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十八話「運命の人④」
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ーーノヴァ視点ーー
私は愚か者だ! 森に入って一分で後悔した。
「痛っ……!」
シエルの悲鳴を聞き、慌てて駆け寄る。
シエルのふくらはぎが大きく裂けていた。白く奇麗な足から血が流れている。棘の生えた蔦で切ったらしい。
シエルを傷つけるとは許せん! この植物は後で根絶やしにしてくれる!
それよりも今はシエルの治療だ!
「大丈夫か?」
「ちょっと切っただけですから」
シエルの足に回復をかける。
「すまない、そなたが裸足であることを忘れていた」
シャツ一枚の者に森を素足で歩かせるなど
……! 私はとんだ阿呆だ!
「ありがとうございます」
それなのにシエルは私を責めることなく、笑顔でお礼を言ってくれた。胸がまたドクン! ドクン! と大きく脈打つ。
「次はケガしないように気をつけますね」
「素足でそれは難しいだろうな」
シエルにこれ以上森を歩かせる訳には行かない!
「ふぁっ、ちょっ……ノヴァさん!」
シエルの肩と足に手をそえ持ち上げる。軽い、やはりシエルは天使なのではないだろうか? 背に羽が生えているかのように軽い。
「裸足で森を歩くのは危険だ、すまないが森を抜けるまでこうさせてもらう」
「……はい」
シエルは素直に従ってくれた。嫌がったなら担いでいくつもりだったので、正直ホッとした。
振動でシエルのシャツがめくれ、桃色のペニスが顕になる。シエルはシャツの裾を引っ張り男根を隠した。
「ちゃんと掴まっていてくれ、落としそうだ」
「すみません」
別にシエルのペニスを見ていたくて言った訳ではない。だが私の目はシエルのふるふると揺れる薄紅色の男根に釘付けになっていた。
シエルの下肢を凝視していたら、シエルに睨まれた。慌てて視線を逸す、変態だと思われただろうか?
「んっ、ん……♡」
耳元で聞こえる愛らしい声に、背筋がゾクリとした。
シエルの頬が赤い。胸元に視線を落とすと、胸の飾りが布越しでも分かるくらい主張していた。シエルは欲情しているのか?
ドクドクと私の心臓が脈打つ!
「んっ、ん……ぁっ♡」
シエルは声を我慢できないようで、可愛らしい声を上げ性的な衝動に耐えているようだった。
シエルは私の首に回していた手を離し、シャツの裾を引っ張り、勃ち上がりかけたペニスを隠した。
私にお姫様抱っこされ運ばれたことでシエルが感じているのだとしたら、シエルも私のことを……!
「ぁっ♡ ひっ♡ んん……!」
シエルが色っぽい声を上げながら身をよじる。
シエルの愛らしい声が耳から離れない! シエルの美しい顔から目を逸らせない!
「ノヴァさん、あのっ……」
もじもじした動作でシエルが私のシャツを引っ張る。
「どうした?」
平静を装っていたが、声が上ずってしまった。
抱いてくれとせがむつもりだろうか? しかし私は運命の相手にしか勃たない体! その事を知ったらシエルは幻滅するだろうか?
「とっ、トイレに……」
シエルが真っ赤な顔で、消え入りそうな声で言った。
抱いてくれとせがまれたのではなくて、ホッとした。だが同時にひどくがっかりした。
尿意を催したのではないだろう。下半身にこもった熱を一人で処理したいのだろう。分かってはいたがあえてそこには触れなかった。
「分かった、ではその木の陰でしてくるといい」
「……はい」
シエルがコクリとうなずいた。
「ぁっ……!」
シエルを地面に下ろすと、シエルはバランスを崩し私に抱きついてきた。予想外の行動に思わず息を止める。
やっ、やはり私にも手伝ってほしいのだろうか? 自分の都合のいいように解釈してしまう。
「ノヴァさん、絶対に見ないでくださいね! でも、遠くに行かないでくださいね!」
私の考えをバッサリと否定された。
「分かった」
シエルは私に頭を下げると、ふらつきながら木の陰へと消えて行った。
「ん♡ ぁっ……!」
遠くに行くなと言われたので、その場に待機した。時折シエルの喘ぎ声が聞こえてくる。
その度に心臓がドクンドクンと脈打ち、下肢に熱が集まっていく。
「ぁっ♡ んんっ、ん♡ ふぁっ……!」
こんなことは初めてだ。シエルに会ってからずっと下半身が熱を持っている。シエルのよがり声を聞くたびに、どんどん熱が高まっていく。
「んっ♡ ンんんっ♡ んっ……ふぁっ!」
シエルの声が耳を犯す。大木の向こう側で、シエルがあられもない姿でペニスをいじっている。想像しただけで胸が破裂しそうになる。
「あっ♡ あっ、ぁあっ! ひぅ…ん!」
シエルの事を思うだけで下半身が火のように熱くなる! この反応はまるで……!
