優しい彼の裏の顔は、、、。【完】

夏目萌

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STORY4

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「……私、やっぱり郁斗さんの迷惑になっているような気がするんですけど、美澄さんはどう思いますか?」
「え?  いや、迷惑とか郁斗さんは思ってないっすよ!  そもそも迷惑に思ってたら家には連れて来ないですし、郁斗さんの家を知ってるのって組の奴でも極わずかしかいないんすよ?  それを知ってる詩歌さんは特別なんじゃないかって俺は思うっす」

 『特別』という美澄のその言葉に、これまで詩歌の胸の中で渦巻いていたモヤが一気に晴れていく。

「本当に、そう思いますか?」
「はい」
「……そう、ですか」

 美澄に再度問い掛けた詩歌は彼の返事を聞くと、徐々に笑顔が戻っていく。

 女ってのは、色々と複雑なんだなぁという事を呑気に考えながらコーヒーを飲んだ美澄は、詩歌に元気が戻ったようでひと安心しながら他愛の無い話を続け、出掛けるまでの時間を潰していた。

 一方の郁斗は、

「黛組か、厄介な相手とつるんでるもんだな」
「そうなんですよね。それと、さっき情報屋から連絡があって、とうとう関東の方にも捜索を入れ始めたみたいなんです」
「それじゃあ、見つかるのも時間の問題だな。暫く店には出さねぇ方がいいんじゃねぇのか?」
「そうですね……」
「まぁ、結構な稼ぎ頭になってるようだから太陽は渋るかもしれねぇな」
「確かに。けど、足がつけば店にも影響が出ますからね。明日から暫く休ませますわ」
「ああ、その方がいい」

 恭輔と詩歌絡みの情報共有を行い、黛組が関東へと捜索範囲を広げた事を受けて、暫く詩歌を店には出さない事を決めた。

「それとな、俺の方でも花房や四条について色々調べてみたんだが、花房は苑流のボスと黛組の頭の三人で結託して売春斡旋してやがる。女は花房の会社の社員って事になってるが、苑流のボスが女の弱み握って逆らえない状況に持っていき、黛組に送られてそこから流されてる」
「化粧品会社なだけあって、社員に女が多いから好都合ってか。胸糞悪ぃ奴らだな」
「ああ。それで四条のとこは製薬会社だが裏で媚薬やら怪しげな薬を作ってるらしくてな、それを試すのに女が必要だ。そこで、それを知った花房がデータを取るのに丁度いい女が沢山いるという話を持ち掛けた」
「そこから二人は繋がったのか」
「らしいな。それと同時期に、四条は父親からそろそろ結婚を考えるよう言われていた。そんな時、詩歌花房の娘に会って容姿が良い事や純粋そうなところが色々と使えそうだと思ったんだろうな。大手企業同士に繋がりが生まれれば、やり方次第で利益も倍になるから結婚が利益しかないと考えての事だろう」
「詩歌を選んだ動機が不純過ぎる。ますます奴らに渡す訳にはいかねぇな。それどころか、連れ戻されれば逃げた罰として酷い目に遭うのが目に見えてる」

 恭輔の話を聞いた郁斗は花房と四条の行いを知れば知る程苛立ちを募らせ、いつになく冷静さを無くして怒りをあらわにしていた。
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