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小学生
悪魔の宣告
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「それで、俺がどうしましたか?」
「いえ、特に何も言ってませんよ、神楽サン……。」
可哀そうになるくらいの顔色で対応する瀬川さんを見る。もっとも火の粉がこちらに飛んできては敵わないので助け舟を出す予定はない。
恐ろしいくらい完璧な笑顔を浮かべた神楽様の後ろから蓮様が顔を出す。殺伐とした二人を横目に蓮様のところへ移動する。
「涼!何でこんなとこに?」
「いろいろ考えた末にこの廊下がベストだと判断してここで待機させていただきました。蓮様、本意ではないとはいえ、側を離れてしまい申し訳ございません。こちらにも足止めが来ていまして……。」
「足止めって……。」
今気づいたかのように神楽様と瀬川さんを視界に入れると小さくうわぁ、と呟いた。
「リアル蛇に睨まれた蛙……。」
「まさにですね。……可哀そうですが、僕たちにできることはなさそうです。」
暗に助けることは放棄すると伝える。え、助けを求めるような視線?しらない。
身長は神楽様の方が低いはずなのに威圧感のせいか、瀬川さんが小さく見えてくる。
「それで、神楽様に何か言われたりしましたか?大丈夫でしたか?」
二人を視界から外し、蓮様に向き合う。今日はこのためだけについてきたのに、これじゃあ何の意味もない。未だかつてないほどの役立たずだ。こっちの廊下で話を聞いてはいたが、途中からあまり耳に届かなくなってしまったし、一字一句逃さず話を聞くことができた訳ではない。取り乱したような様子もないため大丈夫そうではあるが。
「ん、大丈夫だ。別に、なんというか、な。思ったほど何かあったわけじゃない。ただウザいし気に食わないし腹立つしムカつくけど、それだけだな。」
本当に何でもなさそうに言う蓮様に胸を下ろす。
「そう、ですか……。」
「ああ、今まであんな気にしてたことが馬鹿らしいくらいにな。」
そう言ってカラりと笑う蓮様に、思わず抱きつき片手でわしゃわしゃと頭を撫でまわす。
「はっ!?ちょ、なん、涼!?」
「…………。」
無言でふわふわな癖っ毛を掻き撫でる。
ついこの間、といっても何年も前だが、兄である神楽様に怯え、劣等感に身を焼かれ、トラウマのごとく苦手に思っていたのに、こうして二人っきりで話すことができて、きちんと向き合って折り合いをつけることができて、
「お母さんは嬉しいです……。」
「へ?何て言った?」
抱きついていても蓮様には聞き取ることができないくらいの声で呟く。いや、本当。息子が自立した時ってきっとこんな感じなんだろうな、とか思うも、きっと本人に言ったら苦い顔をされるに違いないので呟きにとどめておく。
「いえ、何もなかったなら、良かったですー……。」
嬉しくてヘラりと笑いかけると、蓮様は何故かハッとしたように焦りだした。
「りょ、涼、近い!いや、近くても良いんだけど、今はちょっと離れろ!」
わたわたとしているがそれに気づかないふりをして頭を撫で続ける。癒される、さっきまで考えてたことなんか忘れよう。頭の隅に居座っていた数年前の決意の理由を追い出した。
「……随分と仲がいいんだね。」
後ろから耳に優しいテノールの声を掛けられる。
名残惜しくも、蓮様の首に回していた腕を解きニコニコとしている神楽様に向き合う。本当のところ対面した時点であいさつをしないのは非常に失礼なのだが、すでに遅いのでもう気にしないことにしておく。
蓮様に向けていた笑顔をしまい、営業用の笑顔をスムーズにつける。今日一日で絶対作り笑顔スキルが上がった。
「御見苦しいところをお見せいたしました。挨拶が遅れて申し訳ございません、神楽様。私は蓮様のお側付の赤霧涼と申します。以後お見知りおきください。」
今日一日出していた天然な子の態度は忘れ、いつも通りの模範的挨拶をする。