◇◇◇◇◇
私は愚か者だ! 森に入って一分で後悔した。
「痛っ……!」
シエルの悲鳴を聞き、慌てて駆け寄る。
シエルのふくらはぎが大きく裂けていた。白く奇麗な足から血が流れている。棘の生えた蔦で切ったらしい。
シエルを傷つけるとは許せん! この植物は後で根絶やしにしてくれる!
それよりも今はシエルの治療だ!
「大丈夫か?」
「ちょっと切っただけですから」
シエルの足に回復をかける。
「すまない、そなたが裸足であることを忘れていた」
シャツ一枚の者に森を素足で歩かせるなど
……! 私はとんだ阿呆だ!
「ありがとうございます」
それなのにシエルは私を責めることなく、笑顔でお礼を言ってくれた。胸がまたドクン! ドクン! と大きく脈打つ。
「次はケガしないように気をつけますね」
「素足でそれは難しいだろうな」
シエルにこれ以上森を歩かせる訳には行かない!
「ふぁっ、ちょっ……ノヴァさん!」
シエルの肩と足に手をそえ持ち上げる。軽い、やはりシエルは天使なのではないだろうか? 背に羽が生えているかのように軽い。
「裸足で森を歩くのは危険だ、すまないが森を抜けるまでこうさせてもらう」
「……はい」
シエルは素直に従ってくれた。嫌がったなら担いでいくつもりだったので、正直ホッとした。
振動でシエルのシャツがめくれ、桃色のペニスが顕になる。シエルはシャツの裾を引っ張り男根を隠した。
「ちゃんと掴まっていてくれ、落としそうだ」
「すみません」
別にシエルのペニスを見ていたくて言った訳ではない。だが私の目はシエルのふるふると揺れる薄紅色の男根に釘付けになっていた。
シエルの下肢を凝視していたら、シエルに睨まれた。慌てて視線を逸す、変態だと思われただろうか?
「んっ、ん……♡」
耳元で聞こえる愛らしい声に、背筋がゾクリとした。
シエルの頬が赤い。胸元に視線を落とすと、胸の飾りが布越しでも分かるくらい主張していた。シエルは欲情しているのか?
ドクドクと私の心臓が脈打つ!
「んっ、ん……ぁっ♡」
シエルは声を我慢できないようで、可愛らしい声を上げ性的な衝動に耐えているようだった。
シエルは私の首に回していた手を離し、シャツの裾を引っ張り、勃ち上がりかけたペニスを隠した。
私にお姫様抱っこされ運ばれたことでシエルが感じているのだとしたら、シエルも私のことを……!
「ぁっ♡ ひっ♡ んん……!」
シエルが色っぽい声を上げながら身をよじる。
シエルの愛らしい声が耳から離れない! シエルの美しい顔から目を逸らせない!
「ノヴァさん、あのっ……」
もじもじした動作でシエルが私のシャツを引っ張る。
「どうした?」
平静を装っていたが、声が上ずってしまった。
抱いてくれとせがむつもりだろうか? しかし私は運命の相手にしか勃たない体! その事を知ったらシエルは幻滅するだろうか?
「とっ、トイレに……」
シエルが真っ赤な顔で、消え入りそうな声で言った。
抱いてくれとせがまれたのではなくて、ホッとした。だが同時にひどくがっかりした。
尿意を催したのではないだろう。下半身にこもった熱を一人で処理したいのだろう。分かってはいたがあえてそこには触れなかった。
「分かった、ではその木の陰でしてくるといい」
「……はい」
シエルがコクリとうなずいた。
「ぁっ……!」
シエルを地面に下ろすと、シエルはバランスを崩し私に抱きついてきた。予想外の行動に思わず息を止める。
やっ、やはり私にも手伝ってほしいのだろうか? 自分の都合のいいように解釈してしまう。
「ノヴァさん、絶対に見ないでくださいね! でも、遠くに行かないでくださいね!」
私の考えをバッサリと否定された。
「分かった」
シエルは私に頭を下げると、ふらつきながら木の陰へと消えて行った。
「ん♡ ぁっ……!」
遠くに行くなと言われたので、その場に待機した。時折シエルの喘ぎ声が聞こえてくる。
その度に心臓がドクンドクンと脈打ち、下肢に熱が集まっていく。
「ぁっ♡ んんっ、ん♡ ふぁっ……!」
こんなことは初めてだ。シエルに会ってからずっと下半身が熱を持っている。シエルのよがり声を聞くたびに、どんどん熱が高まっていく。
「んっ♡ ンんんっ♡ んっ……ふぁっ!」
シエルの声が耳を犯す。大木の向こう側で、シエルがあられもない姿でペニスをいじっている。想像しただけで胸が破裂しそうになる。
「あっ♡ あっ、ぁあっ! ひぅ…ん!」
シエルの事を思うだけで下半身が火のように熱くなる! この反応はまるで……!
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