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一章
1ー5 一期一会の中国茶屋 白瑞香(はくずいこう)の巻
しおりを挟む「申し訳ありませんでした。
お電話ありがとうございました。失礼致します」
電話対応を終えた桃花は仕事を終えて社宅のアパートに戻る途中だった。
しかし、そこにいれるのも月末までだ。
「節約しなきゃ・・・」
並行して新しい職や部屋探しもしなければいけない。
「・・・ッゴホッゴホッ」
なんだか咳が前より酷くなってるように感じる。
つい電話口でも咳が出て電話口に謝る事が今日は多かった。
病院に行きたいけど時間がなく、市販薬を求めてスーパーに夕飯の買い出しついでに入る。
悔しいかな前に冷凍餃子を置いていたスペースには他社の商品が並んでいるので結構辛い。
そもそもそんなに食欲ない。
そう思い直しカップスープと薬を買いスーパーを後にすると桃花は思いがけない子に出会った。
この間の黒猫だ。
前とは違いピンクの「福」と刺繍されたスカーフを首に掛けて、白いマロ眉がどこか親和性がありただでさえどこかキャラクターっぽいのに癖のあるエプロンをしている事により、余計に招き猫らしさが強調された姿が桃花の笑いのツボを刺激してしまった。
「プッ・・・クスクスッ、可愛いいねえ」
と声を掛けるが猫はそのスカーフ姿に笑われてると気づいたのか尻尾が不機嫌そうだ。
「ごめんごめん。あ、そういえば店員さんにも謝りに行かなきゃ」
そう思い出すと猫はピクッと反応し、桃花の手に近くと、ガブっと桃花の持っていたビニール袋を咥えて奪う。
「あ、まただめだよ。それ返して」
ピュー。
桃花の反応は猫にとってはフラグだ。
「私の薬ぃ。ゴホッ」
咳をしながら桃花は猫をまた追いかけた。
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