担任教師と温泉旅行

麻婆

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獣、進撃

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「はあっ、はあっ、はあっ」

 しばらくの間、部屋の中は二人の荒い息遣いだけが響いていた。

 力尽きて座卓に突っ伏した渚の上に、これまた力尽きた耕平が押しつぶすように重なっている。

「せ、先生、大丈夫……?」

「……ダメ……動けない……」

 まだ息が整わない渚は座卓の冷たさを利用して顔の火照りを冷ましていた。

「燃えちゃったね」

「…こんなの、初めて……」

 気だるげな声と表情がえもいわれぬ色気を醸し出す。それがまた耕平の劣情を刺激してしまう。

 薄く汗の滲んだうなじに口づける。

「は……」

 甘い吐息。

 続けて舌を這わせると、渚はもぞもぞと身をよじった。

 その動きが、未だ蜜壺に納まったままだったぺニスを刺激した。

 一瞬で体積を増し、硬度マックスに復活した。

「ひうっ!?」

 不意討ちに渚の身体は、びくん、と跳ねた。

「先生……」

 身を起こした耕平は、目の前にあったブラジャーのホックを外した。

 これで渚は全裸だ。

「…また、しちゃうの?」

「ダメ?」

「…ダメ、じゃないけど…こわれちゃいそう……」

「今度は激しくしないから。あまりにも早く終わっちゃったから、なんか悔しくて…」

 本気で悔しそうな耕平の表情に、渚はほだされてしまう。

「しょうがないなぁ。でも、ホントに激しくしないでね」

「ありがとう、先生」

 名残惜しそうにしながらも一旦渚の中から抜いた耕平は、手早く座布団を敷き、その上に渚を横たえた。

「きれいだ…」

 もう何度も見た裸ではあるが、この感想だけは不変だ。母性の象徴たる乳房は、仰向けになっても形を崩すことなく目を惹き付ける。乳房からウエストのくびれを経て豊かなお尻へ続くラインは芸術的と評しても差し支えないレベルだ。

 渚は潤んだ目で耕平を見つめている。その両足がゆっくりと開かれる。

「来て」

 頷いて、なるべく体重をかけないように気をつけながら、身体を重ねていく。

 胸と胸が密着すると、お互いに幸福感に包まれる。

 ほころんだ表情に惹かれ合うように顔が近づき、唇が重なる。先程までの貪り合うようなキスではなく、互いの唇をついばむようなキスを繰り返す。

「先生、愛してる」

 その言葉は無意識の内に口から出ていた。

 言われた渚はもちろん、言った耕平もびっくりして、二人してフリーズしてしまう。

 再起動は渚の方が早かった。

 下から手を伸ばし、耕平の身体をぎゅっと抱きしめる。

「嬉しい……」

 涙混じりの声が耕平の呪縛を解いた。

「ごめん、唐突で。でも俺本気だから」

「嬉しいけど、いいの、そんなこと言っちゃって?早まったって後悔するかもよ?」

「するわけないだろ!」

 力んだ拍子に、既に入口付近でスタンバイ状態だった耕平の欲棒が、つるん、と悦裂に呑み込まれてしまった。

「ああんっ!」
「うっ」

 意図せぬタイミングの結合でも女陰は愛しい訪問者を大歓迎した。

「……」

「……」

 しばし見つめ合う二人。なんともコメントしづらい状況に陥ってしまった。

 ここで何を思ったのか、耕平が蜜膣に包まれた相棒を脈動させた。

「はんっ!?」

 反射的に声をあげる渚。そして、蜜壺も反射的に愛棒を締め付けた。

「うっ」

 思わず渚は吹き出した。

「もう、何をやってるのよ」 

「ごめん、しまらなくて。でも、心変わりなんて絶対しないから」

 耕平はこれ以上ないくらい真剣な目で渚を見た。

 渚は口元をほころばせた。

「あたしこそごめんね。ここは素直に喜ぶところだよね」

 渚は両腕を耕平の首に回した。抱き寄せて、自分から唇を重ねた。

「あたしも、愛してるよ、耕平くん」

「へへっ」

 耕平は照れくさそうに笑った。

「わかってはいたんだけど、こうやって改めて言葉にすると、両想いって嬉しいな」

 そんなことを言う耕平がたまらなく愛しくなって、渚は耕平を抱く腕に力をこめた。

 しばし幸福感に満たされていた二人だったが、それでは収まりがつかないところがあった。

「…先生、動いても、いい……?」

 面目なさそうな耕平に、渚はとびっきりの笑顔で答えた。

「いっぱい愛してね」

 惚れた女にそんなことを言われたら、どれだけ疲れていたとしても一瞬で漲ってしまうのが男という生き物である。ましてや耕平は既に漲っている状態である。エネルギー充填率が120パーセントに達した欲棒はありえないレベルアップを果たした。

