【完結】【真実の愛を見つけた!貴様との婚約を破棄する!】と宣言した王太子が、翌日【側室になって仕事だけしてくれ!】と言いに来た

まほりろ

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16話「ハンナ・ノークト! 貴様ぁぁぁぁ!!」王太子視点

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――王太子視点(三人称)――


城に戻るため庭を歩いていると、噴水の前で水浴びをしている者がいた。

「この非常時に呑気に水浴びをしているアホがいるとはな!」

王太子は腕や腹をボリボリとかきながら言った。強くかきずぎてイボからは血が流れていた。

エルフリーナが逃げたということは現状王太子とエルフリーナの見張りをしていた兵士しかしらない。

兵士は陰部の激しい痒みに襲われ、それとろこではない。実質非常事態だと気づいているのは王太子だけである。

噴水に近づいた王太子は眉根を寄せた。

「ぎゃぁぁああ! 痛いっ!! なんでよなんでか薬を付けてるのに痛いのよ!」

「どけ! この噴水は俺のものだ!ぴきゃぁああああ!」

ハンナとビクトルの二人はエルフリーナに混乱と幻覚の魔法をかけられていた。噴水の水を薬と思い込み、体にかけていた。実際は水をかけると余計に痛みが増すのに、二人はそのことに気づかず一心不乱に自身の体に水をかけていた。

二人の近くにタオルを持ったメイドがオロオロしながら待機している。

王太子は噴水で全裸で水浴びしていたのが、王太子妃ハンナと王太子の側近のビクトル・レイザーだと分かり絶句した。

「ハンナ! ビクトル! 貴様らどういうつもりだ!!」

自分の妻と側近が全裸で水浴びしている、不明行為をしたこと明白、しかも公衆の面前で水浴びしているということは隠す気もない、その事実に王太子は激怒した。

「特にハンナ! 貴様は王太子妃だろう! 人前で全裸になり僕の側近と戯れるなど……! 貴様には羞恥心というものがないのか! この恥知らず!!」

王太子が怒鳴るが二人の耳には届かない。

「おい聞いているのか!!」

王太子は顔を真っ赤にして二人を怒鳴りつけた。

「これは私の薬よ! 誰にも渡さないわ!!」

「それはこっちのセリフだ!!」

全身漆でかぶれたようやな真っ赤な肌をした二人が、罵り合いながり自身に水をかけている。周りの声は耳に入っていないようだ。

「おい! 何があった? こいつらはいつからこうしている?」

「ひぃっ……! あっ、王太子殿下でしたか……! それがその……」

メイドは目の前にクレーターがたくさんあるブサイクや顔の男が現れ、思わず息を呑む。しかしすぐに服装から王太子だと気づき頭を下げた。

「いいから話せ!」

王太子はエルフリーナが逃げ出しイライラしていたし、早く探しに行きたかった。だが庭で全裸で水浴びする王太子妃を放ってはおけなかった。

「王太子妃殿下は、そちらの子爵令息のビクトル様と王太子妃殿下の自室から全裸で出て参りました。お二人は庭に走って行かれ、突然噴水に飛び込んだのです。この世のものとは思えない悲鳴を上げ悶絶していたのですが、それでも噴水から離れようとせず、水をかけては苦しみ、また水をかけては苦しむという行為を繰り返しておられます」

メイドの言葉を聞き王太子は唖然とした。

目の前で起きたことを見せつけられなければ、にわかにわ信じられないことだった。

「今なんて言った? 王太子妃の私室からハンナとビクトルが一緒に出てきただと? それも全裸で!」

「ひぃっっ!」

王太子に睨まれメイドは悲鳴を上げた。

「答えろ!」

「さ、左様にございます! 確かにお二人は全裸で王太子妃殿下の私室から出て参りました……!」

王太子に凄まれ、ビクつきながらもメイドは答えた。

王太子妃の私室から王太子妃と王太子の側近が全裸で出てきた理由など一つしか考えられない。

王太子妃が王太子の側近と不義を働いていた。

王太子は事実を突きつけられ愕然とした。

全裸で出てきた二人が噴水を目指し全力疾走し、痛がりながら水浴びしている理由は謎だが、妻に不貞を働かれ、信頼していた側近に裏切られ、頭に血が上っていた王太子にはそんなことどうでも良かった!

「ハンナ貴様ぁぁぁぁ!! 男爵令嬢だったき様を王太子の正妃にしてやったと言うのに恩を仇で返しやがって!! このあばずれがぁぁぁぁあああ!!」

王太子は王太子妃の髪を乱暴に掴むと、噴水の縁に思い切りぶつけた。

額から血を流す王太子妃の頭を、王太子は何度も何度も噴水に打ち付けた。

「この痴女!! 淫乱!! 売女ぁぁああ!!」

王太子妃がぐったりとして動かなくなっても、王太子は何度も何度も何度も……王太子妃の頭を噴水の縁に打ち付けた。

バシャと音がし、王太子が目を向けるとビクトルが自身にかけた水が跳ね王太子と王太子妃にかかった。

「ギャハハハハハハ!」

ビクトルは虚ろな目で自身に水をかけ続けていた。

エルフリーナが王太子妃のハンナと子爵令息のビクトルにかけた【混乱フェアヴィレン】と【幻覚ハルツィナツィオーン】の魔法はずっと効き続けていた。

「貴様もだ! ビクトル! 子爵令息ごときの貴様を側近にしてやったというのに裏切りやがって!!」

王太子は王太子妃の頭から手を離す、血まみれの王太子妃の体は地面に落ちた。王太子妃はすでに息をしていなかった。

王太子ら剣を抜き、

「ゲスがぁぁああ! 死んで詫びろ!!」

ビクトルの右肩から左脇腹にかけて大きく斬った。

ビクトルはバシャーーンと音を立て噴水に落ちた。

噴水は一瞬にして血に染まり、一部始終を見ていたメイドが悲鳴を上げた。


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