから時間がない時間がないって言っていたのか。でも、ティタニアともう会えないのか?
「で、リュウさっきまで意識を失ってたみたいだけど、デーモンイーターを倒した覚えはある?」
「いいえ、ありません。」
悠長に話しているかと思ったら、デーモンイーターを倒していたのか。どうやって?しかも、僕が倒したのか?そういえば話すわ、普通に立っているけど、魔女の一撃の効果はどうなったんだ?
「そう?なら、意識を失う前に何かおかしなことはなかった?どんな些細なことでもいいから。思い出して」
僕が意識があるのは、チルがデーマンイーターに殺されて、怒りがどんどんどんどん溢れて来たんだよな。あっ、そういえば、あの時は
「システムメッセージが現れてた」
「システムメッセージ?何が出てたの?」
「うん?なんだっけ、賢者の素が、どうこうって。。。」
「そのメッセージって見られないの?」
「あっそうか」
『ステータスオープン』
「うん、システムメッセージの履歴が残っているから確認できるよ。」
「なら、その箇所を読んでみて、早く早く」
「ええっと。賢者の素が変質して、悪魔(悪の魔法使い)の種に変質しましたって書いてあるよ。」
女神様、なんてものをスキルに入れてくれてるんですか?悪魔の種って滅茶苦茶やばそうじゃないですか。
「それが原因みたいね。それにしても悪魔の種ってそんなやばいものを(なら、それを元に戻せばあの未来は回避出来るかもしれないわね。リュウに未来のことを話したら、潰れてしまいそうだから話せないし、外部から出来る限りのことをやって回避しないとね。)リュウ、あなたに時の巻き戻しを使うわ。でも、私の精霊力だけじゃ足りないわ。あなたの気も使わせてもらうわよ。」
「はい、お願いします。どうすればいいですか?」
「リュウは何もしなくてもいいわ。そのままじっとしていて。悪魔の種はどこにあるんだっけ?基本的には脳の所よね。」
ティタニアは、リュウの頭に手を当てて、リュウの気を吸い取りながら、時の巻き戻しの精霊術を発動する。後は、悪魔の種が賢者の素に戻るまで術をかけ続けるだけである。
「リュウ、巻き戻しを発動したから、なにかメッセージに変化があったら教えてくれる?」
「はいっ、分かりました。現状は何も変わりありません。」
「それはそうよね。さっき話した分から、さらにあんたが暴走する直前まで戻すんだから。チルの時よりも時間がかかるわ。それまでに伝えておくべきことを話しておくわね。」
「はいっ、お願いします。」
発言を許されない一兵卒になった気分である。もはや、隊長の許可無くして発言することが出来ない。
「私がいなくなることに関しては誰のせいでもないからそのことであなたが悔やむことはないの。だから、自分を責めちゃダメだし、世界を恨んでもダメよ。あなたは、大切なものがいなくなると暴走しやすくなるのかしら?賢者の素が変質したなんて聞いたことはないわ。元に戻しただから、同じようなことがあればまた、悪魔の種になるかもしれないわね。」
「えっ、本当に」
「ええっマジよマジ。だから後でティタニア様が特別におまじないをかけてあげるわ。ええと後は、モニカちゃんやウェルザさん、セバリンさんに、ウリには悪いけどリュウから宜しく伝えといてくれる?」
「そんな、今もこの場にいる訳だし、ティタニアがそのまま維持してくれて、話してくれたら」
「バカリュウ。いつまでも、維持できる訳ないでしょう…自分の足りなくなったから、あんたの気を使ってるんじゃないの。それもあんたの悪魔の種を戻すのに使ってはいるけど、戻せるかどうか微妙だけどなとこなんだからね。」
「はい、すみません。僕から伝えさせて頂きます。」
「宜しい。あっ、チルにも起きたら説明しといて。私がいなくなるのはチルのせいでもないから。それでもあんた達が後ろめたく、責任感じるようなら私が未来に飛ばされた時に美味しいものが沢山食べられるように蜜を沢山用意しておきなさい。」
「ええと、つまりティタニアの好きな話を沢山ドラゴンズファームに植えとけば良い分けで?」
「そうよ。リュウが元の世界に帰っても、チルがジャミやでなくなった後も未来永劫、ティタニア様が、美味しく花の蜜を吸えるようにしときなさい。」
「えっ、僕たちが、いなくなった後も」
「当然でしょう。数百年は飛ばされることになるんだから、そこまで持たないと私が大好きな花の蜜を吸うことが出来ないじゃない。」
「ごもっともで。ですが、管理者がいなくなった後というのは………」
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