【完結】【真実の愛を見つけた!貴様との婚約を破棄する!】と宣言した王太子が、翌日【側室になって仕事だけしてくれ!】と言いに来た

まほりろ

文字の大きさ
13 / 18

13話「目覚めたら体中イボだらけだった」王太子視点

しおりを挟む


――王太子視点――


酷い痒みに襲われ目を覚ます。

見ると腕にも手にも赤いイボができていた。おそらく服の下、全身に謎のイボができている。体中が痒くて痒くてたまらない。

「くそっ! ノミでもいるのか? だからこんな汚い塔に来たくなかったんだ! それもこれもあの女が仕事をしないから……!」

傷物の行き遅れの女を王太子である僕の側室として迎えてやったというのに! 仕事をサボりやがって!

エルフリーナ・アーレントは僕が五歳のときに親が勝手に決めた婚約者だ。

ぱっとしない見た目、なんの面白みもなく、話も合わない、頭の良さと家柄しか取り柄がない、地味な女。

僕はもっと可愛くて、話が合って、一人では何も出来ないような無垢で可憐な少女と婚約したかった。

だから自分の理想とは真逆のタイプのエルフリーナが婚約者に選ばれたとき、酷くがっかりした。

月に一度のお茶会をすっぽかし、パーティーにも誕生日にも贈り物をせず、エスコートもしなかった。

父上と母上が「王室の金でエルフリーナを教育したんだ、エルフリーナの頭脳は王室のものだ、存分に王室のためにこき使え」と言うので、王太子の仕事を押し付け、学園に入ってからは生徒会の仕事を押し付けた。

エルフリーナは何も言わず王太子の仕事と生徒会の仕事を黙々とこなしていた。

僕は学園でハンナ・ノークトという運命の人に出会った。見目良く華やかな顔、愛らしい仕草、話し方も可愛く、話や趣味も合った。

ハンナにプロポーズしたらオーケーを貰えた。

ハンナからエルフリーナなの非道な行いを聞いていたので、卒業パーティーで断罪し、婚約破棄し、国外追放にしてやった。

清楚で可憐なハンナを陰でいじめていたなんて最低だ!

エルフリーナは何も言わず会場をあとにした。本当のことだから反論出来なかったに違いない。

あとは父上と母上にハンナとの結婚の許可をもらうだけだ。

父上と母上にハンナと結婚するためにエルフリーナと婚約破棄したと伝えたら激怒された。

優しい父上と母上が怒るところを初めて見た。

「エルフリーナの教育にいくらかかったと思っているんだ! たった八年仕事をさせただけでは元が取れんぞ!」

父上は頭から湯気を出して怒っていた。

父上と母上は男爵令嬢のハンナでは王室の仕事をこなせないという。父上はハンナの受け答えを聞いて「教育するだけ時間の無駄だ」と言い放った。

ハンナだって貴族の令嬢なんだ、教育すればエルフリーナごときすぐに超えられるさ。時間はかかるかもしれないけど……。

ハンナに簡単なテストをさせたら隣国の国名をかけなかったのには驚いたけど、それでもゆっくり勉強すりばいつかはどうにかなったはずだ。

父上と母上が眉間にしわを寄せ深く息を吐き、「どうしてもノークト嬢と結婚したいなら、エルフリーナを側室にしろ。方法は任せる、土下座するでも、アーレント公爵を買収して拉致して来るでもかまわん」と言われた。

僕は二つ返事で頷いた。

婚約破棄されて傷物になったエルフリーナを王太子である僕の側室にしてやるんだ、あんな地味な女他に貰ってくれる奴なんかいるもんか。

翌日アーレント公爵家に行き僕の考えを話すと、アーレント公爵とアーレント公爵夫人は二つ返事で了承してくれた。

アーレント公爵家にはあとで「結婚の支度金」という名目で金を支払えばいいだろう。

エルフリーナは生意気にも抵抗したので、護衛の近衛兵に縛らせ無理やり馬車に乗せた。

僕は王太子だぞ! ハンナをいじめていたような根性の悪い令嬢を、嫁に貰ってやると言ってるのだから泣いて感謝しろよ!

