上 下
5 / 8

5話

しおりを挟む
「ようやく、この日が来たね。僕は待ちくたびれてしまったよ。いつ君を僕のものにできるのかと……」

とうとう、この日がやってきた。

妹とゲス王子が結婚をする日だ。

結婚をするなんていっても、そうさせる気はさらさらないのだけれど。

「はい。私もいつこの日が来るのかと待ち望んでおりましたよ」

と彼に微笑み返すロメリア。

この様子はかなり自信がある様子。

もちろん手筈は整っているし、わたしたちの勝利は目前のようです。

「そうだろ~そうだろ~! ロメリアは僕のものにずっとなりたかったんだよね。伝わっているよ」

何をバカなことを言っているのだか、こんな言葉を聞く人の気持ちを考えてほしい。

『静粛に』

会場に始まりの合図となる、声が響くと、一斉に二人の方向に皆が視線を向けた。

「これから、ダイナ・マグナム王子とリル・ロメリア様の結婚の儀をはじめます」

楽器隊がメロディーを奏で、辺りは拍手喝采で会場は華やかな雰囲気に包まれた。

この後、事件が起きるとも知らず。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ゆりいろリレーション

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

誤解の味は甘酸っぱい

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:14

あなたと復縁? 私もう結婚していますよ?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:189

暗夜の灯火

ホラー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

処理中です...