Weedman(ウィードマン)

嫉妬のRay君①

今回は彼、プエルトリコ出身でダンサーのRay君。
彼とも長くてね、My manの1人と言える地球人なんだけど、もう最後に会話したのは2年前になるかな。
奥さんボコボコにしちゃって大問題になっちゃってね。
また会いたいなと思うよ。

彼は常にスーパー大麻人になってた。
起きてはウィード吸って、踊る時も吸って、仕事中も吸って、酒もガンガン飲んで、でまた思い出したら吸う。ほぼ毎日その繰り返し。
その生活を10代後半から10年以上続けてたんだ。

彼と初めて出会ったのはクラブのトイレだった。
便器に座ってジョイント(ウィードをタバコのように紙で巻いたやつ)吸っててさ、俺のこと見つめて笑ってたんだ。
大分前から俺の存在には気付いてたらしくてね、やっと会話ができたって喜んでたよ。

「君の目に俺はどう映ってるの？」
人によって俺の見え方ってみんな違うからね。
「マイケルジャクソン！」
「お前はマイケルジャクソンそっくりだ！」
本当かどうかは分からないけど、彼はそう言ってまた笑ってたよ。

でもね、次の瞬間彼の顔からいきなり笑顔が消えたんだ。何かを思い出したように、感情の色が一瞬で変わった。
充血してる綺麗な青い目の奥底が、冷たく、どす黒いもので覆われていった。

「ちょっと聞いてよ」
彼は英語とスパニッシュを話すんだけど、俺との会話は脳みそと心でするからね。
彼の口から出る言葉以外に、全ての感情が流れ込んできた。
地球人のいうところの、疑い、嫉妬っていうもの。
果てしなく黒く、卑屈で、悲しい愛の感情だったよ。

「俺の奥さん他の奴とヤッてると思うんだよ」