【BL】完結「異世界に転移したら溺愛された。自分の事を唯一嫌っている人を好きになってしまったぼく」

まほりろ

文字の大きさ
14 / 33

13話「虹《レーゲンボーゲン》の国の七色王子」

しおりを挟む



いまぼくはこの世界に来て、一番豪華な部屋にいると思う。

体育館みたいに高い天井、映画でしか見たことのない豪華なシャンデリア、龍のような生き物が描かれた天井。

大人が五人は寝られそうな大きなベッドは、スプリングがふかふかで、こんな状況じゃなかったらなぁと思う。

ベッドの周りにいるのは同じ顔で同じ髪形で同じ服を着た七人の王子。違うのは髪と服の色のみ。

レーゲンボーゲンの国のお城、王子様の住まうお部屋。

なるほどどうりであちこちに華美な装飾が施されているわけだ。

例のごとくぼくに欲情した男に拉致され、全裸にされ、両手を拘束され、ベッドにつながれている。

魔法を封じられた上に体を麻痺させられ、指一本動かせない。

絶体絶命大ピンチというやつだ!

「やぁまた会えたね、前に会ったときも君はベッドの上にいたね」

赤い髪の王子が話す。

どちら様ですが? と聞きたいが声も出せない。

おそらく最初に訪れた村で、ぼくを襲ったうちの一人だろう。

「君は宿屋の主人にベッドに押し倒され、身動きが取れずにいた」

言われてぼんやりと思い出した、宿屋の主人に襲われていたところを助けてくれたのが、赤い髪の男だった気がする。

赤い髪の男が宿屋の主人をのして、ぼくはそのすきに部屋から逃げ出そうとして、赤い髪の男に腕を掴まれ、ベッドに組み敷かれたのだ。

「思い出してくれたかな?」

あのときの男がまさか王子様だったとは、しかも七人兄弟とはね。

「あのときは驚かせてしまったね。胸のときめきを抑えられず思わず押し倒してしまったが、後悔しているよ」

あれ? もしかして紳士だった?

「僕のギフトの力で村人全員を毒殺してから、ゆっくり君を犯せばよかったとね」

鈍く光る赤い瞳に背筋がゾッとした。この人はやばい、精神を病んでいる!

「他国で問題を起こされては困りますよ、ロート兄さん」

橙色の髪の王子が赤い髪の王子の肩をたたく。

「私を旅に連れて行かないからですよ。私の眠りシュラーフの力なら穏やかに村人を眠らせ、天使に傷一つつけず城まで連れてこれたのに」

「お前の言うとおりだ、緋色プルプル

「その名前で呼ばないでください! レーゲンボーゲンロートオラーンジェゲルブグリューンブラオインディゴヴィオレットの七色なのに、なぜ私の名前だけ、オラーンジェではなく、緋色プルプルなんだっっ!!」

橙色の髪の人が切れた。

「それは父上と母上に言ってくれ、緋色プルプル

「「「「「そうです父上と母上に言ってください、緋色プルプル兄さん」」」」」

五人の王子の声がそろう。

「プルプルって呼ぶな!」

よく分からないが兄弟げんかが始まったみたいだ、今のうちに逃げたい! でも体が動かないっ!

