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64話「新天地アルカナシティ」
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海を越えた先に待っていたのは、誰もが息を呑むほど華やかな世界だった。
船が巨大な湾の港に入ると、岸辺にはカラフルなバナーや精製モニュメントがずらりと並び、港町全体がひとつの大きな“迎賓ホール”のような賑わいだった。
「すごい……本当に新世界だ!」
ミナが声を弾ませる。リオも思わず見とれた。
港から続く大通りには、空中に浮かぶ幻獣型のホログラムや、精製師たちのオブジェが並び、広場では子どもたちが“光のカード”で魔法じみた遊びを繰り広げている。
通りには異国風の衣装や髪色の人々、幻獣を肩に乗せた少女や、手品のようにカードを操る老人もいる。
「まるで、カードの国そのもの……」
ティアナが目を輝かせる。
街のあちこちでカードバトル用の円形フィールドが設けられ、バトル実況専門の幻獣までいる。
リオたちの到着を知ったのか、路地裏の屋台からも「精製連盟のゲストだ!」と声が上がり、まるで祝祭のような歓迎だった。
「リオ=バルド様、ミナ=リュミエール様、ようこそアルカナシティへ!」
港の中央階段を上がると、精製連盟の使者たちが正装で出迎える。
先頭に立つのは、銀髪の少女。きりっとした眼差しに、どこか高貴な雰囲気をまとっている。
「私は連盟代表代理のレイナ・アルカナ。
本日は世界精製連盟式典の名誉ゲストとして、心より歓迎いたします」
リオは少し戸惑いながらも、しっかりと会釈を返した。
「……ありがとうございます。こんなに盛大な歓迎は初めてで、ちょっと緊張します」
「緊張など必要ありません。アルカナシティは精製師の自由と創造の街。誰でも自分の“想い”をカードにできるのですから」
レイナが微笑むと、背後で連盟のスタッフたちが大きな拍手を送った。
カイが小声で「なんか、王都のギルドより派手だな」と呟き、
アールは「カードの匂いが街全体に満ちてる……」と感心している。
歓迎パレードが始まり、リオたちは華やかな馬車に乗せられて市街地を進む。
沿道には様々な幻獣が登場し、精製ショーや音楽パフォーマンスが次々と披露された。
ミナがそっとリオの袖を引っ張る。
「ねえ……あそこ、変な衣装の集団いない?」
リオが指さす先には、顔を隠したローブ姿の青年たちが、奇妙な精製マークの旗を掲げていた。
その中心に立つのは、精製カードを扇のように扇ぎながら歩く少女――
目元には仮面、腰には異国のカードホルダー。
「彼女……ただ者じゃないな」
シュトラがさりげなく警戒する。
パレードが市庁舎前の広場にさしかかると、その少女がすっと前に出てリオたちの馬車の前に立ちふさがった。
「ようこそアルカナシティへ、旅の精製師たち。
噂は聞いているわ。伝説のカードバトラー、リオ=バルド……本当に最強かどうか、私の“アルカナ流”で確かめさせてもらう!」
そう高らかに宣言すると、広場にバトルフィールドが自動展開され、観客たちが大歓声を上げる。
「いきなり歓迎バトルか……!」
リオは苦笑しながらも、カードデッキを握る手に自然と力が入った。
「俺は逃げも隠れもしない。新世界のルール、ぜひ見せてもらうよ!」
少女は満足げに微笑み、カードを扇状に広げて見せた。
「私はミスト。アルカナ流バトルの使い手。
“心の象徴”を精製できる本当の強さ――あなたに見せてあげる」
バトルの開始を告げる鐘が鳴る。
リオとミスト、双方がフィールドにカードを展開する。
「俺の切り札は――守護竜グラン=ヴァルド!」
光の竜が現れ、広場に勇壮な咆哮が響き渡る。
対するミストのカードからは、カラフルな光とともに、不思議な姿の幻獣たちが次々と現れる。
その一体一体が、感情や記憶、夢や願い――人の“心”を象徴する精製体なのだった。
「……これが、アルカナ流……!」
新世界の奇抜で奥深いバトルに、リオと仲間たちは息を呑んで見守った。
だが、リオの瞳はどこまでもまっすぐだった。
「新しい世界でも、俺は俺らしく――
