備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず

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第2章 矢作、村を出る?!

全開!!***ジル視点***

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『いい加減に吐け!!誰に頼まれて偽物の護衛を引き受けた?!本物の異世界人はどこにいるんだ!!!』

はぁ、怒鳴ること🟰尋問だと思っているのか。勘違い野郎のせいで耳が痛い。

矢作様は無事だ。
影が見逃すはずも無いのだから、全く心配していない。


義の大家が動いたのは間違いない。だが、単独では無いはずだ。

黒幕を探るまでは馬鹿の相手をするしかない。

バキッ!!

プッ。また奥歯が折れたか。
言うことをきかせる🟰暴行か。
本物だ。

紛うことなき馬鹿。

はぁ、これで義の大家も潰しても問題無いと判断したのだと確信がもてた。
我が王の事だ。それをついでにこちらに押し付ける。それくらいの事やりかねない。

が…。

これ以上、矢作様にご迷惑をかける訳にはいかない。あの日、護衛隊長を引き受けたのは簡単な決断ではない。
恐らく、その決意の意味を知っているのは…我が父くらいだろう。あの人は特殊だから。

さて、この馬鹿に好き勝手をさせて、これ以上の傷を負えば必ず矢作様にバレてしまう。

あの方には何故か、こういう類は隠せないのだ。
普段の鈍感さは底抜けなのに、なんでなのか。

本当に不思議な方だ。知れば知るほど本体を見失いそうに思える。

『舐めてるんじゃねえよ!!呑気に考え事などしている場合か?!
お前は俺たちに従う以外に生きる道などないのだ。まあ、従っても生きる道などあるかは分からぬがな。ハハハハ。。ぐぅっ。』

ドサッ。

やっと静かになった。
目の前に倒れている木偶の坊を足で蹴り飛ばして隅にやる。ついでに床に転がっている監視員達も蹴り飛ばす。
しかし、一振りで終わりとは騎士達も存外呆気ない。本来ならば身体に聞きたいこともあるが、ザコの知る内容など大したことはないだろうし必要ないな。


小刀の汚れを拭ってから、部屋を出る。騒ぎを大きくするのも面倒臭いので、一応息の根は止めてない。さてスキルを使って探りを入れるか。まあ、これで誰にも私を見つける事は出来ないだろう。


それから、ゆっくりの証拠集めをした。
あとの処置をキセ達に丸投げして、早く終わりして矢作様方の所へ駆けつけたい。
そんな思いもあるが、このままでは済ませられない。

奴らは、ここまで私を怒らせたのだ。
黒幕の片付けをする間くらい、ベン殿達に矢作様をお任せして大丈夫だろう。
義の大家は、要らないなら本気をちょっと出しても良さそうだと、刀に手をかけようとしたその時。

『おや、このままお帰りかな。』

!!!

まさか…何故気づかれた?!
スキルを使ったままなのだ。ならば壁と同化して気配など知るはずもないのに。

改めて小刀を握って、覇気を纏わせる。
久しぶりの強敵の予感に、まずは無力化をしたいが少々厄介な気がして様子見といこう。

あの馬鹿たちとは、違い少しは強い力を感じるから少しは何か知ってそうなのだ。
ちょっと手間でも、これは身柄確保しかないな。

『なるほど。仁は良い跡継ぎをお持ちだ。
初対面で私の事を舐めながったのは、貴方が初めてですよ。』

臨戦態勢の私をせせら笑う相手に少しガッカリした。
舐めてるのはどっちか、私の実力も測れないのなら一気にキメても大丈夫だろう。
ただ、建物も一緒に壊してしまうとキセに叱られそうな気はする。

ドドドンンンンーーー!!!!

