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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№144】魔法陣の効果5
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それにしても魔素にもロスがあったのかまるで電気みたいだな。電圧と電流と抵抗値の関係性で説明出来るのだけど、魔素のエネルギー式ってあるのかな。
電気でのエネルギーロスの代表と言えば、熱エネルギーだよね。W=VI=i*i*r のエネルギーが熱に変換されんだよね。モニターメーカーの知り合いの話だと、熱が発生すると、電子機器や半導体の補償範囲を超える場合が出てきて、意図しない動作をすることが多くなるんだとか。それで、熱をなるべく発散させるため、熱伝導率の高い鉄を使って、突起の沢山ある放熱版をつけて、放熱するらしい。
それでも難しかったら、協力なファンをつけて排熱するんだけど、コストに関わるからなるべく、熱が出ない様に、ロスが少ない様に設計するんだとか。
魔素がロスしたら、何に変わるんだろうか?熱か?はたまた別のものか?どちらにしろロスがあるのなら、なんらかの魔素に対する抵抗があるのだろう。
空中を漂っている魔素にも関わらず、人体を繋げると抵抗が出てくるとは何事だろうか?人体が抵抗が高いので有れば、より抵抗値の少ない物質で、人と人の間に魔素のパスを繋げてあげる必要があるな。
いやそうじゃないそうじゃない。
「ひとまず人で魔法を増幅する実験は終了しますね。みんな協力してくれてありがとう。今日は予定外の仕事で疲れさせてしまったから、お仕事はこれで終了にします。」
「リュウ殿ありがとうございます。出来てない仕事に関しては明日早急に行いますぞ。」
「モニカは、もうダメ。ネムネムなの~。」
と隣にいるウェルザさんのお膝の上に行って眠ってしまった。
「あら、あら、よっぽど疲れたのね。頑張ったわね。モニカ」
「ふみゅー」
モニカちゃんは夕食の時間まで僕の部屋で一休みし、ウェルザさんは休憩しながら、夕食の準備となった。
僕とノエルは夕食が出来るまで先程の試験の結果をまとめて、次の試験をどうするか考えていた。
「パパ、人体での魔法陣構成は未知の所があるので、今は一旦停止して、魔石における、魔法の増幅と減衰の試験を重ねてより効率的に運用する方法を考えた方が良いかと。」
「そうだね。ノエル。実験するにしても今日のメンバーに集まってもらわないとだし、そうなるとモニカちゃんの負担も増えるし、薬草農園の経営が滞るから、一旦中止だな。と言っても、魔石の方もさっきの実験でだいぶ色が薄くなってきたな。」
「ちょっとノエルちゃん、リュウ兄ちゃん二人だけで難しい話してないで、ママもお話に混ぜてよ~」
「ちょっとチル。ママはやめて、お姉さんになったんじゃなかったのか?ずうずうしいとノエルに嫌われるぞ。」
あきれながら、チルに釘をさしておく。一旦断った内容をぶり返されると、あまり気分がよくない。この子は何を言っても聞く気がないんじゃないかと思って、関わるのをやめてしまうケースがこれまでにも多々あった。
「パパ私は、チルさんのことを嫌ったりしませんよ。大切な家族ですからね。でも、ですね、ママ呼びはちょっ……。私にとってのママは、ティタニアママだけですから。」
ちょっとノエルが寂しそうな顔をしている。ママにあったことがないのが辛いのだろうか。
「ノエル。パパがママのいない分もノエルと一緒に過ごすからな。」
「ごめんごめん。ノエルちゃん。私ちょっと調子に乗りすぎてたわ。チルお姉ちゃんもノエルちゃんの味方だよ。遠慮なく寂しくなったらおいでね。」
「パパもチルお姉ちゃんもありがとう。」
ノエルのチルの呼称がコロコロ変わっているな。チルもノエルに対してキャラを固定してしまえば、いいお姉さんになると思うのだが。
一旦その話は横においといて、チルに今している魔法陣の増幅実験のこれまでの推移と結果、考察を簡単に説明した。
「へー。そんな便利なものがあるんだね。魔法陣。なら、魔法陣を1個で0.5倍上がるんなら、2個で1倍、10個で5倍上昇するんだね。あれ?ちょっと違う?2個使ったら、1.5倍が1.5倍だから、1.5×1.5で2.25倍になるのか。同じ魔石を使うなら、1個の魔法陣を作るより、2個の魔法陣を起動した方がお得だね。」
「えっ、そうなるのか?1.5倍と1.5倍だから、足して2倍じゃないのか。」
「いえ、パパ。私もこれまでそうだと思ってました。でもチルお姉ちゃんの言っていることは理に適ってます。現状、巨大な魔霊樹の魔法陣の中で小型の魔石魔法陣の威力が上がってますから、効果は重ね掛けできると思います。」
「でもあれだろう。魔石に秘められているエネルギー分しか増幅出来ないから、結局は、エネルギーの限界値までしか威力は上昇しないんじゃ。」
「そこはそうですが、これまでの試験結果から、魔法の最大出力値の上限と、魔法の放つまでの魔素の収集時間を短くすることは出来る筈です。」
「ということはだ。前回のデーモンイーター戦で全く効かなかった魔法を瞬間的に増幅すれば、村人の魔法でも貫くことが出来るな。切り札としては使い道はあるか。もっともその魔石を常に準備して、即座に使える様にしておく必要があるが。それに多層魔法陣か。これも積極的に試験して、情報を集めていきたいが、いかんせん魔石の手持ちが少ないからな。試験するにも魔石の数も足りないし、なにより消耗品だから、ぱんぱん試験する訳にもいかないよな。」