心を込めて、カードで戦う!」
新天地アルカナシティの最初の一日が、
華やかに、そして熱く幕を開けた――。
船が巨大な湾の港に入ると、岸辺にはカラフルなバナーや精製モニュメントがずらりと並び、港町全体がひとつの大きな“迎賓ホール”のような賑わいだった。
「すごい……本当に新世界だ!」
ミナが声を弾ませる。リオも思わず見とれた。
港から続く大通りには、空中に浮かぶ幻獣型のホログラムや、精製師たちのオブジェが並び、広場では子どもたちが“光のカード”で魔法じみた遊びを繰り広げている。
通りには異国風の衣装や髪色の人々、幻獣を肩に乗せた少女や、手品のようにカードを操る老人もいる。
「まるで、カードの国そのもの……」
ティアナが目を輝かせる。
街のあちこちでカードバトル用の円形フィールドが設けられ、バトル実況専門の幻獣までいる。
リオたちの到着を知ったのか、路地裏の屋台からも「精製連盟のゲストだ!」と声が上がり、まるで祝祭のような歓迎だった。
「リオ=バルド様、ミナ=リュミエール様、ようこそアルカナシティへ!」
港の中央階段を上がると、精製連盟の使者たちが正装で出迎える。
先頭に立つのは、銀髪の少女。きりっとした眼差しに、どこか高貴な雰囲気をまとっている。
「私は連盟代表代理のレイナ・アルカナ。
本日は世界精製連盟式典の名誉ゲストとして、心より歓迎いたします」
リオは少し戸惑いながらも、しっかりと会釈を返した。
「……ありがとうございます。こんなに盛大な歓迎は初めてで、ちょっと緊張します」
「緊張など必要ありません。アルカナシティは精製師の自由と創造の街。誰でも自分の“想い”をカードにできるのですから」
レイナが微笑むと、背後で連盟のスタッフたちが大きな拍手を送った。
カイが小声で「なんか、王都のギルドより派手だな」と呟き、
アールは「カードの匂いが街全体に満ちてる……」と感心している。
歓迎パレードが始まり、リオたちは華やかな馬車に乗せられて市街地を進む。
沿道には様々な幻獣が登場し、精製ショーや音楽パフォーマンスが次々と披露された。
ミナがそっとリオの袖を引っ張る。
「ねえ……あそこ、変な衣装の集団いない?」
リオが指さす先には、顔を隠したローブ姿の青年たちが、奇妙な精製マークの旗を掲げていた。
その中心に立つのは、精製カードを扇のように扇ぎながら歩く少女――
目元には仮面、腰には異国のカードホルダー。
「彼女……ただ者じゃないな」
シュトラがさりげなく警戒する。
パレードが市庁舎前の広場にさしかかると、その少女がすっと前に出てリオたちの馬車の前に立ちふさがった。
「ようこそアルカナシティへ、旅の精製師たち。
噂は聞いているわ。伝説のカードバトラー、リオ=バルド……本当に最強かどうか、私の“アルカナ流”で確かめさせてもらう!」
そう高らかに宣言すると、広場にバトルフィールドが自動展開され、観客たちが大歓声を上げる。
「いきなり歓迎バトルか……!」
リオは苦笑しながらも、カードデッキを握る手に自然と力が入った。
「俺は逃げも隠れもしない。新世界のルール、ぜひ見せてもらうよ!」
少女は満足げに微笑み、カードを扇状に広げて見せた。
「私はミスト。アルカナ流バトルの使い手。
“心の象徴”を精製できる本当の強さ――あなたに見せてあげる」
バトルの開始を告げる鐘が鳴る。
リオとミスト、双方がフィールドにカードを展開する。
「俺の切り札は――守護竜グラン=ヴァルド!」
光の竜が現れ、広場に勇壮な咆哮が響き渡る。
対するミストのカードからは、カラフルな光とともに、不思議な姿の幻獣たちが次々と現れる。
その一体一体が、感情や記憶、夢や願い――人の“心”を象徴する精製体なのだった。
「……これが、アルカナ流……!」
新世界の奇抜で奥深いバトルに、リオと仲間たちは息を呑んで見守った。
だが、リオの瞳はどこまでもまっすぐだった。
「新しい世界でも、俺は俺らしく――
心を込めて、カードで戦う!」
新天地アルカナシティの最初の一日が、
華やかに、そして熱く幕を開けた――。
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