おっと。

先手を相手に譲ってしまった。
覇気を纏っていたので、私に被害は全くないが建物は半壊してしまったではないか。
乱暴な相手に思案の暇は無さそうだ。

『ここはあなた方の仕える家ではないのですか?破壊して良いのですか?』
会話をしながら、次の一手を探るか。

『その手には乗らないぞ。帝国で知らぬ者のいない諜報部隊が相手だ。隙なぞ与えるか、いくぞ!!』

どうやら相手が持っているらしい【爆撃】のスキルが炸裂して辺り一面、連続して爆発しているようだ。

ドドドド、、、ドスン!!!!
大きな音が立て続けに響き、壁も屋根も全てが壊れてゆく。
無論、建物もその中にいる人々も全て逃げられる訳がない。

仕方ない、やるか。
小刀に纏わせた覇気を強めて、一気に彼に突き進む。

『させるか!!』
連続爆撃が私に向かって炸裂し、覇気が大きく揺れている。このままでは、南地区の1部が吹っ飛ぶな(私は大丈夫だけれど…)それは不味い。

【全開】

しかたなく、もう1つのスキル【空気を操る力】を使う。

一瞬で、辺り一面は全て私の手の内に収まる。

まずは彼の周りの空気を適度に抜いては気絶させた。身柄を別空間に閉じ込めて確保終了。
そして爆発し続ける全ての空間を一気に閉じ込め、鎮圧終了。

更地も不味い気がしたので、もう1度粉々になっている建物を戻す。
よし、これで完了かな。
この長年かけて身につけたスキルは、中々使い勝手が良い。

しかし。
静まりかえった場所に、生き物の気配はない。

彼の爆発のせいだと思う。大切な証拠は彼を残して全て灰燼となったのは絶対私のせいじゃないけど…。

まずい気がする。

これ、絶対私の所にツケが回ってくる予感がする。

(だから手加減を覚えて下さい!!)
キセの声が幻となって聞こえる気がするし。


!!!

後始末を考えていたその時、何者かが凄いスピードで近づいて来るのがわかった。

治安部隊か?
この南地区に踏み込むとは、度胸もありそうで中々良い。
よし!!
私はここの後始末に使えそうな人物の登場に頬が緩むのを感じた。



***治安部隊  クモン視点***

地面が揺れる。

この方向はおそらく、南地区だ。
東地区にいる俺たちにも感じるのだから、あちらは相当大きな爆発だろう。

何で?誰が??

あそこは特権階級地区。我々のような市民は例え治安部隊であれ入る事は出来ない。

ドドドン!!!!

まただ。いったい何が起きているんだ?!

怒涛の爆撃に耳が痛い。南地区に破壊活動をする者が現れたか?
まさか、野獣に門を破られたのか?!

次に備えて身構えていたが、音が止んだ。
揺れも何もない。

急に静まりかえっても、それはそれで不気味過ぎるだろう。
一応、首都を守る治安部隊の一員だ。
どうすれば良い?駆けつけるべきか。

だが、南地区だぞ。
特権階級の住む場所に、俺ごときが入ったとなれば彼らが黙っていまい。

とはいえ、ミレおばさんが先ほど南地区へ納品に行ったのを見送ったばかりだ。

。。無事だと良いが。

あまりの事に他の仲間たちも戸惑いを隠せない。治安部隊として出動すべきか、隊長も迷っているみたいだし。

『あそこへ入ればタダでは済まない。このまま静観するしか…』隊長の呟きで腹を括った。静観しても、駆けつけてもタダでは済まない。あそこはそういう場所だ。

ならば、俺1人でも行くしかない。
(ミレおばさんが心配だしな。)

そっと部屋から出ると【瞬足】を、使って南地区へ急いだ。

近づくいて見えてきたあまりの被害に立ち止まってしまった。

いったい何が起こったのだ?何か巨大な野獣が暴れたのか?!
そう思えるほど酷い被害状況だった。


あの南地区の入り口にある煉瓦を敷き詰めた美しかった道にもうない。

そこには、何本も大きな亀裂が走り道はボロボロ。しかも入口の巨大門は歪んで半分吹っ飛んで既に開けっ放しになっていたのだ。

いつもは固く閉じ、我々を拒む門から中へと慎重に足を踏み入れる。

意外にも1部地域以外は、全く被害がないようだ。
辺り一面血の海を予想していたから、ホッと胸を撫で下ろしつつ先に進む。

ミレおばさん。どこだ?
南地区でも右側は市民も出入りがある場所だが、そちらの建物には、被害はないように見える。

『あら?クモンじゃないの。こんな場所にどうしたの?』
ミレおばさん、いた!!

『おばさん、良かった。無事だったんだね。あんまり大きな爆音と揺れだったから心配で駆けつけたんだ。』

ミレおばさんが嬉しそうに頬を緩めて
『ありがとう。ココに来るの大変だったでしょう。心配かけてごめんね。でも大丈夫よ。こっち側には一切被害はないの。』

あれほど大きな爆発だったのに、一角だけとは驚いた。そんな事が可能なのか?

『いやね、私らも驚いているのよ。ほら、お取引様のあたりは被害はないって。』
ミレおばさんに言われて辺りを見渡せば確かにこの辺りは被害がない。
入口が凄かったから、全部こんな様子だと勘違いしてしまった。

『どうやら、義の大家様の辺りらしいのよ。でも、よく分からないの。』

無事だったミレおばさんに別れを告げて、ここまで来たのだから治安部隊としてひと働きする事にした。

後からその時の行動を大後悔することになるとは、まだ俺は知らない。。

知ってたら絶対教えてやるのに。

その先に行っちゃダメだと。




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