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15話「用心に越したことはない」
しおりを挟むパーティが終盤に差し掛かったとき、クロリスに呼び止められた。
「退場するときのゲルラッハ子爵令息の言葉が気になるわ。
窮鼠猫を噛むという言葉もあるし、今日は伯爵家に帰らないほうがいいんじゃないかしら?
追い詰められた人たちは、何を仕出かすかわからないもの」
「例えば?」
「子爵夫妻とゲルラッハ子爵令息とあなたの父親と愛人とミランダ様がぐるになって、あなたの貞操を奪おうとするとか……」
「えっ?」
「彼らをまともな人間だと思ってはだめよ。
目的の為なら手段を選ばない連中だと思って相手にしないと危険よ。
彼らなら最悪そのくらいのことはやりかねないわ。
だから伯爵家に帰るのは危険よ」
「クロリスの言うとおりね」
クロリスに言われ、私はあの人たちならやりかねないと思った。
伯爵家には私の雇った護衛もいるが、念には念をいれた方がいい。
「公爵家が経営するホテルがあるわ。
そこならセキュリティがしっかりしてるから安全よ。
公爵家で雇った護衛もつけるわ。
今日だけでなく裁判が終わり、全ての片が付くそこに泊まった方がいいわ」
「でも、それじゃあクロリスに迷惑が……」
「親友でしょ、気を使わないで。
むしろもっと頼ってほしいくらいよ」
「ありがとうクロリス、お言葉に甘えてホテルに泊まらせてもらうわ」
「本当は公爵家に来てもらいたいんだけど、今は事情があってできないの。
ごめんなさいね」
「気にしないで。
これだけしてもらったら十分よ」
「全てが終わったら公爵家に招待するわ。 絶対に遊びに来てね」
「うんありがとう、楽しみにしてるね」
☆☆☆☆☆
こうして私は波乱含みの卒業パーティを終えた。
私はクロリスの助言通り、パーティのあと家には帰らず、彼女に紹介されたホテルに泊まった。
王都で一番豪華なホテルのしかも、ロイヤルスイートルームに通らされ、私は目を丸くした。
いくら伯爵家でもこんな豪華な部屋に何日も泊まれない。
さくさくアデルとの婚約を破棄して、父と父の愛人と異母妹を伯爵家から追い出してやる。
※ホテルからは後日、シングルの部屋の料金のみ請求されました。
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