【完結】地味な村人が伝説ドラゴンをカード化したら、最強無双の人生が始まりました

79話「新世界を繋ぐ希望の精製」

　異世界大陸アルカナシティの空は、闇と光が複雑に絡み合っていた。
　トーナメント決勝の舞台が“絶望の闇”に呑まれ、全世界の精製ネットワークが黒き精製者・ルディスのバグによって制圧される。

　

　リオたち希望の旅団は、闇のフィールドに立ち尽くしていた。

　

　「ルディスの“絶望カード”が……ネットワークごと支配してる……！」
　ユリエルが顔を青くする。

　

　「全国、いや世界中のカード精製者が、この闇に飲み込まれてる……！」
　アールも絶望的な声をあげた。

　

　会場のモニターに、各国の精製師、仲間たちの顔が次々と映し出される。
　みんな目に不安と闇を宿し、次第に希望の光を失いかけている。

　

　リオは立ち上がり、仲間を見渡した。

　

　「負けない。俺たちは、どこまでも希望を信じるんだ。
　仲間も、家族も、世界中の精製師も、みんなで手を繋げば、絶望だって越えられる！」

　

　ミナが、そっとリオの手を握る。

　

　「うん――私たちは、世界中の“想い”を繋げるためにここにいる」

　

　カイが拳を握る。

　

　「いくぞ、全員！　お前たちの“究極カード”をリオに託せ！」

　

　仲間たち、家族たち、世界中の精製師がネットワークを通じて
　それぞれのカードの輝きをリオの元へ送り込む。

　

　ユリエルが魔法陣を描き、ティアナが祈り、アールが端末で“ネットワーク連携精製”を発動する。

　

　「希望ネットワーク、フルリンク完了！」

　

　会場全体がまばゆい光に包まれ、無数のカードがフィールド上に集う。

　

　「ルディス！　君の絶望ごと、この世界に“希望”を刻む！」

　

　リオが叫ぶと、グラン＝ヴァルドがカードから飛び出し、
　ミナ、カイ、レイナ、ユリエル、ティアナ、アール、シュトラ、子どもたちや家族、村人――
　それぞれの“究極カード”が現実の幻獣や精製武具として実体化し、フィールドを埋め尽くす。

　

　ルディスの“絶望フィールド”は猛威を振るうが、
　ミナの浄化の巫女カードが光の波を生み出し、
　ユリエルの魔法カードが絶望を跳ね返し、
　ティアナの希望猫がバグを浄化し、
　アールの未来カードがネットワークを修復する。

　

　「やめろ――絶望を諦めたこの世界に、希望など無意味だ！」

　

　ルディスの叫びも虚しく、
　リオたちの想いが世界中の精製師、村人、子どもたちの胸に“勇気”として広がる。

　

　会場の巨大モニターには、遠い村の家族の声――
　「リオー！　信じてるよ！」
　「ミナ、負けるな！」
　仲間や村人、家族が次々に声援を送り、それが光となってフィールドに降り注ぐ。

　

　リオはグラン＝ヴァルドと心で叫ぶ。

　

　「これが――“新世界を繋ぐ希望の精製”だ！」

　

　グラン＝ヴァルドが、いままでにない美しい光翼を広げ、
　全員の究極カードの力を統合し、
　世界の闇を一気に貫く「究極の一撃」を放つ。

　

　「俺たちは、絶望を越えていく！
　希望を信じて、歩み続けるんだ！」

　

　ルディスの絶望フィールドが次第に消え、彼の瞳にも涙が浮かぶ。

　

　「これが……希望……」

　

　ネットワーク全体が黄金色に染まり、
　村でも、王都でも、異世界でも、
　人々がカードを手に掲げ、涙と笑顔で互いに抱き合う。

　

　リオたち希望の旅団は、
　ついに“新世界の精製ネットワーク”の中心となり、
　みんなの想いで新たな未来を切り拓いたのだった。