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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№163】精霊樹の斧と魔霊樹討伐12
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「パパ、転移ゲートが小さくなってきています。消失する前に急ぎましょう。」
「うん。急ごう、ノエル。チルごめんね。約束してたけど、やっぱり可愛い妹分を危険な場所に連れて行くことは出来ない。僕のことは恨んでもいいから、この地で幸せに暮らしてくれ。会えるなら、また元気に会おう。」
チルの頭をそっと撫でる。スーツを着ているので、髪の毛を直に撫でられないが仕方あるまい。異空間から、毛布を取り出して、かけておく。
「空飛ぶリヤカー」
「チルお姉ちゃんさようなら」
ノエルが小さく手を振る。
リヤカーに新たに魔法をかけて、転送ゲートへ向けて猛スピードで飛び立った。
「ノエル、間に合うかな?」
「このスピードなら、なんなく間に合いますね。でも、よかったんですか?」
「なにが?」
「そのチルお姉ちゃんを置いて行くこと。」
「それか。本当はノエルも置いて行きたいんだぞ。何があるか分からないからな。もしかしたら、デーモンイーターみたいなのがうようよいるかもしれないし、魔王さんとこんにちはするかもしれないしな」
「パパ、それは絶対に嫌です。死ぬまでノエルはパパと一緒にいます。どんな危険な場所でも、ノエルはパパについて行きます。」
我が娘ながら頑固な娘である。もしかしたらティタニアに似たかも知れないが……。置いて行っても1人で着いてきそうな感じがしたんだよな。それに、チルみたいに眠らせる方法も拘束する方法も思いつかなかったからな。
「ありがとうノエル。そう言ってくれると思っていたよ。」
頭を撫で撫でしたい所ではあるが、急スピードで飛んでいる為諦める。
「パパ、それで向こうに着いたらどうするんですか?親玉の魔王をパチンと倒すんですよね?」
「プランは何もないなー。魔王さんがいたら、こんにちはをして、話せそうなら話し合いでなんとかしたいな。デーモンやインプが沢山いたら……、思いっきりこのまま飛ばして、向こうの世界で逃げ出そう。」
「そうですね。向こうの世界に何があるかもわかっていませんからね。」
「そういうこと。」
「パパ、後ろから物凄い勢いで迫ってくる精霊がいますよ。」
「なんだって?精霊がこっちに向かってくる?」
後ろを振り向いて確認したいけど、猛スピードの運転中によそ見は厳禁なんだよな。でも、精霊?、って誰だ?チルじゃないんだよな?他にあの周辺に精霊がいたってことか?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「チル、チル、ちょっと起きなさい。」
うーん、五月蝿いな。もうちょっと寝かせてよ。むにゃむにゃむにゃ。
早く起きないとリュウに置いてかれるわよ。早く起きなさい!!
んっリュウ兄ちゃん!!そうだ。私、リュウ兄ちゃんと一緒に戦ってたんだ。なんで寝てるんだっけ?………あっ、リュウ兄ちゃんがゴミとるよってなにかしてきたんだ。
あれっ、ってことは、自分だけで転移ゲートに潜る気なんだ!!あれだけ一緒にいくって約束したのに……。うーん、私、起きろーーーーーーー!!!!
チルは目を開いて無理やり起きた。
あれっ?ティタニアちゃんの声が聞こえたと思ったんだけど?
辺りを見回すがティタニアちゃんの姿はどこにも見えない。代わりに私の身体の上に毛布がかかっている。
きっとリュウ兄ちゃんだね。ありがとう。
って、ちっがーーーーう。早く行かなきゃ。
空を見上げると、リヤカーが空に向けて、転移ゲートに向かってもの凄いスピードで走っていた。
あっ、あんなところにいる。リヤカーがないと飛べないよー。いや、ちょっと待って、確かピクニックの時は絨毯で空を飛んでいたから、布系のものでも平かったらなんとかなるかも?
幸い私の手元には、リュウ兄ちゃんが掛けてくれたであろう毛布もある。これを使えば……、でも失敗さたら、地面に最悪真っ逆様になって墜落するかも?
でもでも、ここでリュウ兄ちゃんを追いかけていかないと一生会えない気がする。ティタニアちゃんもそれっぽいこと言ってた気がするし。
ええい、ウダウダ考えてても、仕方ないわ。考えてら時間もないし、ないし女は度胸!チルはお空に向かって飛び立ちます。
女神フェリシア様、ティタニアちゃんお願いだから、リュウ兄ちゃんの元に私を行かせて!