「そ、涼ちゃん。俺は知ってると思うけどそこにいるもやしっ子の兄の白樺神楽。君のことは父さんから聞いてるよ。よろしくね。」
爽やかなのに、爽やかに聞こえるのにしれっと弟の悪口混ぜ込んできたよこの人。これは蓮様としてはどうなんだろう、と思い蓮様に視線を投げると彼も視線の意味に気付いたらしく遠い目をしていった。
「こいつはもうこういう生き物なんだって認識したほうがいい。いちいち気にしていたらきりがない。」
……今日のこの十分にも満たない時間で蓮様は何を悟ったのだろうか。
「随分な言いようだね、蓮。お兄ちゃん悲しいよ。」
「くたばれ。」
「…………。」
ふざけたように蓮様をからかう神楽様に間髪入れず毒を吐く。猫全く被る気ないなこの子。今まで見てきた蓮様は仮の姿だったのでしょうか……。流石に聞かなかったことにできるレベルでもないのでせめてと目を逸らしておく。逸らしたさきでは瀬川さんが僕らを楽しそうににやにやと眺めていた。さっきまで蛙だったくせに。
「ははは、口が悪いなぁ。ほら、隣の可愛い可愛い涼ちゃんが引いてるよ?」
「っ!!」
弾かれたかのように僕の方を見ておろおろする蓮様。いやはや、もういろいろと手遅れですよ。ただまあ特にそれでも気にしないという気持ちを込めて少し高い位置にある白い頭を撫でるとホッとしたように少し口元を緩めた。
しかし神楽様は逆に面白くなさそうに口の端をゆがめて笑った。
「へぇ、以心伝心?妬けるね。」
一歩僕の方へ近づく神楽様につい本能で僕も一歩下がる。そんな僕を見て気をよくしたように笑う。そして何を思ったのか僕の白い髪を一房とって口づけた。
途端、蓮様が神楽様の顔を殴ろうとする、が神楽様はさっと身を引いたため蓮様の右手は神楽様の左手を掠るだけに終わった。
それを見た瀬川さんの顔はドン引きの一言に限る。たぶんそれはいきなり気障な真似をした御曹司に対してで、問答無用で殴り掛かるその弟に対してでもある思う。
きっとイケメンにこんなことをされた世間一般の女性の反応で相応しいのは顔を赤くするだとか呆然とするだとかなのだろうが、生憎そんな乙女な思考なんて僕は持ち合わせていないし、口づけられた髪はウィッグなのでなんとも。顔には出さないが思いは大体瀬川さんと同じだ。ドン引き。
「何してんだクソ兄貴。」
「男の嫉妬は醜いものだよ?にしても涼ちゃんは今日ウィッグつけてるんだね。まあ理由は大方そこにいるもやしなんだろうけど……。また今度は赤い髪の方を見てみたいよ。」
キレる蓮様。完璧に表情がそぎ落とされた顔。彼のする一番怖い顔だ。それを神楽様は心底楽しそうに眺める。というより今度ってなんですか、今度って。次はきっとありません。
「にしても本当に可愛いね。君みたいな華奢な女の子がお側付をしてるなんて信じられないよ。」
そう言って僕の顔に触れようとするが蓮様がそれを許さない。伸ばされた神楽様の右手を蓮様が速攻で叩き落とす。べしっとかそんな可愛いもんじゃない。バチンッという音を立てて蓮様の手が神楽様の手へ振り下ろされ、思わず顔を顰めた。神楽様の自業自得なのだが、あれは本当に痛そうだ。神楽様の白い手の甲が赤く染まる。
「ッチ、痛いな……。こんなに可愛いのに普段は男装してるなんてもったいない。」
今少し本性でたな。舌打ちしたよこの人。
「御褒めに預かり光栄ですが、僕の意思で男装をさせてもらってるので。」
「ああ、そうやって蓮が気にしないようにしてあげてるんだ。主思いだね。」
ニコニコしながらもあり得ない勢いで僕の神経を逆なでする神楽様。黙らせたいが肉体的言語に走ると何かと不味いので堪える。今きっと僕の額には青筋が浮いていることだろう。
隠しきれない僕の嫌悪感を感じ取ってか神楽様はまた楽しそうにクスクスと笑う。
すると突然神楽様の雰囲気が変わる。変わると言っても豹変という程じゃない。相変わらずニコニコしてるし見た目だけは柔和である。だが改めて浮かべられた笑顔になぜかゾワリと鳥肌がたった。それはさっき遠くから待ってて、と唇だけで伝えられたときと同じ類のモノだった。きっと彼は、ろくでもない、
