2 / 2
アルファ公爵の知らない秘密
しおりを挟む
アルファ公爵は何も知らない。なにもかも。
何も知らないから私に堂々と、妹の方を愛しているだなんて無礼極まりない発言ができる。
私の妹ーーティファンにはある秘密があるのだ。
私には2つ下の妹がいる。
名はティファン・アルベリア。
地元では私とティファンはアルベリア家姉妹として名高い。
一応は貴族の生まれであるためだ。
その実態は貧乏貴族であり、土地はたくさん持っているものの資産というものがそれくらいしかなく、身分には沿わない暮らしをしている。
それでも不満に思ったことはない、その実態を知っている貴族からは馬鹿にされることもあるが、大抵は知らない上に、表では身なりや振る舞いをちゃんとしているから下に見られることもない。
具体的にどんな生活を送っているかと言うと、ごく一般的な平民といったところだろうか。
幼少期時代から家族団らんとした生活で、使用人が一人しかいなく、専属シェフもいないため料理はみんなで自炊していたし、洗濯だってよく手伝う。もちろん買い物もだ。
使用人はマルリアという女性、一人だけ。
とっても優しい人だから、彼女だけで十分。
ただ仕事量が多すぎるため、彼女に全部を押しつけないようにしているというわけだ。
そんな環境で育ってきたからこそ、家族の絆がある。
私たちの親は、よく遠出をしていたため家には私と妹とマルリアだけになることも多かった。
女性だけじゃ危ないから、屋敷の外には護衛はついていたけれど、直接関わることはなかった。
だから私はいつも妹のお世話をしたり、遊んだりしていた。
それが彼女の秘密だ。
私の妹のティファンは私への好意が異常であり、絶対的な信頼を寄せているのだ。
それはつまり、彼がいくら妹のことを好きだとしても、私を悲しませるようなことがあれば誰だとしても容赦しないということ。
何も知らないから私に堂々と、妹の方を愛しているだなんて無礼極まりない発言ができる。
私の妹ーーティファンにはある秘密があるのだ。
私には2つ下の妹がいる。
名はティファン・アルベリア。
地元では私とティファンはアルベリア家姉妹として名高い。
一応は貴族の生まれであるためだ。
その実態は貧乏貴族であり、土地はたくさん持っているものの資産というものがそれくらいしかなく、身分には沿わない暮らしをしている。
それでも不満に思ったことはない、その実態を知っている貴族からは馬鹿にされることもあるが、大抵は知らない上に、表では身なりや振る舞いをちゃんとしているから下に見られることもない。
具体的にどんな生活を送っているかと言うと、ごく一般的な平民といったところだろうか。
幼少期時代から家族団らんとした生活で、使用人が一人しかいなく、専属シェフもいないため料理はみんなで自炊していたし、洗濯だってよく手伝う。もちろん買い物もだ。
使用人はマルリアという女性、一人だけ。
とっても優しい人だから、彼女だけで十分。
ただ仕事量が多すぎるため、彼女に全部を押しつけないようにしているというわけだ。
そんな環境で育ってきたからこそ、家族の絆がある。
私たちの親は、よく遠出をしていたため家には私と妹とマルリアだけになることも多かった。
女性だけじゃ危ないから、屋敷の外には護衛はついていたけれど、直接関わることはなかった。
だから私はいつも妹のお世話をしたり、遊んだりしていた。
それが彼女の秘密だ。
私の妹のティファンは私への好意が異常であり、絶対的な信頼を寄せているのだ。
それはつまり、彼がいくら妹のことを好きだとしても、私を悲しませるようなことがあれば誰だとしても容赦しないということ。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
今まで尽してきた私に、妾になれと言うんですか…?
