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「とても素晴らしかったわ」「お二人とも素敵でした」などという台詞が式を終えた後には飛び交っていた。
一見、誰もが疑わない完璧な結婚式ではあったもののそれはあくまで表面上だけだ。
妹は誓いのキスすらうまく交わしていたようだし。
今頃二人はどうなっているのでしょう。
*****************************
「これは一体どういうことだ!」
「どういうこととは、どういうことでしょう?」
式を終え控室に戻った二人は、険悪そうに睨み合っている。
「ロメリア、僕を騙したのか? 約束が違うぞ。それに、キスもしてくれなかったじゃないか! 僕のものになるんじゃなかったのか!」
「なんのことでしょう? 一度としてそんな約束はしていませんが、あなたが勝手に自分のものにしようとしていただけでしょう。私は貴方と結婚したいとすら言ったことはありません。ただ貴方の元へよく訪れていただけです。証拠だってありますよ?」
「貴様……! ーーまあいい。お前みたいな小娘もどき、僕の相手ではない。いいか? ロメリア、選択を誤ったらどうなるか教えてあげるよ。綺麗な肌を僕に見せてごらん」
君の悪い微笑を浮かべ、王子がロメリアの肩にスッと手を伸ばす。
「ほら、これで逃げることもできない。今から僕の思い通りになる」
「きゃあああああああ」
精一杯の声で叫んでみせる。
「今更、無駄だよ。ここには誰も助けには来ない。フヒヒ……」
息を荒くして、嫌らしい視線をロメリアに向ける王子に対し、
「その通りですね。ここには誰も来ません」
一見、誰もが疑わない完璧な結婚式ではあったもののそれはあくまで表面上だけだ。
妹は誓いのキスすらうまく交わしていたようだし。
今頃二人はどうなっているのでしょう。
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「これは一体どういうことだ!」
「どういうこととは、どういうことでしょう?」
式を終え控室に戻った二人は、険悪そうに睨み合っている。
「ロメリア、僕を騙したのか? 約束が違うぞ。それに、キスもしてくれなかったじゃないか! 僕のものになるんじゃなかったのか!」
「なんのことでしょう? 一度としてそんな約束はしていませんが、あなたが勝手に自分のものにしようとしていただけでしょう。私は貴方と結婚したいとすら言ったことはありません。ただ貴方の元へよく訪れていただけです。証拠だってありますよ?」
「貴様……! ーーまあいい。お前みたいな小娘もどき、僕の相手ではない。いいか? ロメリア、選択を誤ったらどうなるか教えてあげるよ。綺麗な肌を僕に見せてごらん」
君の悪い微笑を浮かべ、王子がロメリアの肩にスッと手を伸ばす。
「ほら、これで逃げることもできない。今から僕の思い通りになる」
「きゃあああああああ」
精一杯の声で叫んでみせる。
「今更、無駄だよ。ここには誰も助けには来ない。フヒヒ……」
息を荒くして、嫌らしい視線をロメリアに向ける王子に対し、
「その通りですね。ここには誰も来ません」
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