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4話「魔法の師匠は同い年の少年」
しおりを挟む「風!」
手を体の前に突き出し唱えるが、何も起こらない。
「もう一回」
「風!」
やはり何も起こらない。
「もう一回」
「風!」
やっぱり何も起きない。
リュートがはぁーーーーと長く息を吐いた。
あっリュートというのはぼくを助けてくれた少年の名前。
あの後、めちゃくちゃ頼み込んで、すがりついて、泣きわめいて、なんとか弟子にしてもらった。
といっても暴風の魔法を習得するまでだけど。
今は風魔法の初歩の風を教えてもらってる。
名前は「師弟の関係になるんだから名前を教えて!」と何度も頭を下げて教えてもらった。
「名前はリュート、年は十八歳……でいいと思う、多分」
これがリュートの自己紹介。素っ気ないあいさつだけど名前を教えてもらえてうれしかった。
でも多分十八歳ってどういう意味かな? リュート自身が自分の年が分からないなんてあるのかな?
「神子は精霊の加護を受けあらゆる魔法を使いこなすって文献に書いてあったのに……文献もあてにならないな」
リュートがぼそりと呟いた。
「えっじゃあ神子がみんなに共有されたっていうのも……」
「あれは間違いない。どの本にも書いてあるし、伝説にも残ってる。国によっては神子を保護したらみんなで共有するという法律まである」
そんな絶望的な情報を冷然と話さなくていいよ。聞いたのはぼくだけどさ。
神子を保護したらみんなでシェアする法律がある国まであるんだ。そんな国には絶対に行きたくない!
「無駄口はたたかなくていいから、あと一万回風を唱えて」
リュートは涼やかな顔でさらっと厳しい事を言う。
そんなリュートの厳しさに、ぼくの心臓の鼓動が高まる。
「はい」
ぼくは手を前にかざし、風の呪文を唱えた。
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