宝石店勤務のOLで疎まれなが生活してましたが異世界で幸せになります!

麻麻(あさあさ)

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2話 イジワルな人

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客人として与えられた一室は広く、調度品も美しい。
花瓶には美しい花が一輪刺さっている。

そしてグレイの仕事ぶりは実にスマートだった。

宝石を広げて鑑定するためにとグレイはすぐさま部下達に背の高い広いテーブルと椅子を部屋に運ばせ
た。

(流石、城の執事はこんなにも凄いのね)

突然の城での生活には困ったが彼は有能で人の要求が見て取れたのか、すぐエマに必要な物が分かったのようで用意をし、食事は時間になればメイドが運ぶ事。その他、夫人なので湯浴みや着替えでなにかあればメイドに頼むように告げ、何かあれば私は部屋の側にいるのですぐ呼ぶようにと話すと部屋には1人きりとなった。

(よかった・・・!)
一時はどうなるかと思ったがやっと部屋が自分だけになれたとこでベッドに腰を下ろす事ができた。

改めてこの部屋を見回す。

綺麗な布張りのヘッドが付いたベッドの側には自分のトランクやハットに今さっき外したばかりの手袋。

布貼りの床には先程、使用人達が運んだ飴色のテーブルに椅子。

薄暗い店工房とは違う広々とした部屋に彼女の心はまた踊りに踊った。

式まであと数ヶ月あるが姫はティアラを楽しみにしている。

一体誰がティアラから宝石を取り出したんだろう。
そして盗まれた石はどこにあるのだろう。

ぐるぐる考えても手がかりはグレイが妃から預かった肖像画しかない。

エマに出来る事はそれを手掛かりに宝石の種類を当て修理するまでだ。

彼女はそう決めるとトランクから一冊の本を取り出した。我が家の仕事道具、宝石辞典と父から教わった宝石の鑑定の術を教わったノートだ。

出張の依頼や商談ならトランクに商品や見本の石をトランクに入れて行くが生憎それらは今、家に置いて来た。

早速、明日商談に使っている青い宝石を全て城に持って来なくちゃと思い部屋から一歩出ると扉の前にはグレイがいた。

突然廊下に出たのでエマは彼を見つけ一瞬つまずき、その倒れそうな体制をグレイが引き上げる事になった。

「すみません!」
自分の不注意に謝ると彼は冷たい視線のまま
「お怪我はないですか?」
と単調にエマに声をかける。

「言い伝えてなく申し訳ない。部屋から出る時は扉をノックしてください」

それは王室だけのマナーなのだろうかとエマは疑問に思ったが彼から聞かされた理由は彼女を震え上がらせた。

「いつ何どきでも城にいる全員が善良な者とは限りません。もしも今目の前にいるのが私ではなく侵入者だとしたら危ないでしょう」

彼は薄ら笑いを浮かべたがエメはそれにも肩を震え怖がらせた。

(やはりここは良くも悪くも城なのだわ!)

そんな彼女を見てグレイは満足したのか
「それはそうとウィリアム様、私にご用があったのでは」とグレイは話を戻したので要件を話す。

すると彼はすぐ様
「かしこまりました。また明日馬車を手配します」
と一礼した。

部屋に戻るとエメは無事、グレイに要件を伝えられ安堵したが同時に胸に引っ掛かる事があった。


「もしも今目の前にいるのが私ではなく侵入者だとしたら危ないでしょう」

そう薄ら笑いを浮かべた彼は、庶民をからかうのが面白いのか上辺は寡黙だが中身は意地が悪いお人らしい。

(やっぱり、城に仕える人はみんなこうなのかしら)

不当な扱いなら前世でも転生してからも体験して来た。

女ってだけでも損だ。

店番をしていたら新規のお客にナメられ値引きを強要されたりと理由は様々だ。

特に宝石好きな女でそれを仕事にしてる奴なんて前世でも転生した先でも男からは疎ましそうに見られた事は何回かある。

前世で「わたし」は宝石が大好きで恋愛結婚を夢見ていた。

しかし、その指に指輪をはめるのは私ではなく客だった。

男が愛するのは結局、自分ができる範囲で渡した物を喜ぶ女であって宝石が好きでこだわりがある女は金がかかると厄介らしい。

きっと私はグレイ様から見たら庶民でからかいがいのある商人の娘なのだ。

(なんて嫌な方!)

明日実家に戻る為、怒り任せに荷物をトランクに詰んだのを確認し、エメは家から持って来た宝石辞典を巡った。

(絶対、宝石を見つけ出してあの方が間抜けに驚く顔を拝んでやるんだから!)

そう闘志を燃やすと明日に備えて意気込んだ。













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