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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№165】精霊樹の斧と魔霊樹討伐14
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「リュウ兄ちゃん。ノエルちゃんの言う通りだよ。魔霊樹を切り倒すなら、誰もいない今が絶好のチャンスだよ。切り倒さないなら、燃やせばいいんじゃないの?木なら燃えるでしょ?」
チルもか。もっと後先考えて動こうよ。って、転移ゲートに帰りも考えずに飛び込んでいる僕もおんなじか。
「二人とも分かったよ。なら、地表に降りて、斧で叩いてみようか。無理な気はするけど………。」
一つの木で山ほどのでかさがあるんだ。とてもじゃないけど、道路の近くに植えてある街路樹をちょっと伐採しようって、簡単に出来る気がしない。
「リュウ兄ちゃんもっとポジティブに行こうよ。普通の斧じゃないんだよ、精霊樹の枝と朝露で作った特別性の斧なんだよ。きっと、ちょっと当てただけで、魔霊樹が消えてなくなるくらいなんだよ。」
「たったしかに。それもあるかもしれない。」
ゲームのアイテムだと、そんな便利なアイテムが手に入るしな。でも、これはゲームじゃなくて僕にとっての現実なんだけど。そんなに上手いこといくのか?することもないし、当たるだけなら、リスクはゼロ………か。
「愛ちゃん。僕だよ僕。龍
「分かったよ。なら僕は地表に降りて精霊樹の斧を試してくるよ。」
異空間から魔法の絨毯を取り出して、
「空飛ぶ魔法の絨毯」
魔法を使って、絨毯を空に浮かせる。
「リュウ兄ちゃん。何でわざわざ魔法の絨毯を使うの?このままいけばいいじゃん。」
「チルお姉ちゃん。地表は、魔霊樹に侵食されてますからね。リヤカーで降りるともしかしたら、腐食して壊れるかもしれません。もっともこの魔霊樹の上空も完全に安全かと問われれば難しいものがありますが。」
「そうなんだ。そう言えばそんな話もしていたね。分かったよ。なら私はこっちのリヤカーを空に浮かせておくね。」
「うん頼んだよチル。」
僕は、ノエルを胸のポケットに入れたまま魔法の絨毯に飛び移り、そのまま地面へと降下する。地表は草も何も生えていない砂漠の地だった。
下から改めて魔霊樹を見上げると見事にでかい。
精霊樹の斧を振り翳しいざ、魔霊樹を伐採しようとした時、
「ちょっとそこのきみ、ストーップ。」
聞き慣れた筈の、それでいてこの世界では聞くことのない声が後ろから聞こえて来た。思わず振りかぶっていた精霊樹の斧を地面にゆっくりと下ろす。
そんなことがある筈がないと思いながら、ゆっくりと後ろを振り返ると、魔法少女の衣装を着た、見慣れた人物がそこにいた。
「も、もしかして、愛ちゃん?」
「ええ、私は愛ですが、初対面の人にちゃんづけされる覚えはありませんよ。それともどこかでお会いしましたか?」
「僕だよ。僕、坂本龍王だよ。そんなに変わってないと思うけど、分かんないかな?」
「えっ、リュウ君?嘘っ?だって声が全然違うよ。ほらマスクとってマスク。」
「あっ、マスクして、変声しているの忘れてた。」
僕は、急いで頭に被っていたマスクを取り外した。
「リュウ君、本当にリュウ君だったのね。もう一生会えないと思ってたわ。」
目の前にいる魔法少女のコスプレをした愛ちゃんは涙ぐんでいた。
「えっと、パパ。この方は誰なのでしょうか?私にも紹介して下さい。」
胸ポケットに入っていたノエルが顔をちょこんと出して、そう言って来た。
「ちょっとリュウ君、その可愛らしい妖精さんは誰なのかな?それにパパってどういうこと?」
笑顔で愛ちゃんが言ってくるが、言葉の端々が冷たくて怖い。意図していない、いや違う。想定はうっすらとしていたがこの幻想世界で起きるとは露ほども思っていなかったんだ。
起きるなら、地球に日本に帰ってかはするとばかり…………。ここで愛ちゃんに会うのはとても嬉しい?いや不思議な感じがする?何でいるんだ?世界の破滅とかの前にこの危機を乗り越えないと僕の命が危ない感じがする。
そんな一触即発の所へ。
「リュウ兄ちゃん。何でまだ魔霊樹を切らないの?あとそっちの女の人は誰?」