「ひゃあんっ!」

 まさかの大膨張の直撃を受けた渚は思わず裏返った悲鳴をあげた。

「たまんないよ、先生!」

 昂りきった耕平は、のっけからトップギアで渚を責め立てた。

「あっ……やっ…あ、ああっ……あっ、あっ……」

 嵐に翻弄される小舟のようになってしまった渚は、必死に耕平にしがみついた。

「先生、先生っ」

 うわ言のように言いながら、ひたすらに渚の膣奥を穿つ。

「ああっ、すごいの……奥まで来ちゃってる……ダメになっちゃう……」

「わかるよ。先生の中、絡みついてくる。うねうねってしながら締めつけてくるんだ。すげえいやらしい動きだよ」

「そんなこと言わないで。あたしが動かしてるんじゃないの。勝手に動いちゃうのよお」

「じゃあ先生の身体がいやらしいってことだね」

「ごめんなさい、いやらしくてごめんなさい」

 ここまで惑乱している渚を見るのは初めてだった。耕平は、腰の動きを止めて、渚の顔をまじまじと見つめた。

「先生、どうしたの?」

「自分でもわかんないの。なんでこんなにめちゃくちゃに気持ちいいのか……あたし、
おかしくなっちゃったのかな……?」

 今にも泣き出しそうな顔を向けられて耕平はほんの束の間戸惑った。が、すぐに納得できそうな答えを見つけだした。

(俺も今日はちょっとおかしいしな…多分そういうことなんだろうな)

 苦笑して、耕平は優しい手つきで渚の髪を撫でた。

「耕平くん……?」

「ごめん、先生」

 その謝罪を聞いた瞬間、渚の顔からさっと血の気が引いた。

「やだ、やだよ!」

「へ?」

「いやらしいのが嫌なら直すから、声がうるさいのが嫌なら我慢するから、だから嫌いにならないで」

 渚の必死さは、身体の動きにも現れていた。手も足も耕平の身体に絡めてしがみつく。そしてこちらは無意識っぽかったが、膣穴もぎゅっと締め付けてくる。

「違うから。ちょっと待って、先生。落ち着いて」

 言葉だけでは落ち着かないだろうと軽く唇をついばむと、ようやく渚のパニックは治まった。

「俺がごめんって言ったのは、俺が生徒でごめんってこと。別に別れ話の前ふりってわけじゃないから」

「…どういうこと……?」

「おかしくなっちゃったって言ってたでしょ。俺も同じなんだ。恥ずかしながらずっと勃ちっぱなしでさ…どうしちまったのかと思ったんだけど、多分あれだね、開放感だね」

「開放感?」

「ほら、俺達って、地元じゃ人目を憚るわけじゃん?今までわかってなかったけど、二人きりになってエッチしてても気持ちを開放しきれてなかったんじゃないかな、と思うんだ」