「無駄だよ、俺の麻痺レーメンの力はそう簡単に解けない、しばらくは指一本動かせないよ」

黄色い髪の王子が言う。

ぼくの体を麻痺させたのはこの人だったのか! キッと睨みつける。

「いいね、抵抗されるとぞくぞくする」

黄色い髪の王子が笑う。

「どうしよう、ボクの力で幸せな幻覚ハルツィナツィオーンでも見せようか?」

青い髪の王子が言う。

「それともオレの力で混乱フェアヴィレンさせる? 苦しまなくてすむよ」

藍色の髪の男が提案する。

「待て弟たちよ! 泣き叫ぶ神子を犯すから楽しいのではないか? 正気を失っていては、楽しみも半減する」

赤い髪の男の言葉に、レーゲンボーゲン国の七兄弟がうなずく。

「じゃあ麻痺レーメンが解けるのを待つってこと?」

紫の髪の王子が首をかしげる。

「かけた技は解除できるんだよ、ヴィオレット

赤い髪の王子が紫の髪の王子の言葉に答える。

「そうなんだ、おいらは自分でかけた技を解除したことないから分からなかったよ~


ヴィオレットの技は、他の兄弟の技とは少し違いますからね」

橙色の髪の男が意味有りげな言葉を放つ。

ゲルブ、神子にかけた麻痺を解けるか?」

「それは可能だよロート兄さん。でも麻痺を解除して、天使が泣き叫んだら煩くない?」

黄色い髪の王子が赤い髪の王子に尋ねる。

「わかってないなゲルブ、それが楽しいんだろう?」

赤い髪の男がくつくつと笑う。

「聞こえたとしても私たち七人兄弟に逆らうバカはこの城にはいませんから、問題ありませんよ。ねぇ、ヴィオレット?」

橙色の髪の男が、紫の髪の王子の顔を見てニヤリと笑う。

「そうだね、おいらもたまには自分の能力を使ってみたいや」

紫の髪の男がクスクスと笑う。

「そういうことだゲルブ、神子にかけた麻痺を解け」

「オッケー、ロート兄さん!」

ゲルブと言われた王子がぼくの手に触れた瞬間、背中がぞわりとした。

黄色い髪の王子の手が淡く光る。自身の手に力を入れると、体を動かせるようになった。

「離して! ぼくをここから出して!」

両手を動かすして拘束具から逃れようとするが、手錠とそれをつなぐ鎖がガシャガシャと音を立てるだけだった。

「天使の声、めっちゃ可愛い!」

「萌える!」

「やべぇ、声だけで抜ける!」

男たちの下半身を見ると、ズボンがテントを作っていて先走り液でぬれていた。

「まあそう急くな、今から神子の中に突っ込むんだ無駄うちするな」

「それもそうだね、ロート兄さん」

赤い髪の王子の言葉を、緑の髪の王子が肯定する。

「やっ、やめて! 来ないで!!」

男たちがベルトを外しファスナーを下げる。王子たちの男根は天を突くほどそそり立っており、ペニスを取り出すのに苦労していた。

勃起した陰茎をパンツから出すことに成功した男たちが、ベッドに上がってきた。

「来ないで!」

後退るが、すぐにベッドの背もたれにぶつかってしまう。

「この一カ月あなたを探し出し、抱く瞬間を夢見て日々を過ごしてきた! 待ちすぎたので優しくできそうにないが許してくれ!」

赤い髪の王子がぼくの右足に触れる。

橙の髪の男が左足に、黄色い髪の男が右腕に、緑の髪の男が左足にほぼ同時に触れた。

気持ち悪い! 冷たい汗が背中を伝う。

嫌だっ! 助けて! リュート!!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ギャップがあり過ぎるけど異世界だからそんなもんだよな、きっと。

一片澪
BL
※異世界人が全く珍しくないその世界で神殿に保護され、魔力相性の良い相手とお見合いすることになった馨は目の前に現れた男を見て一瞬言葉を失った。 衣服は身に着けているが露出している部分は見るからに固そうな鱗に覆われ、目は爬虫類独特の冷たさをたたえており、太く長い尾に鋭い牙と爪。 これはとんでも無い相手が来た……とちょっと恐れ戦いていたのだが、相手の第一声でその印象はアッサリと覆される。

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?

雪 いつき
BL
 仕事帰りにマンホールに落ちた森川 碧葉(もりかわ あおば)は、気付けばヌメヌメの触手生物に宙吊りにされていた。 「ちょっとそこのお兄さん! 助けて!」  通りすがりの銀髪美青年に助けを求めたことから、回らなくてもいい運命の歯車が回り始めてしまう。  異世界からきた聖女……ではなく聖者として、神聖力を目覚めさせるためにドラゴン討伐へと向かうことに。王様は胡散臭い。討伐仲間の騎士様たちはいい奴。そして触手生物には、愛されすぎて喘がされる日々。  どうしてこんなに触手生物に愛されるのか。ピィピィ鳴いて懐く触手が、ちょっと可愛い……?  更には国家的に深刻な問題まで起こってしまって……。異世界に来たなら悠々自適に過ごしたかったのに!  異色の触手と氷の(天然)騎士様に溺愛されすぎる生活が、今、始まる――― ※昔書いていたものを加筆修正して、小説家になろうサイト様にも上げているお話です。

愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる

彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。 国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。 王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。 (誤字脱字報告は不要)

異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!

鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。 この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。 界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。 そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。

時の情景

琉斗六
BL
◎あらすじ 中学教師・榎戸時臣は聖女召喚の巻き添えで異世界へ。政治の都合で追放、辺境で教える日々。そこへ元教え子の聖騎士テオ(超絶美青年)が再会&保護宣言。王子の黒い思惑も動き出す。 ◎その他 この物語は、複数のサイトに投稿しています。

天使のような子の怪我の手当てをしたら氷の王子に懐かれました

藤吉めぐみ
BL
12/23後日談追加しました。 ================= 高校の養護教諭の世凪は、放課後の見回り中にプールに落ちてしまう。カナヅチの世凪は、そのまま溺れたと思ったが、気づくと全く知らない場所にある小さな池に座り込んでいた。 ここがどこなのか、何がどうなったのか分からない世凪に、「かあさま」と呼んで近づく小さな男の子。彼の怪我の手当てをしたら、世凪は不審者として捕まってしまう。 そんな世凪を助けてくれたのは、「氷の王子」と呼ばれるこの国の第二王子アドウェル。 冷淡で表情も変わらない人だと周りに言われたが、世凪に対するアドウェルは、穏やかで優しくて、理想の王子様でドキドキしてしまう世凪。でも王子は世凪に母親を重ねているようで…… 優しい年下王子様×異世界転移してきた前向き養護教諭の互いを知って認めていくあたたかな恋の話です。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

処理中です...