【完結】織姫と彦星が織りなす学園の七不思議

近衛 愛

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第10話 光の先に行きつく場所・・・

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ナナちゃんの手を僕はまだつかんでいる
まばゆかしい光がなくなり、視界に通常の風景が戻ってきた。

「ナナちゃん。大丈夫?」
「えぇ、ちょっと視界がおかしくてふらついてはいるけど、問題ないわ。トシ君こそ大丈夫?」

「あぁ、僕も体調は問題ないよ。で、なにがどうなったの?」

あたりを見回すと、学校の校舎、中庭の噴水、正門に繋がる坂。見慣れた光景だ。なんらおかしいとこはないように感じる。

「なにも変わっていないとこを見ると、不思議な現象というのは、光が溢れだすだけみたいだね。」

「そんなことないわよ。トシ君ちゃんと見て、七夕の竹の飾り付けが全然違うわ。校舎も新しいし、他にも木の高さや枝並が違っているわ。それに一番違うのは、校舎の窓が開いていて、学生の姿が見えるってことよ。」

「えっと、それはつまりどういうこと?学校は学校だけど、違う学校?それとも僕たちが目を閉じている間に時間が経過したってこと?」

「こういう転移ものの時の上等手段って知ってる?新聞で日付を確認することよ。さっ、図書館にいくわよ。あそこなら最新の新聞がおいてあるわ。」

二人は図書館に移動した。行きながら、道中を観察しているとどこも構造は僕の知っているものと同じである。一部掲示板やインテリアが若干異なっている。それにやっぱり校舎自体が新しいようだ。そうなるとここは、新築した校舎なのだろうか?授業中なのだろうか?

すれ違う生徒も先生もいない。でも助かった。いつものブレザーではなく、今着ているのは、弓道衣と剣道着なのである。場所としては間違っていないが時間帯的には間違っている。ここがもし、僕の知っている校舎ではなかったら、面倒なことになってしまう。

「着いたわ、さっそく新聞を持ってくるわね」

と、僕は椅子に座り、ナナちゃんは置いてある品分を取ってきた。

「ここ見て。トシ君。日付が1995年の7月7日になっているわ。私達がいたのは2019年だから、24年前の学校なのよ。ここは。」

ナナちゃんが驚いて、嬉しがっているのか、声が上ずって、大きくなっている。

「ちょっと、ナナちゃん声が大きいよ。それが本当だとしたら、僕たちはこの時代にいない学生になるんだよ。面倒なことになる。特に先生に見つかると。」

ナナちゃんは、周りを見渡し、小さく舌をだした。
いや、可愛いけどさ。ダメじゃない?
ナナちゃんは小さい声で話始めた。

「そうね。私としたことがうっかりしてたわ。でも、これは凄いことなのよ。トシ君。未だかつて人類が時間移動をしたという形跡はないわ。
あるのは、漫画や小説であるだけよ。それを私達二人が行ったのよ。こんなに凄いことはないわ。記念に写真を撮っておかなきゃね。」

といって、スマホを取り出した。

「あっ、圏外になっている。私○●のユーザーだけど、この時代はなかったのかしら?それとも電波塔が立ってないからかしら。

ま~いいわ。写真撮るのに、電波はいらないもの。トシ君も一緒に取るわよ。新聞持って、日付が見えるようにね。ハイ、チーズ」

ナナちゃんが僕の肩を組んで、写真が見えるような構図にしてから、自撮りでシャッターを切った。

「カシャッ」

撮った写真を確認する。

「うん、いい感じね。これでタイムスリップした証拠写真が出来たわ。」

「ナナちゃん。それは、ちょっと証拠としては薄いんじゃない?だって、新聞なんて現代でも作れるし、日付をいじれば、現代でもなんとか作れそうだよ。」

「そうね。記事は今の時代しかないけど、それを現代で検証するのも面倒だもんね。証拠としてはいささか薄いわね。
当時の先生とのツーショットだったら、間違いないわよ。現代でもいる先生なんかだとバッチリなんだけど」

「いやいや、そっちはかなりまずいよ。1995年だろ。その時代ってもしかしたら、携帯そのものがないんじゃない?そんな時代にスマホを使ってたら怪しまれるよ。」

「それもそうね。なら、どうやってタイムスリップの証拠を作ろうかしら」

「いやいや、それよりももっと大事なことあるんじゃないのナナちゃん?」

「えっ、そんなのあったかしら?」

「あるよ。これがもしタイムスリップ?タイムトラベル?異世界転移?いやどれでもいいんだけど、もし、それが起こったのであれば、どうやって戻るかの方が大事でしょ。証拠はその後だよ。」

「そうね。その問題があったわね。でも七不思議からは、神隠しによる失踪はなかったから、飛ばされた人もなんの問題もなく戻ったのよ。つまり、無事に帰る方法はあるわ!!!!」

授業の終了のチャイムがなった。今はお昼時間のようだ。

「ちょっとまって、授業が終わったから、人が来るかもしれない。場所を移そう。」

「わかったわ、ならいつもの場所へ行くわよ。」

と言って、ナナちゃんは僕の手を引っ張って、いつもの、そう僕たち真相究明俱楽部の使用している場所へと向かった。

「ここなら、そこまで人気もないわ。昼休みならなおさらよ。」

「そぅ。それで、どうやったら戻れるかあてはあるの?」

「う~~ん。それは~~~。ないわね~~~~」

困った顔をして、答えるナナちゃん。

「ないのか。そういえば、あの時、虹の光がナナちゃんの胸元に集まっていたけど、あれはなんだったの?」

「そうね。それも確認してなかったわね。」

いつの間にか、上衣に戻していたお守りをナナちゃんは再び取出した。

「これよ。これが七色の光を吸収して、光を放出してたのよ」

「これはお守り?このどこでも買えそうなお守りにそんな効果が?いや。それなら、他にも犠牲者は沢山いるはずだ。虹の根元という条件は特殊だけど、そこまで少ない現象でもないよ。」

「そうね、正確に言うと、お守りの中に入っているものね」

そういって、ナナちゃんはお守りの中から、黒い丸い石を取り出した。
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