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8話「出がらし第二王子はクズ」

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――第二王子視点――



俺の名前はリカード・クラウゼ。

クラウゼ王国の第二王子だ。

世間では優秀な部分は第一王子に全部持ってかれた出がらし王子だの、ポンコツ殿下だの、税金泥棒の役立たずだの言われている。

そう言われると腹が立って、学園に通っていた頃は平民の女を犯してうっ憤を晴らしていた。

嫌がる女を手籠にして、用が済んだら捨てる。

そんな生活を繰り返していた。

俺と関係を持った女が、その後どうなったかは知らない。

みんな学園を辞めて行ったから、知りようがない。

女で遊ぶのに飽きたら平民の男を殴った。

特に平民のくせに俺より良い成績を取る身の程知らずどもは、取り巻きを使ってボコボコにしてやった。

そいつらがその後どうなったか、俺は知らない。

そいつらも学園を辞めてしまったからな。

そんな俺も今年で十九歳。

学園を卒業したことだし、そろそろ婿入り先を決めなくてはならない。

美人な娘がいて、沢山お金を持っていて、うるさいしゅうとがいない家に婿入りしたい。

第二王子の俺が力を持ちすぎることを危惧した父が、「兄の結婚相手よりも爵位の低い家の娘と結婚するように」と口うるさく言ってくる。

第一王子である兄は王太子で、兄嫁は王太子妃だ。

王太子妃の実家は公爵家だから、俺は侯爵家以下の家に婿入りすることになる。

王太子妃は国一番の美人で、完璧な淑女で、才女と褒め称えられている。

どうせ結婚するなら兄嫁より優れた女性と結婚したい。

とはいえ完璧な淑女と称される、王太子妃に全ての面でまさっていりる女を、この国で見つけるのは不可能だ。

そんなことは俺だってわかっている。

公爵令嬢は王太子妃になるために、莫大な金と時間を費やしている。

完璧な王太子妃を作るための国家プロジェクト、そう言っても過言ではない。

第二王子である俺の嫁には、そんな金はかけられない。

だからせめて兄嫁に一点だけ勝ちたい。

兄嫁よりも容姿の優れた女性と結婚したい。

婿養子に入ったあと、お金に苦労したくないから、お金持ちの家の娘がいい。

ナイスバディだったらなお良し!

どこかに美人で、金持ちで、侯爵家以下の身分でナイスバディの女性はいないものだろうか。

今夜の舞踏会には国中の独身女性が集まる。 

素晴らしい女性と出会い、より良い条件の家に婿入りしたい。


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