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6話 プロポーズされたけど盛ったって言えません
しおりを挟む城の馬車で城に連れ戻された私が聞いたのは意外な一言だった。
「アリス、私と結婚してくれ」
温室の豪華なアフタヌーンティーセットが置かれたテーブル越しにアルバート王子は私にプロポーズをした。
「結婚!?」
突拍子もない申し出に困惑と萎縮の感情が巻き起こる。
王子が店に来た後、両親にすぐ戻ってくるから「悪い事してないから」と断って城に着く。
(嘘だ)
でも王子はラブ・ポーションを飲んだ後から私に対する態度は変わらなく甘い。
むしろスコーンまでよそわれ過保護さが増したように感じる。
だからこそ余計に思うのだ。
(ラブ・ポーションってそんなに持続力もあるのかしら!?)
媚薬が効くのは行為中や相手を魅了したい時に使うものだから効果はその時だけと思っていたけど王子を見る限りそうではないらしい。
温室に通された後、優雅に紅茶を飲む王子に
「王子、あの体調は大丈夫でしょうか?」
それとなく聞いてみたが
「ああ、なぜだ?」
とケロッとした顔で答えられ
「いえ、気になったので」と答えると
「優しいなアリスは」と王子は目を細めながら感謝される。
普通なら甘い空気になるところだけどそれどこじゃない異常な量の汗が額に流れる。
(言えないッ!言えないわ!盛ったなんて)
背中にも汗がダラダラ流れ、気を抜くとカップを持った手がガタガタ震えそうだ。
落ち着こうとカップを皿に置くと王子は「アリス」と名前を呼び、私の両手に優しく手を添えると私と結婚してくれ」
とまさかのプロポーズを受けた。
それはちょっと考え直してほしい。
王子は素敵だけど、こんなに大事になるなんて予想外だ。
なんとか、彼を傷つけない断る言葉を考える。
「私は王子が思う様なものではないです」
そう、王子の好みなんて知らないが私はやんごとなき血筋でもない商人の令嬢だ。
「昨日も君はそんな事を言っていたな」
王子は不満そうにそう言う。
(覚えてたのね)
カアッ!と昨日夜にされた事を思い浮かべ恥ずかしくて赤くなる。
「気にする事はない。君の事はあの店で働いてるのは知っている。国の中でも薬に関しては高い人気を誇っているからな」
「ありがとうございます」
褒められると誇らしい。
(王子、私の事知ってくれていたのね)
その辺は城の者を遣わせて調べ上げられたかもしれない。
「それに昨夜のパーティーも婚約者を探す目的もある。近隣に姫もいないしな。
君は令嬢なんだ。平民じゃないだろう?。
身分なんて気にしなくていい。
とはいえ急に結婚で生活が変わるのが不安なら私がフォローする。
店に立ちたいならなるべくそうさせたいし
公務以外はなるべく君の側にいる。
不安になんかさせない。
だから私と一緒にいてくれ」
(うわー、うわー
こんなに素敵な人っているだわ!
ずるいわ。
こんなの誰だって惚れちゃうじゃない)
王子は私を見つめ
「まだ何か不安か?」
と聞く。
「でも」
(でもこれはポージョンのせいだし!)
と返事に戸惑っていると王子は
「何か不安な事でもあるのか?」
と聞いてくる。
(どうしよう)
私は正気だけど王子は違う!
(やっぱり「盛りました」なんて言えなーい!!泣)
「か、考えさせて下さい」
と返事をするのが今の限界だ。
「返事は好きな時でいい」
王子にそう言われ、帰りも城の馬車で送ってもらい別れ際
「いい返事を待っている」
と手の甲にキスをされた。
父も母もこれには驚き、どういう事なのと慌てている。
それを店の影から面白くない様子で見てる女性かがいた。
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