エルフリーナを連れて来たので、父上と母上はハンナとの結婚を認めてくれた。

僕は一カ月後に控えたハンナとの結婚式の準備に追われ、そのあとの一カ月はハンナとのハネムーンで王城を開けていた。

ハンナは妊娠中なので王都の近くにある湖畔の別荘にしか行けなかったが、別荘で新婚気分を存分に味わった。遠くに行けなかった代わりにハンナの好きなものを何でも買ってやった。

子供が生まれたらちゃんとしたハネムーンに行こう。世界一周旅行もいいかもしれない。

子供の世話など乳母に任せておけばいい、僕はハンナとの時間をもっと楽しみたい。

ハネムーンから帰ってきた僕に突きつけられたのは、文官からの苦情と、父上と母上からのお小言だった。

エルフリーナが仕事に手を付けず怠けていたらしい。

エルフリーナは今まで一度も仕事をサボったことがないから油断していた。まさかニカ月間も仕事をサボっていたとは……!

新婚旅行で幸せになった気分が台無しだ! 父上と母上のお小言をくらいハンナも機嫌を損ねてしまった!

エルフリーナめ! 傷物のお前を王太子あるこの僕の側室にしてやったのにこの仕打ち!

お前が仕事をサボるから怒られなくてもいいのに怒られたじゃないか!

お前は頭の良さと勤勉さしか取り柄がないんだから、仕事ぐらいちゃんとやれよ! 

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

その言葉、今さらですか?あなたが落ちぶれても、もう助けてあげる理由はありません

有賀冬馬
恋愛
「君は、地味すぎるんだ」――そう言って、辺境伯子息の婚約者はわたしを捨てた。 彼が選んだのは、華やかで社交界の華と謳われる侯爵令嬢。 絶望の淵にいたわたしは、道で倒れていた旅人を助ける。 彼の正体は、なんと隣国の皇帝だった。 「君の優しさに心を奪われた」優しく微笑む彼に求婚され、わたしは皇妃として新たな人生を歩み始める。 一方、元婚約者は選んだ姫に裏切られ、すべてを失う。 助けを乞う彼に、わたしは冷たく言い放つ。 「あなたを助ける義理はありません」。

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

私を捨てた婚約者へ――あなたのおかげで幸せです

有賀冬馬
恋愛
「役立たずは消えろ」 理不尽な理由で婚約を破棄された伯爵令嬢アンナ。 涙の底で彼女を救ったのは、かつて密かに想いを寄せてくれた完璧すぎる男性―― 名門貴族、セシル・グラスフィット。 美しさ、強さ、優しさ、すべてを兼ね備えた彼に愛され、 アンナはようやく本当の幸せを手に入れる。 そんな中、落ちぶれた元婚約者が復縁を迫ってくるけれど―― 心優しき令嬢が報われ、誰よりも愛される、ざまぁ&スカッと恋愛ファンタジー

何も決めなかった王国は、静かに席を失う』

ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、 表には立たず、裏で国を支えてきた公爵令嬢ネフェリア。 だが―― 彼女が追い出されたのは、嫉妬でも陰謀でもなかった。 ただ一つ、「決める役割」を、国が彼女一人に押しつけていたからだ。 婚約破棄の後、ネフェリアを失った王国は変わろうとする。 制度を整え、会議を重ね、慎重に、正しく―― けれどその“正しさ”は、何一つ決断を生まなかった。 一方、帝国は違った。 完璧ではなくとも、期限内に返事をする。 責任を分け、判断を止めない。 その差は、やがて「呼ばれない会議」「残らない席」「知らされない決定」となって現れる。 王国は滅びない。 だが、何も決めない国は、静かに舞台の外へ追いやられていく。 ――そして迎える、最後の選択。 これは、 剣も魔法も振るわない“静かなざまぁ”。 何も決めなかった過去に、国そのものが向き合う物語。

縁の切れ目が金の切れ目です!

あんど もあ
ファンタジー
「みすぼらしいお前とは婚約破棄だ!」 「じゃあ、貸してたお金を返してくださいね」 質素倹約がモットーのアナベルは、浪費家の婚約者に婚約破棄されてしまう。だがそれは想定内で……。

婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!

みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。 幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、 いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。 そして――年末の舞踏会の夜。 「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」 エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、 王国の均衡は揺らぎ始める。 誇りを捨てず、誠実を貫く娘。 政の闇に挑む父。 陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。 そして――再び立ち上がる若き王女。 ――沈黙は逃げではなく、力の証。 公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。 ――荘厳で静謐な政略ロマンス。 (本作品は小説家になろうにも掲載中です)

処理中です...