頼れる年下御曹司からの溺愛~シングルマザーの私は独占欲の強い一途な彼に息子ごと愛されてます~

夏目萌

文字の大きさ
33 / 65
7

2

しおりを挟む
「亜子さん――」
「――ッ」

 抱き締められていた腕が離れていくのと同時に名前を呼ばれると、そのまま唇を塞がれる。

「……っん、……はぁっ、ん」

 突然のキスに驚く暇も無く、どんどん激しさを増していく口付けに息は上がり、息継ぎをするのもままならない。

「んっ、ふぁ……ッんん!?」

 一瞬、唇が離れたかと思えば、今度は竜之介くんの手が首筋を通って耳に添えられ、指で耳殻や耳朶を弄ってくる。

「……っや、それ……擽ったいっ」

 耳の形を確認するかのように弄られているのを擽っく思って抗議するも、彼は動きを止めるどころかそこに舌を這わせてきた。

「やっ、あッ……ん、」

 耳を弄られているだけなのに、身体が疼いてしまい無意識に身を捩り、嬌声も上げてしまう。

「気持ちいい?  その表情、すごくそそられるんだけど」
「……ッ」

 今の竜之介くんは何だか少し意地悪な気がするけど、嫌じゃない。

 口角を上げていたずらっぽい笑みを浮かべた竜之介くんは耳から指を離すと、今度は顎へ指を充ててグイッと持ち上げてくる。

「亜子さん、キスよりも先の事、してもいい?」

 キスよりも先の事――それが何を意味するかなんて、分かってる。

 勿論、断る理由なんて無い。

「…………うん」

 だから私はイエスと頷くと、私の返答にほっとした表情を見せた竜之介くん。

「それじゃあ、俺の部屋、行こうか」
「!?」

 このままリビングでするのかと思いきや、私の身体を軽々と抱き上げた彼は自分の部屋へ向かって歩き出した。

 竜之介くんの部屋のベッドに寝かされ、その上に彼が覆い被さるように跨ってくると、先程同様唇を塞がれる。

 何度も何度も角度を変えながらキスをして再び気持ちを高めていくと、触れる程度のキスだけでは物足りなくなって、徐々に荒々しく強引さが増していく。

 息継ぎをしようと唇を開くと、待ってましたと言わんばかりのタイミングで竜之介くんが舌を割入れてきた。

「……ん、……ふぁッ、んん……」

 舌を絡めて互いを感じ合いながら深いキスへと進んでいくと、だんだん力が抜けてのぼせたように頭がぼーっとしていくけど、

「ッあ、んっ!」

 急に首筋に口付けされたと思った刹那、彼の舌が首筋から鎖骨へと這ってくる感覚にゾクリと身体が反応して嬌声を上げながら身をよじる。

「亜子さん、可愛い」
「やだ……恥ずかしい……っ」
「恥ずかしがらないで、もっと見せてよ」

 竜之介くんは人が変わったんじゃないかってくらい、意地悪さが増している気がする。

「竜之介……くん……っそこは、もう、や……ッ」

 首筋を執拗に攻められた挙句に吸い付いて赤い印を付けてくる彼。

 私の言葉に彼の手がさらに下へと下がっていき、着ていたパジャマのボタンへ指が掛かる。

 私の着ているサテン生地のパジャマは前開きのシャツタイプで、竜之介くんは一つ、また一つとボタンを外していき、ボタンを全て外し終えてゆっくりとパジャマを開いていくと、露わになった私の身体をまじまじと見つめてくる。

「……やだ……、そんなに見ないで……」

 ブラジャー姿の身体を見つめられて恥ずかしくなった私は顔を背けて視線を逸らす。

「恥ずかしがる事ないって。綺麗だよ、亜子さんの身体」
「……んっ」

 再び耳元に顔を近付けて来た竜之介くんは囁くように言いながら、ブラジャーの上から指で胸の頂きを刺激して来る。

「あ……、……やぁ……っんん」

 耳元で囁かれた擽ったさから逃れようとしていると、逃げられないように唇を塞いできた。

「ん……ふぅ、……ッ」

 その口付けは強引で間髪入れずに舌を絡ませてくるので、私はそれに応えるのが精一杯。

 そして、唇を離した彼は私の身体を抱いたまま一旦体勢を起こし、

「亜子さん、服、脱いで」

 そう口にしながら自身も着ていたロングTシャツを脱いで上半身を露わにした。

 恥ずかしいけど、服を着ていては邪魔になる。

 それが分かっているから小さく頷いた後、自らパジャマとブラジャーを脱ぎ捨てた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜 【完結】

日下奈緒
恋愛
雨の日の交差点。 車に轢かれそうになったスーツ姿の男性を、とっさに庇った大学生のひより。 そのまま病院へ運ばれ、しばらくの入院生活に。 目を覚ました彼女のもとに毎日現れたのは、助けたあの男性――そして、大手企業の御曹司・一ノ瀬玲央だった。 「俺にできることがあるなら、なんでもする」 花や差し入れを持って通い詰める彼に、戸惑いながらも心が惹かれていくひより。 けれど、退院の日に告げられたのは、彼のひとことだった。 「君、大学生だったんだ。……困ったな」 15歳という年の差、立場の違い、過去の恋。 簡単に踏み出せない距離があるのに、気づけばお互いを想う気持ちは止められなくなっていた―― 「それでも俺は、君が欲しい」 助けたはずの御曹司から、溺れるほどに甘やかされる毎日が始まる。 これは、15歳差から始まる、不器用でまっすぐな恋の物語。

年齢の差は23歳

蒲公英
恋愛
やたら懐く十八歳。不惑を過ぎたおっさんは、何を思う。 この後、連載で「最後の女」に続きます。

独占欲全開の肉食ドクターに溺愛されて極甘懐妊しました

せいとも
恋愛
旧題:ドクターと救急救命士は天敵⁈~最悪の出会いは最高の出逢い~ 救急救命士として働く雫石月は、勤務明けに乗っていたバスで事故に遭う。 どうやら、バスの運転手が体調不良になったようだ。 乗客にAEDを探してきてもらうように頼み、救助活動をしているとボサボサ頭のマスク姿の男がAEDを持ってバスに乗り込んできた。 受け取ろうとすると邪魔だと言われる。 そして、月のことを『チビ団子』と呼んだのだ。 医療従事者と思われるボサボサマスク男は運転手の処置をして、月が文句を言う間もなく、救急車に同乗して去ってしまった。 最悪の出会いをし、二度と会いたくない相手の正体は⁇ 作品はフィクションです。 本来の仕事内容とは異なる描写があると思います。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

処理中です...