6 / 6
幕外 リスティの創作活動
しおりを挟む
『今月号の魔法騎士晴臣は読者の反応がとっても良かったみたいですよ』
「まぁ本当ですか」
『この調子で頑張ってくださいね』
「はい」
リスティはウキウキと受話器を置く。彼女は異世界のとある出版社の担当と電話で話していた。魔法を使えば異世界と連絡などリスティには簡単だ。
「やっぱりハルオミ様の御威光は全世界共通の憧れなのだわ」
週1で現れる自分の騎士をモデルにした漫画を異世界で投稿したところ、なんと連載まで決まってしまった。漫画の晴臣はとてつもなくイケメンに描かれている。リスティからみると晴臣はそのように見えるらしい。
「おや、姫。今月号も面白いと評判だったのですね」
ヴィオルが異世界で発売された、少女漫画『きゅんきゅんハート』を手ににっこりとほほ笑む。
「えぇ、ちゃんとヴィオルも登場させてますよ」
「あぁ……この、酷いまでの不細工な男ですよね。相変わらず姫の視力は病的ですね」
「もう、そうやってすぐ褒めないの。うかれちゃうじゃない」
「褒めてないんですけどね」
主従の会話がかみ合っていないが、それはいつもの事なのでヴィオルは諦めていた。
「ところで姫、最新作のプロットはきまったのですか?」
「えぇ、もちろん。次回は神国あたりで、どんちゃんやってしまおうかと。神国の視察はいつがいいかしら」
「というか行けませんから──その顔、本気で行くつもりですか? 禿げクレームが来るからやめてくださいと僕はいいましたよね? まさか晴臣も連れて? それはまずいですよ。神は顔重視ですから」
「大丈夫よ。神国なら空間をちょちょ~いっと魔法で繋げれるから」
「僕がまずいと言ったのは、そういう事じゃないのですけどね」
「わかっています。ハルオミ様の美顔が神に知られてしまう……それはちょっと不味いかもしれません。やぁん、嫉妬してしまいそう」
「全然わかってないですよ」
今日もパラリア国は平和につつがなく過ぎていくのだった。
おしまい
「まぁ本当ですか」
『この調子で頑張ってくださいね』
「はい」
リスティはウキウキと受話器を置く。彼女は異世界のとある出版社の担当と電話で話していた。魔法を使えば異世界と連絡などリスティには簡単だ。
「やっぱりハルオミ様の御威光は全世界共通の憧れなのだわ」
週1で現れる自分の騎士をモデルにした漫画を異世界で投稿したところ、なんと連載まで決まってしまった。漫画の晴臣はとてつもなくイケメンに描かれている。リスティからみると晴臣はそのように見えるらしい。
「おや、姫。今月号も面白いと評判だったのですね」
ヴィオルが異世界で発売された、少女漫画『きゅんきゅんハート』を手ににっこりとほほ笑む。
「えぇ、ちゃんとヴィオルも登場させてますよ」
「あぁ……この、酷いまでの不細工な男ですよね。相変わらず姫の視力は病的ですね」
「もう、そうやってすぐ褒めないの。うかれちゃうじゃない」
「褒めてないんですけどね」
主従の会話がかみ合っていないが、それはいつもの事なのでヴィオルは諦めていた。
「ところで姫、最新作のプロットはきまったのですか?」
「えぇ、もちろん。次回は神国あたりで、どんちゃんやってしまおうかと。神国の視察はいつがいいかしら」
「というか行けませんから──その顔、本気で行くつもりですか? 禿げクレームが来るからやめてくださいと僕はいいましたよね? まさか晴臣も連れて? それはまずいですよ。神は顔重視ですから」
「大丈夫よ。神国なら空間をちょちょ~いっと魔法で繋げれるから」
「僕がまずいと言ったのは、そういう事じゃないのですけどね」
「わかっています。ハルオミ様の美顔が神に知られてしまう……それはちょっと不味いかもしれません。やぁん、嫉妬してしまいそう」
「全然わかってないですよ」
今日もパラリア国は平和につつがなく過ぎていくのだった。
おしまい
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる