妹なんてすぐに譲ります。その代わり婚約破棄した罰として復讐されてください。

青杉春香

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3話

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計画を実行する当日を迎えた私は、とりあえず協力者の確保のために街に出た。

なんだか、こういうのはソワソワする。

目立ちすぎないように、あえて黒ではなく、茶色いローブで全身を隠しながら歩いている。

ここら一帯は商店街のため、人気も多く、他にも露出が少ない人が多いためかそんなに見られることもない。

しばらく、裏路地を歩いたところで目的地に到着したーー何でも屋。

ここは、お金さえ払えば基本的になんでもしてくれるお店だ。

家事である、調理や洗濯、掃除はもちろんのこと、知る人ぞ知ることだが、殺し、誘拐等もやっているらしい。

初めて聞いたときには、そんなことをして大丈夫なのかと疑問を抱いたが、大金のためなら身を売るのがこの商売だという。

殺し屋をするにしても、刺客として潜り込んでいるわけだから、殺してしまえば、殺された当人以外は犯人を知らないため、身元がバレることもないのだろう。


けれど、私は違う。

あくまで、彼らに復讐をするまで、命を殺めようなどとは思っていない。

しかしながら、そのせいもあって私のやったことがバレた場合に向こうから仕返しをされる可能性がある。その対策として今回は、少し多めにお金を持ってきた。

私が店の扉を開けるなり、怪しそうな香りのする商人が「いらっしゃいませ~」と両手を擦りながら言った。

「少し、大きめな話をしたいのだけれど」

「ほう。わかりました。それならこちらにどうぞ」

言葉の意味が伝わったのか、何かを察したように店の奥の部屋に案内された。

流石はこの道のプロといったところだろうか。

「では、ご用件を伺いましょうか……?」

商人は先ほどまでの媚を売るような態度とは一変し、眼差しがまるで、真剣なものになった。
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