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第8章 変わってしまう日常編
【雇用№167】精霊樹の斧と魔霊樹討伐16
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「それで愛ちゃんは魔法少女の格好をしていたんだね。あまりに着慣れている感じがしたから。」
「リュウ兄ちゃん。さっきから出ている魔法少女って何のこと?」
「・・・」
僕と愛ちゃんで無言の視線を何度か交わす。
「そうだね。チルとノエルには馴染みのないことだったね。魔法を使える幼い少女のことを魔法少女と呼ぶんだよ。こちらの世界というより、僕の元いた世界でのゴレンジャーなんかに相当する少女向けの作品で出てくる職業かな。この世界では魔法使いの方が一般的だと思うな。」
「つまり、愛さんは魔法使いの王であると。それの一体何が恥ずかしいのでしょうか?」
「・・・」
また、僕と愛ちゃんで無言の視線を何度か交わす。
確かにこの世界の人達には、魔法少女がなにか分からない。煌びやかな格好もフリフリのドレスを日常で着ることもあまり抵抗がないような気もする。ということは、恥ずかしいと思っているのは、地球にいた僕と愛ちゃんだけの感覚であったのだ。
「リュウ君、ちょっと内密に話があるんだけどいいかな。」
魔王愛ちゃんより、手招きで密談の相談がかかる。。。が
「それは愛さんちょっと待って下さい。魔王違いであることは分かりました。でも、パパとの関係と魔霊樹の伐採を止めたことがまだ説明されてないです。そちらの説明をまずは先にお願いします。」
ノエルから愛ちゃんにピッシリとご指摘が入る。
「そうなのよね。でも、その説明をどこからしようかの話をまずはリュウ君と話させてもらえると助かるかな。」
「パパとお話ということは、パパのいた世界のお話か、女神からの異世界召喚に関することですか?それなら、私もチルさんもパパより説明されてますから、わざわざ秘密にされることもありませんよ。」
そうなの?という具合で視線を僕に愛ちゃんが送って来たので、コクッと頷く。
「そう。二人はご存知なのね。女神からの召喚に関しては、もしかしてたらと思ってだけど、リュウ君もそうなのね?私は女神フェリシア様からだけど、リュウ君は?」
「僕もその女神?フェリシアからだよ。こっちに召喚されてからまだ一年も経過してはないかな。愛ちゃんも、同じくらいかな?」
「えっ、まだ一年しか経ってないの。それで女の子と一緒に来て、パパと呼ばせてるって、リュウ君。これはお仕置きが必要よね。」
「ちょっと愛ちゃん。それには深い訳があって、説明出来れば信じてくれると思ってるよ。それより一年しかって、愛ちゃんはもっと長いことこの世界にいるってこと?」
「そうね。だいぶ長い間この世界にいるかな。地球にいた時間よりもこっちで過ごした時間の方が圧倒的に長いわね。」
えっと、そうなると25年以上はいる計算になるよね?その割には………。
愛ちゃんの顔や身体の隅々をじっくりと観察していく。魔法少女のコスプレをしているため、腕や足は、素肌そのものが垣間見える。皺などは一切なし。ピチピチの高校生の肌とは言わないが歳相応のものであると思う。
目立った身体の衰えがない。というよりも僕が最後に地球であった時から全く変わっていない様に感じる。
とジロジロと無言で見ていると、チルが横腹をつねってきて、ノエルは僕の手をつねり、さらには愛ちゃんがニコニコな笑顔でこっちを見てきている。
「「「ちょっとリュウ君、パパ、リュウ兄ちゃん。女性に対して失礼ですよ。だよ。」」」
ステレオに合唱する言葉に、またやってしまったと後悔する。
「なんでそんなにじっくりと私を見たのかな?やっぱり寂しかった?それとも……」
最後の言葉が少し怒気を含んでいて怖い。正直に言葉を出すべきか穏便に話しの方向を変えていく方が良いか。
「ええっと~。それだけいる割には、相変わらず愛ちゃんは、最後にあった時と同じで美しいなーって思ってた所です。」
冷や汗をかきながらそう答える。
「そう。リュウ君にそう言われると嬉しいわ。でも、ジロジロみちゃダメよ。特に女の子の皺の数なんか数えようなら………ね。」
「うっ、うん。」
「でも、リュウ君が疑問に思うのも無理ないわね。私はこの地で100年以上もいるから。老けないのは、不老不死のスキルがあるからよ。」
「ひやっひゃくねん以上」
僕もチルも開いた口が塞がらない。同年代に見える愛ちゃんが実は一世紀以上も年齢上の人だなんて誰が思う?
