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6話 真相は間近。敵は何人たりとも容赦はしません
しおりを挟む犯人が人であろうと妖であろうと関係ない。
自分の客に手を掛けられた以上、悪事を働くものは許す事はできない。
「必ず、犯人を見つけるんだから!」
「ズーケン様?ええ、昨日は一緒にお茶をした後帰っていかれたわよ」
それが何か?
昨日、彼の相手をしたシーシァの禿はメイユイに話した。
妓楼の手伝いという名目で一日だけのバイトである。
丸一日掛けて調査をしたが捜査に進展はない。
エイレンも姿を消してズーケン以外にも亡くなった者達の屋敷を偵察していた。
「共通点は皆、有能で先日地位が上がったお方で密室。皆夜のうちに自室で息を引き取った事よね」
「それなのですが、一つ気になる事がありまして」
とエイレンが挙手する。
「何?」
「発見された当時やけに部屋から悪臭が漂い、都尉の中に体調が優れず倒れそうになった者もいたとか。
それは死臭ではなく、部屋の香から出ていた匂いだと彼は調べてる模様です」
「確かにズーケン様の屋敷でも変にキツいい匂いがしたわ。でもなぜ香を炊くの?寝る前に?」
出かける前に着物に香りをつける為香を炊くのは理解できるが全員同じ理由で亡くなった。
「としたら煙を吸っての中毒死?」
(みんなが?
シーシァの禿も何もないと言っていたし、やっぱり自殺なのかしら?
ああ、もう何がどうなってるのよ!?)
「悔しいですね。
未来ある若者が亡くなるのは」
エイレンも弱気だ。
「そういえばあなたも死因、わかって無かったのよね」
エイレンがキョンシーになったばかりの頃、メイユイとその父が一緒にキョンシー退治しようとしていた時、屋敷に集まった全員に彼は恐れられていた。
「なぜ、私は化け物になったんだ?」
泣き怒り狂いながら暴れる彼に、メイユイは提案した。
「あなたは屍だけど私と一緒にいたらすごい仲間になると思うわ」
と声を掛けた。
初めメイユイの言葉の意味が分からなかったが、彼女の周りには妖達が彼女の周りを守っている事に気づいた。
「どうか、貴方様に仕えさせてください」
そうエイレンはメイユイに忠誠を誓った。
「私、あの香りに心当たりがございます。
今日竹頭(キョウチクトウ)です」
確か火をつけると煙に毒を含む花だ。
「だから皆、亡くなってしまったの?」
「はい。これは殺人です。
それと犯人はおそらく呪いも使える人物になります」
「どうゆう事!?」
「実は、今回事件で亡くなった者達の部屋でかなりの数の古びた札が出て参りました」
「これはー!?」
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