【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

文字の大きさ
178 / 188
第8章 変わってしまう日常編

【雇用№177】テレポートの魔法のテスト

しおりを挟む
 それから僕は愛ちゃんにテレポートの魔法をご指導頂いて、何度かテストしてみた。

 この魔法本当に思ったより魔力を使う。ドラゴンファームまでの長距離転移は、おそらく僕でも厳しいと言うことが分かった。消費する魔力は、色々条件によって異なった。

 まず距離に比例?累乗計算で消費が上がって行くし、一緒に転移する人数によって単純に人数倍で消費魔力が上がっていった。あとは、持ち運びする荷物の量でも異なったから、単純に重さによって魔力消費量が変わるんだと思う。

 
「ひとまずテレポートのテストはこれで完了だな。」

「リュウ君お疲れ様。はい。」

  とテストに付き合ってくれた愛ちゃんは、差し入れにグラスに入った果実汁を渡してくれる。

「ありがとう。チルとノエルの方はどんな感じ?」

「二人ともいつまでいるか、分からないから色んな人に挨拶して、適性を見てるよ。それにしてもチルちゃん。凄いんだね。リュウ君が褒めてたのも分かるよ。あれだけ魔法を使える子は、私の知ってる魔法少女でもそんなにいないよ。彼女なら、魔法さえ覚えれば近距離ならテレポートも出来るし、色んな仕事を手伝ってもらえそうだって、大臣が言ってたわ。」

「まー無駄に魔力量は上げたからね。」

「???リュウ君、魔力量って、意図的にあげられるものなの?」

「んっ、魔力量の上げ方を知らないの?愛ちゃんは僕より魔力量多いよね。」

「そうね。私の方が多いかしら?何百年も経ったからだと思うわ。少なくとも一年目はほとんど魔法が使えなかったのよ。」

「そうなんだ。長い年月をかければ魔力は上がるよね。」

「で、リュウ君、どうやって僅か一年足らずで私と同じくらいの魔力量まで上げたの?勇者だからってことはないよね?チルちゃんもかなり魔力量高いから何か秘訣があるんでしょう?」

「うん、簡単だよ。多分ここでも普通に行っているよ。」

「ここでも?えっとリュウ君どういうこと?普段の生活に入ってることで簡単に上がるの?年数が多いからその分上昇してるってこと?」

「そう普段の食生活できっとお肉を食べているからそれで魔力は自然と上がってるんだよ。」

「あーなるほどね。それなら確かに私も毎日とは言わないけど、食べてるし魔力は少しずつ上がるのね。ん?ちょっと待って。それなら一般市民もそれなりに魔法使える様になると思うんだけど、ほとんど使えない人もいるわよ。その人達が貧しくてお肉が食べれないわけではないと思うの。この領地では、食事が不足しない様に備蓄して供給しているから、そんなことにはならないわ。」

「愛ちゃんの疑問もごもっとも。肉は肉でも魔猪や魔熊のお肉でないと効果が望めないんだよ。普通の動物のお肉を食べててもほとんど上がらないと思うよ。」

「そうなんだね。そう言われればそうかも。魔猪のお肉は美味しいから、高値で取引されてるし、一般の方では頻繁に食べれないわね。そうなると、所得の多い家庭が必然的に魔力量が多くなるわけね。」

「そういうこと。意識して魔物の肉を食べたら、簡単に成果は出るよ。うちのファームの人はチル以外もそれで魔力量はかなりあるからね。」

「ありがとね。そんなに大事な情報を教えてくれて。それでも狩猟できる量が限られているから、みんなをばっとあげられる訳ではないわね。」

「まーそうなるかな。うちのメンバー少数だから出来たことで、みんなに知らせてたら、価格が高騰したり、取り合いになるから極力信用出来る人以外は秘匿の方向で。」

「うん分かったわ。」


 数時間後、女神に行く段取りと、対応方法を話しあい、チルノエルに少しばかりの別れの挨拶をした。必ず戻ってくると指切りげんまんさせられて。

「さっ準備も整ったし行ってみましょう。あの二人にはああ言ったけど、私たちが二人神界に行くだけの信仰ポイントはあるのよね。」

「んー、残念ながらポイントがどれだけあるかは分かんないだよね。でもあれだけスパゲティを食べたい女神様だから、何回か星を渡る程度のポイントは残してあると思うんだよ。
 行きと帰りのポイントを考えれば、二人で片道行くぐらいなら確実に残ってらと思うから。まー、不発でもなにも起こらないだけだし、まっやってみよう。」

「そうね。ここまで来たらやってみるしかないわね。私達二人がもとの世界に帰るために。」

「僕と愛ちゃんがもといた時代に帰る為に」

 僕と愛ちゃんは、必ず二人で行ける様にお互い向き合って両手で掴み合った。

『女神フェリシアちゃんのゴーマイルーム』」

 神の魔法を唱えた。はっきり言えば口に出して唱えたくない魔法名だ。

 テレポートと同じ様に瞬間的に当たりの景色が変わる。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

処理中です...