とチルが魔霊樹が一向に切られないことや、人が増えて話していることもあって痺れを切らして僕たちの所へ降りて来た様だ。
一難去ってまた一難。いや違う。一難去らずに2難3難が続々と湧いてきている。
幻想世界の破滅なんかどうでも良い。この僕が破滅しそうな危機を何とかしてください。神様。
チルもか。もっと後先考えて動こうよ。って、転移ゲートに帰りも考えずに飛び込んでいる僕もおんなじか。
「二人とも分かったよ。なら、地表に降りて、斧で叩いてみようか。無理な気はするけど………。」
一つの木で山ほどのでかさがあるんだ。とてもじゃないけど、道路の近くに植えてある街路樹をちょっと伐採しようって、簡単に出来る気がしない。
「リュウ兄ちゃんもっとポジティブに行こうよ。普通の斧じゃないんだよ、精霊樹の枝と朝露で作った特別性の斧なんだよ。きっと、ちょっと当てただけで、魔霊樹が消えてなくなるくらいなんだよ。」
「たったしかに。それもあるかもしれない。」
ゲームのアイテムだと、そんな便利なアイテムが手に入るしな。でも、これはゲームじゃなくて僕にとっての現実なんだけど。そんなに上手いこといくのか?することもないし、当たるだけなら、リスクはゼロ………か。
「愛ちゃん。僕だよ僕。龍
「分かったよ。なら僕は地表に降りて精霊樹の斧を試してくるよ。」
異空間から魔法の絨毯を取り出して、
「空飛ぶ魔法の絨毯」
魔法を使って、絨毯を空に浮かせる。
「リュウ兄ちゃん。何でわざわざ魔法の絨毯を使うの?このままいけばいいじゃん。」
「チルお姉ちゃん。地表は、魔霊樹に侵食されてますからね。リヤカーで降りるともしかしたら、腐食して壊れるかもしれません。もっともこの魔霊樹の上空も完全に安全かと問われれば難しいものがありますが。」
「そうなんだ。そう言えばそんな話もしていたね。分かったよ。なら私はこっちのリヤカーを空に浮かせておくね。」
「うん頼んだよチル。」
僕は、ノエルを胸のポケットに入れたまま魔法の絨毯に飛び移り、そのまま地面へと降下する。地表は草も何も生えていない砂漠の地だった。
下から改めて魔霊樹を見上げると見事にでかい。
精霊樹の斧を振り翳しいざ、魔霊樹を伐採しようとした時、
「ちょっとそこのきみ、ストーップ。」
聞き慣れた筈の、それでいてこの世界では聞くことのない声が後ろから聞こえて来た。思わず振りかぶっていた精霊樹の斧を地面にゆっくりと下ろす。
そんなことがある筈がないと思いながら、ゆっくりと後ろを振り返ると、魔法少女の衣装を着た、見慣れた人物がそこにいた。
「も、もしかして、愛ちゃん?」
「ええ、私は愛ですが、初対面の人にちゃんづけされる覚えはありませんよ。それともどこかでお会いしましたか?」
「僕だよ。僕、坂本龍王だよ。そんなに変わってないと思うけど、分かんないかな?」
「えっ、リュウ君?嘘っ?だって声が全然違うよ。ほらマスクとってマスク。」
「あっ、マスクして、変声しているの忘れてた。」
僕は、急いで頭に被っていたマスクを取り外した。
「リュウ君、本当にリュウ君だったのね。もう一生会えないと思ってたわ。」
目の前にいる魔法少女のコスプレをした愛ちゃんは涙ぐんでいた。
「えっと、パパ。この方は誰なのでしょうか?私にも紹介して下さい。」
胸ポケットに入っていたノエルが顔をちょこんと出して、そう言って来た。
「ちょっとリュウ君、その可愛らしい妖精さんは誰なのかな?それにパパってどういうこと?」
笑顔で愛ちゃんが言ってくるが、言葉の端々が冷たくて怖い。意図していない、いや違う。想定はうっすらとしていたがこの幻想世界で起きるとは露ほども思っていなかったんだ。
起きるなら、地球に日本に帰ってかはするとばかり…………。ここで愛ちゃんに会うのはとても嬉しい?いや不思議な感じがする?何でいるんだ?世界の破滅とかの前にこの危機を乗り越えないと僕の命が危ない感じがする。
そんな一触即発の所へ。
「リュウ兄ちゃん。何でまだ魔霊樹を切らないの?あとそっちの女の人は誰?」
とチルが魔霊樹が一向に切られないことや、人が増えて話していることもあって痺れを切らして僕たちの所へ降りて来た様だ。
一難去ってまた一難。いや違う。一難去らずに2難3難が続々と湧いてきている。
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