電気でのエネルギーロスの代表と言えば、熱エネルギーだよね。W=VI=i*i*r のエネルギーが熱に変換されんだよね。モニターメーカーの知り合いの話だと、熱が発生すると、電子機器や半導体の補償範囲を超える場合が出てきて、意図しない動作をすることが多くなるんだとか。それで、熱をなるべく発散させるため、熱伝導率の高い鉄を使って、突起の沢山ある放熱版をつけて、放熱するらしい。
それでも難しかったら、協力なファンをつけて排熱するんだけど、コストに関わるからなるべく、熱が出ない様に、ロスが少ない様に設計するんだとか。
魔素がロスしたら、何に変わるんだろうか?熱か?はたまた別のものか?どちらにしろロスがあるのなら、なんらかの魔素に対する抵抗があるのだろう。
空中を漂っている魔素にも関わらず、人体を繋げると抵抗が出てくるとは何事だろうか?人体が抵抗が高いので有れば、より抵抗値の少ない物質で、人と人の間に魔素のパスを繋げてあげる必要があるな。
いやそうじゃないそうじゃない。
「ひとまず人で魔法を増幅する実験は終了しますね。みんな協力してくれてありがとう。今日は予定外の仕事で疲れさせてしまったから、お仕事はこれで終了にします。」
「リュウ殿ありがとうございます。出来てない仕事に関しては明日早急に行いますぞ。」
「モニカは、もうダメ。ネムネムなの~。」
と隣にいるウェルザさんのお膝の上に行って眠ってしまった。
「あら、あら、よっぽど疲れたのね。頑張ったわね。モニカ」
「ふみゅー」
モニカちゃんは夕食の時間まで僕の部屋で一休みし、ウェルザさんは休憩しながら、夕食の準備となった。
僕とノエルは夕食が出来るまで先程の試験の結果をまとめて、次の試験をどうするか考えていた。
「パパ、人体での魔法陣構成は未知の所があるので、今は一旦停止して、魔石における、魔法の増幅と減衰の試験を重ねてより効率的に運用する方法を考えた方が良いかと。」
「そうだね。ノエル。実験するにしても今日のメンバーに集まってもらわないとだし、そうなるとモニカちゃんの負担も増えるし、薬草農園の経営が滞るから、一旦中止だな。と言っても、魔石の方もさっきの実験でだいぶ色が薄くなってきたな。」
「ちょっとノエルちゃん、リュウ兄ちゃん二人だけで難しい話してないで、ママもお話に混ぜてよ~」
「ちょっとチル。ママはやめて、お姉さんになったんじゃなかったのか?ずうずうしいとノエルに嫌われるぞ。」
あきれながら、チルに釘をさしておく。一旦断った内容をぶり返されると、あまり気分がよくない。この子は何を言っても聞く気がないんじゃないかと思って、関わるのをやめてしまうケースがこれまでにも多々あった。
「パパ私は、チルさんのことを嫌ったりしませんよ。大切な家族ですからね。でも、ですね、ママ呼びはちょっ……。私にとってのママは、ティタニアママだけですから。」
ちょっとノエルが寂しそうな顔をしている。ママにあったことがないのが辛いのだろうか。
「ノエル。パパがママのいない分もノエルと一緒に過ごすからな。」
「ごめんごめん。ノエルちゃん。私ちょっと調子に乗りすぎてたわ。チルお姉ちゃんもノエルちゃんの味方だよ。遠慮なく寂しくなったらおいでね。」
「パパもチルお姉ちゃんもありがとう。」
ノエルのチルの呼称がコロコロ変わっているな。チルもノエルに対してキャラを固定してしまえば、いいお姉さんになると思うのだが。
一旦その話は横においといて、チルに今している魔法陣の増幅実験のこれまでの推移と結果、考察を簡単に説明した。
「へー。そんな便利なものがあるんだね。魔法陣。なら、魔法陣を1個で0.5倍上がるんなら、2個で1倍、10個で5倍上昇するんだね。あれ?ちょっと違う?2個使ったら、1.5倍が1.5倍だから、1.5×1.5で2.25倍になるのか。同じ魔石を使うなら、1個の魔法陣を作るより、2個の魔法陣を起動した方がお得だね。」
「えっ、そうなるのか?1.5倍と1.5倍だから、足して2倍じゃないのか。」
「いえ、パパ。私もこれまでそうだと思ってました。でもチルお姉ちゃんの言っていることは理に適ってます。現状、巨大な魔霊樹の魔法陣の中で小型の魔石魔法陣の威力が上がってますから、効果は重ね掛けできると思います。」
「でもあれだろう。魔石に秘められているエネルギー分しか増幅出来ないから、結局は、エネルギーの限界値までしか威力は上昇しないんじゃ。」
「そこはそうですが、これまでの試験結果から、魔法の最大出力値の上限と、魔法の放つまでの魔素の収集時間を短くすることは出来る筈です。」
「ということはだ。前回のデーモンイーター戦で全く効かなかった魔法を瞬間的に増幅すれば、村人の魔法でも貫くことが出来るな。切り札としては使い道はあるか。もっともその魔石を常に準備して、即座に使える様にしておく必要があるが。それに多層魔法陣か。これも積極的に試験して、情報を集めていきたいが、いかんせん魔石の手持ちが少ないからな。試験するにも魔石の数も足りないし、なにより消耗品だから、ぱんぱん試験する訳にもいかないよな。」
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