【BL】完結「異世界に転移したら溺愛された。自分の事を唯一嫌っている人を好きになってしまったぼく」

まほりろ

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15話「聖なる翼《ハイリヒ・フリューゲル》」

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ドンドンドンドンドンドン!!

ドアが外側から激しくたたかれる。

「王子様! ご無事ですか!」
「殿下! 先程の爆発音はいったい!」
「王子殿下、扉を開けてくださいっっ!!」

城の兵士と思われる声が聞こえる。騒ぎを聞きつけてやってきたようだ。

「兵士に気づかれたか……ってあんだけ派手に魔法を使ったんだから当然か」

リュートが人ごとのようにサラッと言う。

そういえばリュートはこの城の図書館に用事があって来てたって、さっき王子の一人が話していたような?

「ごめんなさい、リュートはこのお城に大事な用事があって来てたんだよね? それなのに巻き込んじゃって……」

「気にしなくていいよ、目当ての本は頂いたから。それにあんたに迷惑をかけられるのは、いまに始まったことじゃないし」

「うっ、ごめん」

ぼくはこの世界に来てからずっと、リュートに迷惑かけっぱなしだ。

「隊長! 扉が開きません!!」
「たたき壊せ!!」
「はっ!」

扉の向こうにいる兵士が扉を壊そうとしているようだ。

「どうしようリュート!?」

リュートの袖を掴む。

「城の兵士を一瞬で氷漬けにするのは簡単だけど……」

「殺しちゃうの?!」

そういうば氷漬けにされた王子たちって生きてるの?

「殺しはしない、一カ月ぐらい凍ってるだけ」

城の人間全員が一カ月間氷漬けにされるとか、なかなかにホラーだ。雪女もびっくりの所業だよ。 

「もう少し穏便に……」

「じゃあ逃げようか? とりあえずこれを着て」

リュートが羽織っていたローブを脱いでぼくにかけてくれた。

「ありがとう」

「涙と鼻水つきだけど、裸よりはましかな」

「うぐっ、」

リュートのローブに涙と鼻水をつけたのがバレてる。

「掴まって」

「うん!」

リュートの体にしがみつく。リュートの体から花のように甘い香りがする。リュートの匂い、すごく落ち着く、大好き。

「風の精霊よ我に従え、聖なる翼ハイリヒ・フリューゲル

リュートの背に真っ白な鳥の羽が現れる。

リュートがぼくを抱え、天井に空いた穴から外に飛び出した。

ドアを壊した兵士が部屋に突入したときは、ぼくらはお空の上だった。



◇◇◇◇◇
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