最後に神や精霊に祈りを捧げて、魔法唱える。
「空飛ぶリヤカー」
ふと、チルが座っている毛布がふわりと浮き上がる。
リュウ兄ちゃんに乗せてもらった時よりもふわふわして怖いなー。
しっかりと毛布を両手で掴んだ。
「MAXスピードでいっけー」
転移ゲートが閉まるのに間に合わないかと思い、最高スピードで毛布なに魔法をかけたは良いが………
「うん。急ごう、ノエル。チルごめんね。約束してたけど、やっぱり可愛い妹分を危険な場所に連れて行くことは出来ない。僕のことは恨んでもいいから、この地で幸せに暮らしてくれ。会えるなら、また元気に会おう。」
チルの頭をそっと撫でる。スーツを着ているので、髪の毛を直に撫でられないが仕方あるまい。異空間から、毛布を取り出して、かけておく。
「空飛ぶリヤカー」
「チルお姉ちゃんさようなら」
ノエルが小さく手を振る。
リヤカーに新たに魔法をかけて、転送ゲートへ向けて猛スピードで飛び立った。
「ノエル、間に合うかな?」
「このスピードなら、なんなく間に合いますね。でも、よかったんですか?」
「なにが?」
「そのチルお姉ちゃんを置いて行くこと。」
「それか。本当はノエルも置いて行きたいんだぞ。何があるか分からないからな。もしかしたら、デーモンイーターみたいなのがうようよいるかもしれないし、魔王さんとこんにちはするかもしれないしな」
「パパ、それは絶対に嫌です。死ぬまでノエルはパパと一緒にいます。どんな危険な場所でも、ノエルはパパについて行きます。」
我が娘ながら頑固な娘である。もしかしたらティタニアに似たかも知れないが……。置いて行っても1人で着いてきそうな感じがしたんだよな。それに、チルみたいに眠らせる方法も拘束する方法も思いつかなかったからな。
「ありがとうノエル。そう言ってくれると思っていたよ。」
頭を撫で撫でしたい所ではあるが、急スピードで飛んでいる為諦める。
「パパ、それで向こうに着いたらどうするんですか?親玉の魔王をパチンと倒すんですよね?」
「プランは何もないなー。魔王さんがいたら、こんにちはをして、話せそうなら話し合いでなんとかしたいな。デーモンやインプが沢山いたら……、思いっきりこのまま飛ばして、向こうの世界で逃げ出そう。」
「そうですね。向こうの世界に何があるかもわかっていませんからね。」
「そういうこと。」
「パパ、後ろから物凄い勢いで迫ってくる精霊がいますよ。」
「なんだって?精霊がこっちに向かってくる?」
後ろを振り向いて確認したいけど、猛スピードの運転中によそ見は厳禁なんだよな。でも、精霊?、って誰だ?チルじゃないんだよな?他にあの周辺に精霊がいたってことか?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「チル、チル、ちょっと起きなさい。」
うーん、五月蝿いな。もうちょっと寝かせてよ。むにゃむにゃむにゃ。
早く起きないとリュウに置いてかれるわよ。早く起きなさい!!
んっリュウ兄ちゃん!!そうだ。私、リュウ兄ちゃんと一緒に戦ってたんだ。なんで寝てるんだっけ?………あっ、リュウ兄ちゃんがゴミとるよってなにかしてきたんだ。
あれっ、ってことは、自分だけで転移ゲートに潜る気なんだ!!あれだけ一緒にいくって約束したのに……。うーん、私、起きろーーーーーーー!!!!
チルは目を開いて無理やり起きた。
あれっ?ティタニアちゃんの声が聞こえたと思ったんだけど?
辺りを見回すがティタニアちゃんの姿はどこにも見えない。代わりに私の身体の上に毛布がかかっている。
きっとリュウ兄ちゃんだね。ありがとう。
って、ちっがーーーーう。早く行かなきゃ。
空を見上げると、リヤカーが空に向けて、転移ゲートに向かってもの凄いスピードで走っていた。
あっ、あんなところにいる。リヤカーがないと飛べないよー。いや、ちょっと待って、確かピクニックの時は絨毯で空を飛んでいたから、布系のものでも平かったらなんとかなるかも?
幸い私の手元には、リュウ兄ちゃんが掛けてくれたであろう毛布もある。これを使えば……、でも失敗さたら、地面に最悪真っ逆様になって墜落するかも?
でもでも、ここでリュウ兄ちゃんを追いかけていかないと一生会えない気がする。ティタニアちゃんもそれっぽいこと言ってた気がするし。
ええい、ウダウダ考えてても、仕方ないわ。考えてら時間もないし、ないし女は度胸!チルはお空に向かって飛び立ちます。
女神フェリシア様、ティタニアちゃんお願いだから、リュウ兄ちゃんの元に私を行かせて!
最後に神や精霊に祈りを捧げて、魔法唱える。
「空飛ぶリヤカー」
ふと、チルが座っている毛布がふわりと浮き上がる。
リュウ兄ちゃんに乗せてもらった時よりもふわふわして怖いなー。
しっかりと毛布を両手で掴んだ。
「MAXスピードでいっけー」
転移ゲートが閉まるのに間に合わないかと思い、最高スピードで毛布なに魔法をかけたは良いが………
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