「愛ちゃん。ごめんね。一人でこの世界で冒険させて、僕がもっと早く勇気を出して転移ゲートを潜っていれば………」
「気にしないでリュウ君。その気持ちだけでも嬉しいわ。初めにこの世界に来た時は、それはもう寂しかったわ。でもね、月日が経つごとに知り合いが増えて、仲間が増えていって楽しいこともあったのよ。でも、それもね。100年以上も生きていると、仲間は老いてなくなっていくし、災害や戦争で亡くなる人も沢山いたわ。」
「愛ちゃん」
「リュウ兄ちゃん。さっきから出ている魔法少女って何のこと?」
「・・・」
僕と愛ちゃんで無言の視線を何度か交わす。
「そうだね。チルとノエルには馴染みのないことだったね。魔法を使える幼い少女のことを魔法少女と呼ぶんだよ。こちらの世界というより、僕の元いた世界でのゴレンジャーなんかに相当する少女向けの作品で出てくる職業かな。この世界では魔法使いの方が一般的だと思うな。」
「つまり、愛さんは魔法使いの王であると。それの一体何が恥ずかしいのでしょうか?」
「・・・」
また、僕と愛ちゃんで無言の視線を何度か交わす。
確かにこの世界の人達には、魔法少女がなにか分からない。煌びやかな格好もフリフリのドレスを日常で着ることもあまり抵抗がないような気もする。ということは、恥ずかしいと思っているのは、地球にいた僕と愛ちゃんだけの感覚であったのだ。
「リュウ君、ちょっと内密に話があるんだけどいいかな。」
魔王愛ちゃんより、手招きで密談の相談がかかる。。。が
「それは愛さんちょっと待って下さい。魔王違いであることは分かりました。でも、パパとの関係と魔霊樹の伐採を止めたことがまだ説明されてないです。そちらの説明をまずは先にお願いします。」
ノエルから愛ちゃんにピッシリとご指摘が入る。
「そうなのよね。でも、その説明をどこからしようかの話をまずはリュウ君と話させてもらえると助かるかな。」
「パパとお話ということは、パパのいた世界のお話か、女神からの異世界召喚に関することですか?それなら、私もチルさんもパパより説明されてますから、わざわざ秘密にされることもありませんよ。」
そうなの?という具合で視線を僕に愛ちゃんが送って来たので、コクッと頷く。
「そう。二人はご存知なのね。女神からの召喚に関しては、もしかしてたらと思ってだけど、リュウ君もそうなのね?私は女神フェリシア様からだけど、リュウ君は?」
「僕もその女神?フェリシアからだよ。こっちに召喚されてからまだ一年も経過してはないかな。愛ちゃんも、同じくらいかな?」
「えっ、まだ一年しか経ってないの。それで女の子と一緒に来て、パパと呼ばせてるって、リュウ君。これはお仕置きが必要よね。」
「ちょっと愛ちゃん。それには深い訳があって、説明出来れば信じてくれると思ってるよ。それより一年しかって、愛ちゃんはもっと長いことこの世界にいるってこと?」
「そうね。だいぶ長い間この世界にいるかな。地球にいた時間よりもこっちで過ごした時間の方が圧倒的に長いわね。」
えっと、そうなると25年以上はいる計算になるよね?その割には………。
愛ちゃんの顔や身体の隅々をじっくりと観察していく。魔法少女のコスプレをしているため、腕や足は、素肌そのものが垣間見える。皺などは一切なし。ピチピチの高校生の肌とは言わないが歳相応のものであると思う。
目立った身体の衰えがない。というよりも僕が最後に地球であった時から全く変わっていない様に感じる。
とジロジロと無言で見ていると、チルが横腹をつねってきて、ノエルは僕の手をつねり、さらには愛ちゃんがニコニコな笑顔でこっちを見てきている。
「「「ちょっとリュウ君、パパ、リュウ兄ちゃん。女性に対して失礼ですよ。だよ。」」」
ステレオに合唱する言葉に、またやってしまったと後悔する。
「なんでそんなにじっくりと私を見たのかな?やっぱり寂しかった?それとも……」
最後の言葉が少し怒気を含んでいて怖い。正直に言葉を出すべきか穏便に話しの方向を変えていく方が良いか。
「ええっと~。それだけいる割には、相変わらず愛ちゃんは、最後にあった時と同じで美しいなーって思ってた所です。」
冷や汗をかきながらそう答える。
「そう。リュウ君にそう言われると嬉しいわ。でも、ジロジロみちゃダメよ。特に女の子の皺の数なんか数えようなら………ね。」
「うっ、うん。」
「でも、リュウ君が疑問に思うのも無理ないわね。私はこの地で100年以上もいるから。老けないのは、不老不死のスキルがあるからよ。」
「ひやっひゃくねん以上」
僕もチルも開いた口が塞がらない。同年代に見える愛ちゃんが実は一世紀以上も年齢上の人だなんて誰が思う?
「愛ちゃん。ごめんね。一人でこの世界で冒険させて、僕がもっと早く勇気を出して転移ゲートを潜っていれば………」
「気にしないでリュウ君。その気持ちだけでも嬉しいわ。初めにこの世界に来た時は、それはもう寂しかったわ。でもね、月日が経つごとに知り合いが増えて、仲間が増えていって楽しいこともあったのよ。でも、それもね。100年以上も生きていると、仲間は老いてなくなっていくし、災害や戦争で亡くなる人も沢山いたわ。」
「愛ちゃん」
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