【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ

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十六話「訓練場のお茶会」②

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十六話「訓練場のお茶会」②

「ねぇ、ディアーナ三年前のあのことまだ怒ってる?」

「えっ……?」

三年前のあのこと?

もしかして同人誌の後書きに書いてあったフリード様とディアーナの関係に亀裂の入った事件のこと?

「やっぱり、怒ってるよね……」

フリード様が悲しげな表情をする。

ここでフリード様とディアーナの関係を修復しておけば、卒業パーティでフリード様に斬られる未来を回避できるかも!

「いいえ全然! 全く気にしておりませんわ! お兄様!」

「本当? 良かった!」

フリード様が輝くような笑顔を見せる。

眩しい……! 推しの笑顔が眩しいよ!

フリード様がディアーナに何をしたかは知らないけど、当時フリード様は十三歳、ディアーナは十歳、大したことじゃないはず。

いつまでも根に持っているディアーナが悪い!

「あれ以来ディアーナに避けられるし、目が合うと睨まれるし、口を聞いてくれたと思ったら悪口を言われるし、近付くと邪険にされるし……ディアーナはあのことをすごく怒っていて、もう許してくれないと思ってた」

ディアーナ、フリード様にそんなことしていたのか。
  
「それは色々と申し訳ありませんでした」

深く頭を下げる。

「頭を上げてディアーナ、僕の方こそあのときはごめんね」

「私の方こそ、三年も根に持っていてごめんなさいお兄様」

「もう、怒ってない? 許してくれる?」

「はい、もちろんです! 私ももう十三歳子供ではありませんから」

私の言葉を聞いたフリード様が口角を上げた。影のある笑い方だけどそれもいい!

「子供じゃないか……じゃあディアーナのことを大人扱いしないとね」

「大人扱い……?」

漫画のディアーナは十三歳でコーエン王子と婚約し、家を出て王宮で暮らし王子妃教育を受けていた。

現世の日本より、この世界の十三歳は大人なのかも。

「はい、私ももう大人ですから!」

「そうかもう大人か、なら…………をしてもいいよね。前にしたときは拒否されたけど、ディアーナも大人だし、僕のことを大好きって言ってくれたし……」

「えっ?」

フリード様、今何か言いました? 心なしかフリード様のまとうオーラが邪悪なような?

「ねぇディアーナ、久しぶりにディアーナの部屋に行ってもいいかな?」

フリード様が爽やかに笑う。先程の邪悪なオーラは消えていた。

「寝る前にディアーナに絵本を読んで上げたいんだ」

「絵本ですか?」

「うん、ディアーナに避けられる前は毎日してたんだけど」

ということは三年ぶり?

もう子供じゃありません、大人です、と言った後に絵本の読み聞かせの提案?

思いっきり子供扱いされているような?

「だめ、かな?」

フリード様が憂いをおびた瞳で私を見つめてくる。そんな目で見られたら、だめなんて言えるはずない!

「だ……だめじゃありません! ぜひいらしてください! お兄様ならいつでも大歓迎てす! お待ちしております!」

フリード様は、三年間仲違いしていた義理の妹と仲直りできて嬉しいのよね。

だから三年前にしていたように絵本の読み聞かせをしたい、そうおっしゃっているのよ!

「そうよかった、今夜九時にディアーナの部屋に行くよ」

「はい、お兄様」

フリード様の天使のごとき清らかな笑顔が眩しくて、私は気づかなかった。

フリード様が私を見る目に、欲望の色が隠れていたことに……。





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