 一度言葉を切って、耕平は渚の様子を確かめた。きょとんとした顔をしているが、ちゃんと聞いてはいるようだ。

「今日はもう完全に人目を気にする必要がないでしょ。だからその分感じ方が深くなったんじゃないかと思うんだ」

「そうなのかな……?」

「だとするとさ、俺が生徒であることで普段先生に我慢させてるんだなってことがわかったから、ごめんって言ったんだ」

「でも、それはーー」

「わかってる」

 耕平は渚の唇に指を当てて言葉を遮った。

「卑屈になってるわけじゃないから。事実は事実として捉えてるだけだから。その上で、もうしばらく迷惑かけるけど、よろしくってことで」

「…耕平くんって、時々すごく大人に感じる時があるのよね……」

 渚は複雑な表情を見せた。

「早く先生に追いつきたいんだ」

「そんなに焦ることはないんじゃないかな。それに、こっちの方はとっくにリードされてるし」

 意味ありげに渚は二人の結合部に目をやった。色気のない話をしていたにも関わらず、勃起は微塵も緩むことなく渚の中で偉容を保っている。

「そう言ってもらえるのは嬉しいかも」

 屈託のない笑顔で耕平は言った。

「じゃあ今日は何憚ることなく、とことん楽しもうね」

 そう来たか、と渚は微苦笑した。カッコつけたようなことを言っても最終的にはそこか、と。

 渚にも異存はなかったのだが、今日の耕平の突き抜けっぷりを思うと、素直に頷くことにやや抵抗があった。

「そうそう、大事なことを言ってなかった」

「何?」

「エッチな先生、大好き。ついでに、声を出してくれるのも、先生が俺で悦んでくれてるってのがわかるから、すごく嬉しい」

 からかうような言葉に、渚は先程の痴態を思い出して赤面した。

「…意地悪……」

「これからもっとだよ」

 言って、耕平は腰の動きを再開した。

「お願いだから激しくしないでね」

「うん」

 ひたすら突きまくるのではなく、魅惑の源泉である乳房への愛撫を織り交ぜながら、耕平は渚の性感を発掘していく。

「ああ……」

 心地よさげな吐息を聞くと、もっと渚を悦ばせたいと気合が入る。

 下乳をさするようにな愛撫が渚の好みにマッチするようで、そうされる度に渚は気持ち良さそうに深い息をついた。

「はあっ……」

 耕平の方も、掌に吸い付くような極上の乳肌の触り心地に夢中になった。

「ああ…耕平くん、上手よ……素敵……」

 うっとりと陶酔した声が耕平に大事なことを教える。渚の性感帯、好みの力加減等は女体の反応から学ぶことができた。これまでの経験で何となくわかってはいたのだが、今日は渚の反応がストレートでわかりやすかったのだ。

「うあ、先生のおっぱい、最高……」

 可愛らしいピンクの頂にそっと口をつけた。

「はああああああーー」

 艶を帯びた甘声が長く尾を引く。

「耕平くん、気持ちいいよぉ」

「俺も。入れてるだけなのに出ちゃいそうだ」

「動いてもいいよ。耕平くんも気持ち良くなって」

「じゃあお言葉に甘えて」

 耕平は律動を再開した。渚をいたわって激しくはせず、ゆったりした動きを繰り返す。

 それでも、奥まで届いているおかげで渚には十分な快感が与えられた。というより、これくらいのペースは、渚のストライクゾーンのど真ん中だった。

「あっ…ああっ…んっ……」

「うっ、うあ…いい…いい」

 耕平もぼちぼち限界が近づいて来ていた。

「ああっ、もう出そうだ」

「いいよ、イッていいよ」

 むしろイッて欲しい。渚の方もこれ以上は無理だった。

 フィニッシュを意識したことで、二人の性感は急速に高まった。動きをシンクロさせて高みへ昇りつめていく。

「あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ……」

「…うううーーっ……」

「ふむうんっ!」

 ぶつけあうように唇を重ねる。

 上でも下でも繋がった二人は互いに融け合うような一体感を味わいながらラストスパートに入る。

 ぱん、ぱん、ぱん、と肉同士のぶつかる音がリズミカルに響く。そこに混ざる嬌声も明らかにトーンが変わって、切羽詰まったものになってきた。

「ああっ、もう……もう…い、イキそう……」

「ぐっ……先生、ごめん。少しだけ激しくするよ」

「いいよ、突いて!いっぱい突いて!!」

 おとがいを反らして渚は喘ぐ。

 興奮で息を荒くしながら耕平は全力の抜挿を繰り出す。

「あっ……ああんっ…いい、いいのっ、耕平くん…耕平っ!」

 絶叫と共に膣穴が一際激しく収縮した。

「くっ、イクっ!」

 一声吠えて、耕平は我慢に我慢を重ねたありったけを渚の中に解き放った。

「ああっ、熱い!すごいのがきてるっ」

 胎内を灼かれるような錯覚を覚えながら、渚は意識を手放した。
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