「涼ちゃんが蓮のお側付けなんて、役不足もいいところだね。こいつにこの子なんてもったいない。」
「俺、涼ちゃん欲しいなぁ。」
閑散とした廊下の温度が軽く三度は下がった。
「いえ、特に何も言ってませんよ、神楽サン……。」
可哀そうになるくらいの顔色で対応する瀬川さんを見る。もっとも火の粉がこちらに飛んできては敵わないので助け舟を出す予定はない。
恐ろしいくらい完璧な笑顔を浮かべた神楽様の後ろから蓮様が顔を出す。殺伐とした二人を横目に蓮様のところへ移動する。
「涼!何でこんなとこに?」
「いろいろ考えた末にこの廊下がベストだと判断してここで待機させていただきました。蓮様、本意ではないとはいえ、側を離れてしまい申し訳ございません。こちらにも足止めが来ていまして……。」
「足止めって……。」
今気づいたかのように神楽様と瀬川さんを視界に入れると小さくうわぁ、と呟いた。
「リアル蛇に睨まれた蛙……。」
「まさにですね。……可哀そうですが、僕たちにできることはなさそうです。」
暗に助けることは放棄すると伝える。え、助けを求めるような視線?しらない。
身長は神楽様の方が低いはずなのに威圧感のせいか、瀬川さんが小さく見えてくる。
「それで、神楽様に何か言われたりしましたか?大丈夫でしたか?」
二人を視界から外し、蓮様に向き合う。今日はこのためだけについてきたのに、これじゃあ何の意味もない。未だかつてないほどの役立たずだ。こっちの廊下で話を聞いてはいたが、途中からあまり耳に届かなくなってしまったし、一字一句逃さず話を聞くことができた訳ではない。取り乱したような様子もないため大丈夫そうではあるが。
「ん、大丈夫だ。別に、なんというか、な。思ったほど何かあったわけじゃない。ただウザいし気に食わないし腹立つしムカつくけど、それだけだな。」
本当に何でもなさそうに言う蓮様に胸を下ろす。
「そう、ですか……。」
「ああ、今まであんな気にしてたことが馬鹿らしいくらいにな。」
そう言ってカラりと笑う蓮様に、思わず抱きつき片手でわしゃわしゃと頭を撫でまわす。
「はっ!?ちょ、なん、涼!?」
「…………。」
無言でふわふわな癖っ毛を掻き撫でる。
ついこの間、といっても何年も前だが、兄である神楽様に怯え、劣等感に身を焼かれ、トラウマのごとく苦手に思っていたのに、こうして二人っきりで話すことができて、きちんと向き合って折り合いをつけることができて、
「お母さんは嬉しいです……。」
「へ?何て言った?」
抱きついていても蓮様には聞き取ることができないくらいの声で呟く。いや、本当。息子が自立した時ってきっとこんな感じなんだろうな、とか思うも、きっと本人に言ったら苦い顔をされるに違いないので呟きにとどめておく。
「いえ、何もなかったなら、良かったですー……。」
嬉しくてヘラりと笑いかけると、蓮様は何故かハッとしたように焦りだした。
「りょ、涼、近い!いや、近くても良いんだけど、今はちょっと離れろ!」
わたわたとしているがそれに気づかないふりをして頭を撫で続ける。癒される、さっきまで考えてたことなんか忘れよう。頭の隅に居座っていた数年前の決意の理由を追い出した。
「……随分と仲がいいんだね。」
後ろから耳に優しいテノールの声を掛けられる。
名残惜しくも、蓮様の首に回していた腕を解きニコニコとしている神楽様に向き合う。本当のところ対面した時点であいさつをしないのは非常に失礼なのだが、すでに遅いのでもう気にしないことにしておく。
蓮様に向けていた笑顔をしまい、営業用の笑顔をスムーズにつける。今日一日で絶対作り笑顔スキルが上がった。
「御見苦しいところをお見せいたしました。挨拶が遅れて申し訳ございません、神楽様。私は蓮様のお側付の赤霧涼と申します。以後お見知りおきください。」
今日一日出していた天然な子の態度は忘れ、いつも通りの模範的挨拶をする。
「そ、涼ちゃん。俺は知ってると思うけどそこにいるもやしっ子の兄の白樺神楽。君のことは父さんから聞いてるよ。よろしくね。」
