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7話 忍び寄る魔の手
しおりを挟むメイユイ達が事件について話し合っていた翌日ー、
「睿(ルイ)、悪いがこちらに来てはくれぬか?」
一人の男が屋敷の主人に声を掛けられた。
「お館様?」
黄 睿(オウ ルイ)は屋敷の中でも気が効く青年
で部下からも信頼が熱い。
ここ数日、この館の主人はズーケンが亡くなり気を落としていた。
主人を心配する反面、中堅の自分を広間に呼ぶのは何事かとルイは動揺した。
「ズーケンが亡くなった後任をお前を就かせたい」
「え?」
思ってもいない昇格に彼は驚いた。
しかし一つ不安がある。
「近隣の家臣達が亡くなった事件、気掛かりだろうがズーケンの後任はお前しか務まらない。
こう言ってはなんだがぜひ、お前に任せたい。
分かってくれるな」
「・・・ はい」
親方様の命令に背く事なんてできない。
( 俺は昇格したんだよな・・・ ?)
前なら飛び上がって喜んだ話を複雑な心境で飲み込んだ。
(俺はまさかとんでもない話を受けたんじゃないだろうか!?)
数日後ー。
孫の屋敷の庭園は酷く静かだ。
ルイは自室でひょうたんの蓋を開け、中を一口飲み干す。
「出世祝いです」
最近、屋敷に入って間もない部下の余暉(ヨキ)に今日の夕刻にもらった酒だ。
(お前は下っ端の分際でどうやって酒を手に入れた?上に労ってもらうならともかくだ・・・ )
しかし、ヨキの善意を無下にするのも癪だ。
ルイはひょうたんの蓋を開け酒をちびちび飲む。
「美味い」
ズーケンが亡くなって数日、屋敷内は緊張していた事もありなんとなくルイは飲酒を控えていた。
こうやって部屋で静かに酒を呑んでいるとズーケンが亡くなった事なんて現実味が薄れていくようだ。
ガタッ。
「!」
急な物音にルイは驚いた。
何やら扉に何かが落ちて来た音がした。
「何だ?」
外に出てそれを確かめようとするが扉が開かない。
誰かに閉じ込められたのだ!
(嘘だ!)
まさか、屋敷内に自分を狙っていた者がいるとゆうのか!?
ルイは激しく動揺した。
外から明らかに人の気配を感じる。
しかし、扉を挟んだ沈黙を
「そこまでよ!」
メイユイの言葉が破った。
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