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さくら1st写真集 編
さくら1st写真集編 3〜幻の読んでみた動画 前編〜
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マネ「それじゃさくちゃん、写真集の発売日までは取材も多くて大変だけど、よろしくね」
さくら「はい、頑張ります」
写真集の発売まで残り10日ほど。
今日は、会社に来て雑誌や情報サイトの取材をまとめて数件受ける日だった。
これまで写真集を発売してきた先輩や同期を見てきてなんとなく把握はしていたけど、発売日が近づくにつれてこういう仕事が次々と入ってくる。
今日最後の取材を終え、ひと息つきながら発売日までのスケジュールをマネージャーさんと確認していると--
マネ「そういえば、最近会社に来たメンバー何人かはさくちゃんの写真集を読んでいってくれたよ。みんな絶賛してた」
さくら「え~、そうなんですか。ちょっと恥ずかしいですけど、嬉しいです」
発売日前だけど、会社には写真集を何冊か置いてもらっている。かっきーも会社に来て読んだって言ってたし。
(あ…そういえば……)
今日のマネージャーさんは、かっきーの動画撮影に立ち会っていたはずだ。
中止になってしまったとかっきーから聞いた、あの撮影。
さくら「あの…写真集って、かっきーも読んでくれたんですよね?」
マネ「あ、そうそう。こないだ会社に顔を出してくれた時にね。休養中なんだし、無理して会社まで来なくても大丈夫って言ったんだけど、本人が『リハビリみたいなものですから』って言うから」
私は、かっきーの話で気になっていたことを訊いてみる。
さくら「あの…かっきーからちょっと聞いたんですけど、その日の撮影で何かあったんですか?中止になった、って聞きましたけど…」
マネ「あぁ~、そうなの……やっぱり、体調がまだ万全じゃなかったからっていうのもあったのかな」
さくら「え…?かっきー、そんなに無理してたんですか…?」
マネ「う~ん…無理してた、っていうか…ちょっと、撮影を続けられる状態じゃなくなっちゃったっていうか…」
(そんな…かっきー、自分がミスしたせいって言ってたのに……)
体調が原因だとしたら、ますますかっきーが責任を感じる必要なんてない。けど、それすら自分のせいだと感じてしまう真面目さも、彼女の魅力なのかもしれない。
マネ「でもね、かっきーがさくちゃんのこと、本当に大好きなんだなって。途中まで撮影してて、それはすごく伝わってきたよ」
(え…?どういうこと…?)
かっきーは私の写真集を読んでいったいどんな反応をしてくれたんだろう。
もう訊かずにはいられなくなった私は、衝動的に口を開いていた。
さくら「あの、その動画、見せてもらうことって出来ませんか?!」
マネ「え?う~ん、たしかにデータはまだ残ってるはずだけど。でも、途中までしか撮れてないし、未編集のやつだよ?」
さくら「いいんです。せっかくかっきーが私の写真集を読んでくれたんなら、見ておきたいんです。お願いします」
マネ「まぁ、さくちゃんがそこまで言うなら…」
こうして、マネージャーさんに無理を言ってかっきーの動画を見せてもらえることになった。
マネ「じゃあ、見終わったら声かけに来てね。向こうの部屋にいるから」
さくら「はい、ありがとうございます」
マネージャーさんからタブレットをお借りして、落ち着いて視聴できるように小さめの会議室も用意してもらった。
(かっきーに黙って見ちゃうのは、ちょっと申し訳ないけど…)
でも、ここまで用意してもらったからには後には引けなかった。
胸に手を当てて深呼吸をすると、タブレットをタップした。
~続く~
さくら「はい、頑張ります」
写真集の発売まで残り10日ほど。
今日は、会社に来て雑誌や情報サイトの取材をまとめて数件受ける日だった。
これまで写真集を発売してきた先輩や同期を見てきてなんとなく把握はしていたけど、発売日が近づくにつれてこういう仕事が次々と入ってくる。
今日最後の取材を終え、ひと息つきながら発売日までのスケジュールをマネージャーさんと確認していると--
マネ「そういえば、最近会社に来たメンバー何人かはさくちゃんの写真集を読んでいってくれたよ。みんな絶賛してた」
さくら「え~、そうなんですか。ちょっと恥ずかしいですけど、嬉しいです」
発売日前だけど、会社には写真集を何冊か置いてもらっている。かっきーも会社に来て読んだって言ってたし。
(あ…そういえば……)
今日のマネージャーさんは、かっきーの動画撮影に立ち会っていたはずだ。
中止になってしまったとかっきーから聞いた、あの撮影。
さくら「あの…写真集って、かっきーも読んでくれたんですよね?」
マネ「あ、そうそう。こないだ会社に顔を出してくれた時にね。休養中なんだし、無理して会社まで来なくても大丈夫って言ったんだけど、本人が『リハビリみたいなものですから』って言うから」
私は、かっきーの話で気になっていたことを訊いてみる。
さくら「あの…かっきーからちょっと聞いたんですけど、その日の撮影で何かあったんですか?中止になった、って聞きましたけど…」
マネ「あぁ~、そうなの……やっぱり、体調がまだ万全じゃなかったからっていうのもあったのかな」
さくら「え…?かっきー、そんなに無理してたんですか…?」
マネ「う~ん…無理してた、っていうか…ちょっと、撮影を続けられる状態じゃなくなっちゃったっていうか…」
(そんな…かっきー、自分がミスしたせいって言ってたのに……)
体調が原因だとしたら、ますますかっきーが責任を感じる必要なんてない。けど、それすら自分のせいだと感じてしまう真面目さも、彼女の魅力なのかもしれない。
マネ「でもね、かっきーがさくちゃんのこと、本当に大好きなんだなって。途中まで撮影してて、それはすごく伝わってきたよ」
(え…?どういうこと…?)
かっきーは私の写真集を読んでいったいどんな反応をしてくれたんだろう。
もう訊かずにはいられなくなった私は、衝動的に口を開いていた。
さくら「あの、その動画、見せてもらうことって出来ませんか?!」
マネ「え?う~ん、たしかにデータはまだ残ってるはずだけど。でも、途中までしか撮れてないし、未編集のやつだよ?」
さくら「いいんです。せっかくかっきーが私の写真集を読んでくれたんなら、見ておきたいんです。お願いします」
マネ「まぁ、さくちゃんがそこまで言うなら…」
こうして、マネージャーさんに無理を言ってかっきーの動画を見せてもらえることになった。
マネ「じゃあ、見終わったら声かけに来てね。向こうの部屋にいるから」
さくら「はい、ありがとうございます」
マネージャーさんからタブレットをお借りして、落ち着いて視聴できるように小さめの会議室も用意してもらった。
(かっきーに黙って見ちゃうのは、ちょっと申し訳ないけど…)
でも、ここまで用意してもらったからには後には引けなかった。
胸に手を当てて深呼吸をすると、タブレットをタップした。
~続く~
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