爽やかなのに、爽やかに聞こえるのにしれっと弟の悪口混ぜ込んできたよこの人。これは蓮様としてはどうなんだろう、と思い蓮様に視線を投げると彼も視線の意味に気付いたらしく遠い目をしていった。
「こいつはもうこういう生き物なんだって認識したほうがいい。いちいち気にしていたらきりがない。」
……今日のこの十分にも満たない時間で蓮様は何を悟ったのだろうか。
「随分な言いようだね、蓮。お兄ちゃん悲しいよ。」
「くたばれ。」
「…………。」
ふざけたように蓮様をからかう神楽様に間髪入れず毒を吐く。猫全く被る気ないなこの子。今まで見てきた蓮様は仮の姿だったのでしょうか……。流石に聞かなかったことにできるレベルでもないのでせめてと目を逸らしておく。逸らしたさきでは瀬川さんが僕らを楽しそうににやにやと眺めていた。さっきまで蛙だったくせに。
「ははは、口が悪いなぁ。ほら、隣の可愛い可愛い涼ちゃんが引いてるよ?」
「っ!!」
弾かれたかのように僕の方を見ておろおろする蓮様。いやはや、もういろいろと手遅れですよ。ただまあ特にそれでも気にしないという気持ちを込めて少し高い位置にある白い頭を撫でるとホッとしたように少し口元を緩めた。
しかし神楽様は逆に面白くなさそうに口の端をゆがめて笑った。
「へぇ、以心伝心?妬けるね。」
一歩僕の方へ近づく神楽様につい本能で僕も一歩下がる。そんな僕を見て気をよくしたように笑う。そして何を思ったのか僕の白い髪を一房とって口づけた。
途端、蓮様が神楽様の顔を殴ろうとする、が神楽様はさっと身を引いたため蓮様の右手は神楽様の左手を掠るだけに終わった。
それを見た瀬川さんの顔はドン引きの一言に限る。たぶんそれはいきなり気障な真似をした御曹司に対してで、問答無用で殴り掛かるその弟に対してでもある思う。
きっとイケメンにこんなことをされた世間一般の女性の反応で相応しいのは顔を赤くするだとか呆然とするだとかなのだろうが、生憎そんな乙女な思考なんて僕は持ち合わせていないし、口づけられた髪はウィッグなのでなんとも。顔には出さないが思いは大体瀬川さんと同じだ。ドン引き。
「何してんだクソ兄貴。」
「男の嫉妬は醜いものだよ?にしても涼ちゃんは今日ウィッグつけてるんだね。まあ理由は大方そこにいるもやしなんだろうけど……。また今度は赤い髪の方を見てみたいよ。」
キレる蓮様。完璧に表情がそぎ落とされた顔。彼のする一番怖い顔だ。それを神楽様は心底楽しそうに眺める。というより今度ってなんですか、今度って。次はきっとありません。
「にしても本当に可愛いね。君みたいな華奢な女の子がお側付をしてるなんて信じられないよ。」
そう言って僕の顔に触れようとするが蓮様がそれを許さない。伸ばされた神楽様の右手を蓮様が速攻で叩き落とす。べしっとかそんな可愛いもんじゃない。バチンッという音を立てて蓮様の手が神楽様の手へ振り下ろされ、思わず顔を顰めた。神楽様の自業自得なのだが、あれは本当に痛そうだ。神楽様の白い手の甲が赤く染まる。
「ッチ、痛いな……。こんなに可愛いのに普段は男装してるなんてもったいない。」
今少し本性でたな。舌打ちしたよこの人。
「御褒めに預かり光栄ですが、僕の意思で男装をさせてもらってるので。」
「ああ、そうやって蓮が気にしないようにしてあげてるんだ。主思いだね。」
ニコニコしながらもあり得ない勢いで僕の神経を逆なでする神楽様。黙らせたいが肉体的言語に走ると何かと不味いので堪える。今きっと僕の額には青筋が浮いていることだろう。
隠しきれない僕の嫌悪感を感じ取ってか神楽様はまた楽しそうにクスクスと笑う。
すると突然神楽様の雰囲気が変わる。変わると言っても豹変という程じゃない。相変わらずニコニコしてるし見た目だけは柔和である。だが改めて浮かべられた笑顔になぜかゾワリと鳥肌がたった。それはさっき遠くから待ってて、と唇だけで伝えられたときと同じ類のモノだった。きっと彼は、ろくでもない、
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