8 / 28
7話 元婚約が話があるようです
しおりを挟む店を外の影から見る女性だけではなかった。
王子が店に入っていった事は街の令嬢は噂で持ちきりだ。
その噂は令嬢達だけではなくシャーロット家と家族ぐるみで仕事をしていたヘーデルの耳にも入った。
朝に店先の外をホウキをかけているとヘーデルに後ろから声を掛けられた。
「アリス、あの噂は本当なのか?」
彼に会うのは店から追い出した日以来なので驚いた。
「噂?」
「王子が店に来たんだろう?街中の噂になってるぞ」
「嘘!?」
「その様子じゃあ噂は本当なんだな」
ヘーデルは勘弁してくれと言いたげに私の両肩に手を置いてため息を吐く。
「アリス、信じてくれ。マリンとは確かに寝た」
彼の告白にズキリと胸が痛くなる。
「でも俺から迫ってなんかないし気がついたら彼女がベッドにいたんだ」
(それはそうよね。ヘーデルはマリン嬢に盛られたんだもの)
ある意味被害者だ。
(でもマリン嬢は彼ったら奥手でって言っていたわ)
「でも、迫ってなくても気になってはいたんでしょう?彼女もあなたの事奥手だって言ってたわ」
そう聞くとヘーデルはグゥッと悔しそうな顔をした。
(図星なのね)
何も言わないでいるとヘーデルはいきなり私にキスをした。
「ん!?」
「俺が好きなのはアリスなんだ」
拒む私をよそにヘーデルは私を店の影に引っ張っていく。
「待ってヘーデル。なんでそっちに行くの?」
彼は返事をせず、店の影に入ると乱暴に首筋にキスをしだして胸を触ってきた。
「やだ!離してっ」
(こういう事は結婚するまでしないって言っていたのに)
「痛っ」
ヘーデルのキスは力強い。
まるで自分の想いを分かってくれるまで離さないと言いたげだ。
力じゃとても勝てない。
今の彼は私の知っている優しいヘーデルじゃない。
ふと今までは思いもつかなかった顔が頭の隅を浮かぶ。
『アリス』
『君は可愛いんだ』
『不安になんかさせない』
(助けて!アルバート王子!)
そう心の中で王子の名を呼ぶとヘーデルはふとキスを止めた。
「アリス、これ!?」
ヘーデルは剥がした服からあらわになった私の胸元にあった胸元に大量のキスマークに驚いていた。
王子が付けたものだ!
ヘーデルは落胆したような表情をしていた。
「アリス、お前は王子と寝たのか?」
言い当てられると恥ずかしくなり、何も言えずにいると彼はすんなり私から離れトボトボ来た道を帰っていった。
解放された私はその場にしゃがみ込み安堵と本当にヘーデルとは終わってしまったんだという複雑な気持ちになった。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる
春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。
夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。
形のない愛は信じない。
でも、出来立ての肉は信じてしまう。
肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。
これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる