異世界に転移したら王弟殿下に溺愛されました 私が伝説の女神ってマジですか?・完結

まほりろ

文字の大きさ
5 / 27

五話「異世界に全裸で召喚されました」

しおりを挟む

―ヒロイン視点―




学校に行く途中大きな水たまりを見つけ、のぞき込んだら中に吸いこまれた。

そして気がついたら空の上にいて、ふぁ~いい眺め……なんて悠長に絶景を楽しんでいる暇もなく。

気がつけば体は急降下!

「きゃぁぁぁぁぁぁああッッ!!」

死んじゃうーーーー!!

と思ったのも一瞬、走馬灯を見ることもなく湖に墜落した。

「はぁ~~~~、死ぬかと思った! なんなのよもぅ~~~~!」

なんとか水面に顔を出し悪態をつく。下が湖じゃなかったら死んでるよ!

周りを確認すると、岸辺に人の姿が見えた。

「あっ、人がいた! よかったぁ~~! すみませ~~ん、ここって何県ですかぁ?」

金色の髪で異国の民族衣装のようなものを着ている。近くで映画の撮影か何かかな?

しかし相手からの返事がない。遠くて聞こえないのかもしれない。

岸辺まで泳ぎ、岸に上がりもう一度話しかける。

「聞こえないのかな? もしも~~し? はっ、もしかして金髪だから外国人! ここ外国なの!? えっと……、ハロー、ハロー?」

とりあえず「ハロー?」と声をかけてみたけど、英語圏の人じゃなかったら通じないか。

よく見ると私と同い年ぐらいの男の子だった。

少年は自身が身につけていたマントを脱ぎ、私に差し出した。

斜め後ろからでも分かるくらい、男の子の顔が赤かった。

「天界ではみなそうなのかもしれませんが、ここは地上です。どうかこれを……」

良かった言葉が通じた。言葉が通じたことにホッと胸を名で下ろす。

少年に言われ、自分の姿を確認し仰天した!

服を着てない! 真っ裸! 全裸!

「いやぁぁぁぁあああぁぁぁッッ!!」

全裸で知らない人の前にいる事実に耐えられず、悲鳴を上げ、胸を手でおさえその場にうずくまる。

なんで何故に素っ裸?

私、セーラー服を着て家を出たよね?

娘が全裸で学校に行こうとしたら、ママが全力で止めたハズ。

「ほのか、あなた服を着るのを忘れてるわよ!」って注意されたハズ。

水たまりをのぞいたときまではちゃんと服を着てた。私の服はいったいどこにいってしまったの??

「天界は常春なのかもしれませんが、ここは地上です。そのままでは風邪をひきます、どうかこれを」

男の子は足元にマントを置くと、数歩歩き私から距離をとった。

金髪の男の子はシャイな性格……ううん紳士みたい。

私は少年が貸してくれた青いマントを羽織はおる。

裸にマント一枚では心元ないが裸でいるよりはましだ。

「ありがとうございます、助かりました」

外国で初めて会った人が、親切な人でよかった。

「いえ、どうかお気になさらず、なんでしたら私の着ている服もお貸しします」

纏うものが薄いマント一枚では、落ち着かない。

体のラインがまる分かりだし、風が吹くたびにマントがはためき肌がのぞくし、上着を貸してもらえると助かる。

親切な人だなぁ、この辺りの人はみんなそうなのかな?

「でも、私に服を貸したら、あなたが風邪をひきませんか?」

「地上のもののことなど、どうかお気になさららず。あなたは伝説の……」

「王子――――!!」

声のした方向を見ると、遠くから赤い髪の男性が走ってきた。

「きゃぁっ」

新たな男の登場に、私はその場にうずくまる。

マント一枚で知らない男性の目にさらされるのは、やはり恥ずかしい。

男の子は後ろを向いていてくれたから、なんとか耐えられたけど……私の羞恥心は限界だった。

「レヴィン王子ご無事でしたか? 先ほどの水音と悲鳴は!?」

えっ? 今赤い髪の人が金髪の男の子を王子と呼んだ?

ええっ? あの男の子、王子様だったの? 
私は王子様の身ぐるみをはいで、自分の服にしようとしてたの??

ふ、不敬罪で殺されるーー!

「ドミニクそこまでだ、それ以上近づいてはならぬ!」

王子様が私を赤い髪の男性から守るように私の前に立った。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています

放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。 希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。 元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。 ──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。 「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」 かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着? 優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

面倒くさがりやの異世界人〜微妙な美醜逆転世界で〜

蝋梅
恋愛
 仕事帰り電車で寝ていた雅は、目が覚めたら満天の夜空が広がる場所にいた。目の前には、やたら美形な青年が騒いでいる。どうしたもんか。面倒くさいが口癖の主人公の異世界生活。 短編ではありませんが短めです。 別視点あり

処理中です...