水垣するめ
恋愛
主人公伯爵家のメアリー・キングスレーは公爵家長男のロビン・ウィンターと婚約していた。
メアリーは幼い頃から公爵のロビンと釣り合うように厳しい教育を受けていた。
そして学園に通い始めてからもロビンのために、生徒会の仕事を請け負い、尽していた。
しかしある日突然、ロビンは平民の女性を連れてきて「彼女を正妻にする!」と宣言した。
そしえメアリーには「お前は妾にする」と言ってきて…。
メアリーはロビンに失望し、婚約破棄をする。
婚約破棄は面子に関わるとロビンは引き留めようとしたが、メアリーは婚約破棄を押し通す。
そしてその後、ロビンのメアリーに対する仕打ちを知った王子や、周囲の貴族はロビンを責め始める…。
※小説家になろうでも掲載しています。
あの日々に戻りたくない!自称聖女の義妹に夫と娘を奪われた妃は、死に戻り聖女の力で復讐を果たす
青の雀
恋愛
公爵令嬢スカーレット・ロッテンマイヤーには、前世の記憶がある。
幼いときに政略で結ばれたジェミニ王国の第1王子ロベルトと20歳の時に結婚した。
スカーレットには、7歳年下の義妹リリアーヌがいるが、なぜかリリアーヌは、ロッテンマイヤー家に来た時から聖女様を名乗っている。
ロッテンマイヤーは、代々異能を輩出している家柄で、元は王族
物語は、前世、夫に殺されたところから始まる。
【完結】可愛くない、私ですので。
たまこ
恋愛
華やかな装いを苦手としているアニエスは、周りから陰口を叩かれようと着飾ることはしなかった。地味なアニエスを疎ましく思っている様子の婚約者リシャールの隣には、アニエスではない別の女性が立つようになっていて……。
私を裁いたその口で、今さら赦しを乞うのですか?
榛乃
恋愛
「貴様には、王都からの追放を命ずる」
“偽物の聖女”と断じられ、神の声を騙った“魔女”として断罪されたリディア。
地位も居場所も、婚約者さえも奪われ、更には信じていた神にすら見放された彼女に、人々は罵声と憎悪を浴びせる。
終わりのない逃避の果て、彼女は廃墟同然と化した礼拝堂へ辿り着く。
そこにいたのは、嘗て病から自分を救ってくれた、主神・ルシエルだった。
けれど再会した彼は、リディアを冷たく突き放す。
「“本物の聖女”なら、神に無条件で溺愛されるとでも思っていたのか」
全てを失った聖女と、過去に傷を抱えた神。
すれ違い、衝突しながらも、やがて少しずつ心を通わせていく――
これは、哀しみの果てに辿り着いたふたりが、やさしい愛に救われるまでの物語。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
「お姉様ばかりずるいわ!」と言って私の物を奪っていく妹と「お姉さんなんだから我慢しなさい!」が口癖の両親がお祖父様の逆鱗に触れ破滅しました
まほりろ
恋愛
【完結済み】
妹はいつも「お姉様ばかりずるいわ!」と言って私の物を奪っていく。
誕生日プレゼントも、生誕祭のプレゼントも、お祖父様が外国に行ったときのお土産も、学園で首席合格しときに貰った万年筆も……全て妹に奪われた。
両親は妹ばかり可愛がり「お姉さんなんだから我慢しなさい!」「お前には妹への思いやりがないのか!」と言って私を叱る。
「もうすぐお姉様の十六歳の誕生日ね。成人のお祝いだから、みんな今までよりも高価な物をプレゼントして下さるはずよね? 私、新しい髪飾りとブローチとイヤリングとネックレスが欲しかったの!」
誕生日の一カ月前からこれでは、当日が思いやられます。
「ビアンカはお姉さんなんだから当然妹ののミアにプレゼントを譲るよな?」
「お姉さんなんだから、可愛い妹のミアのお願いを聞いてあげるわよね?」
両親は妹が私の物を奪っていくことを黙認している、いえ黙認どころか肯定していました。
私は妹に絶対に奪われないプレゼントを思いついた、贈った人も贈られた人も幸せになれる物。その上、妹と両親に一泡吹かせられる物、こんな素敵な贈り物他にはないわ!
そうして迎えた誕生日当日、妹は私が頂いたプレゼントを見て地団駄を踏んで悔しがるのでした。
全8話、約14500文字、完結済み。
※妹と両親はヒロインの敵です、祖父と幼馴染はヒロインの味方です。
※妹ざまぁ・両親ざまぁ要素有り、ハッピーエンド。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
他サイトにも投稿してます。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/07/17、18時、HOTランキング1位、総合ランキング1位、恋愛ランキング1位に入りました。応援して下さった皆様ありがとうございます!
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
「旦那様、勝手に婚約破棄させていただきますが」と同じ文章なのですが…ご確認下さい。
わざわざご報告ありがとうございます。
私の勘違いでこちらに同じものをあげていました。
本当に助かりました。