キスしたい〈君が好き。より〉

ぶらくり。

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キスしたい

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「れぇーん。今 何時~?」
クローゼットのある部屋からちょっと焦りながら叫ぶ優。

今日は女子会でランチの約束が前から入っていて、着ていく服を持って前日に泊まりにきてた。

『10:30!』
 
勢いよくリビングに戻ってくると、
「やばいっ。時間ない!蓮のせいだよ」
『だってイチャイチャしたいじゃん。俺が送るんだし焦らなくていいって』


「どう?これで大丈夫だよね?」
『可愛いよ。けど肩だしすぎじゃない?』
「こんなもんだよ?それに女子だけだから大丈夫!」
『んー…』

そんな俺をスルーして、
「では蓮、送って頂けますか」
って嬉しそうな顔で言うから、
『何がそんなに嬉しいんだよ』
「うふふ。なんか送ってもらうのって彼氏っぽくていいなーって」
『いや、彼氏だろ笑』
って優の下唇をぺろっと舐めてキスをすれば、ほらまた幸せそうな顔で笑う。



ランチをするカフェ近くまで送り届ければ
「行ってきます!夕方には戻るからね」
『わかった。でも時間気にしすぎなくていいからな』
「いや、気にする。蓮との時間も必要だもん」

そんな会話の中でまたキスしたくなる。

「ちょっ…と…待って」
『キスさせて』
「やだ。今外だし恥ずかしいからしないよ」
と車を降りていく。

『優!帰りも連絡しろよ!』
返事の代わりに笑顔で大きく手を振ってから歩いていく彼女を見送る。
『…さて。帰るか』



うーぁ…寝てた…
時計を見れば16:30。
タイミングよくLINE通知が鳴る。

迎えに行くか。
大きく伸びをして家を出る。

お昼に降ろした場所で5分もすれば彼女が走ってきて車に乗り込む。

「蓮ごめんね。待たせちゃったよね」
『いや、さっき来たとこ』
「ほんとに?お迎えありがとう」

車を走らせてマンションに帰る間中、今日の話を楽しそうに報告してくれる。

あー可愛い。

ひとしきり話し終えた優に、
『楽しかったんだな笑』
「なんで笑うのー」
『なんか子供みたいで可愛い』

「………………」
『どした?』
「もうっ。蓮 好き。」
『急だな笑』
「なんか想いが溢れました」

あーキスしたい。



家に着くと玄関の扉を後ろ手に閉める。
パンプスを脱ぎながら「ただいまー」って言う優をこっちに向かせて、ちゅってわざと音を鳴らしてキスをする。
「…蓮。ここまだ玄関」
『無理。我慢してたから』

そしてまたちゅう。
「んも…れん…」

開いた唇に舌を差し込めば優から漏れる吐息。
「…ん…ちょ…ストップ!」
『なに?』
「…その気になっちゃうでしょ」
『大歓迎。その気にさせるつもりだからね』
と、またキスをする。

「んふっ…んん…んっ…」
俺のキスで気持ちよくなってる顔を見ればもう待てなくて
『ダメだわ。しよ。』

「……する」

あーあー可愛い。
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