かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる

竜頭蛇

文字の大きさ
36 / 99

最新型ドローン

しおりを挟む

「すいません、ちょっと人の目もありますのでご容赦頂ければ」

「その声はイトウね」

メスガキに絡まれる配信者ではあまりにも体裁が悪いので俺が仲裁するために声をかけると、振り向いたその子はエルメスCEOだった。
前はスーツ姿であったことと、目立つ護衛の姿がなかったためすっかり除外して原宿女子か何かだと思っていた。

「日本語が堪能だったんですね」

「日本語が堪能? こっちに来てからマスターしたに決まってるじゃない。モンキッキの言葉をあらかじめ習得しようと思う物好きはいないわ」

「日本語は難しい言語だって言われてるのに、わずか1週間で習得できるなんて凄いですね」

英語が全くできない俺としてはにわかには信じられない。
一部の凄腕翻訳家とか通訳には僅かな期間で全く触れたことのない他言語をマスターしてしまうことがあるのは聞いたことがあるのだが。

「ふん、もっと褒め称えなさい! 前回と違って殊勝じゃない」

「ははは、前回ですか。 今回はここに来られて何かご用件でも」

前回は反射で喋ってただけで、自分でも何を言ってるのかわからないため、とりあえず笑って誤魔化して、今回の要件に話題を変える。

「シロクロつけるための段取りに来たのよ」

やはりと言うか、エルメスCEOはエクスプレイとダンプロが勝負する段取りに来たようだ。

---

「配信で勝負?」

突如CEOに絡まれぐったりしていた望月さんを谷崎さんの元に運んだ後に、エルメスCEOとアリサがいる社長室に入ると議論が紛糾していた。

「ナンセンスね。ウチに旨みもなければ、リスナーを勝敗を決する数字として捉えろなんて風聞にも配信者にも悪い影響しか与えないじゃない」

「ふーん。まだ詳細を聞く前からそんな強気な態度をとっていいんだぁ?」

有無を言わさず突っぱねるアリサに対して、エルメスCEOは余裕綽々な態度で応じる。
彼女の態度が意外だったのか、アリサが顔を顰めるとエルメスCEOはそれを見ながらほんのりと頬を上気させるとニヤつきながら話を続ける。

「勝負を受けてくれるならエクスプレイで近々売り出すドローンを確約で一つであげるわ。そこにいる化け物じみた身体能力をしている人間もくっきりと取れるもので、今までのモデルより耐久性も機動性も高いわ。最新鋭のドローンを獲得できる意味あなたならわかるわよね」

ドローンによって配信環境が変わったことが、ダンジョン配信を見る層が爆発的に増えたことの背景にはあるので、このチャンスを不意にするのはダンジョン配信業をしているものならばできるはずがない。
ダンジョン配信に大きく動かしたドローンというのはそれだけ大きなことを成した存在だと言うことを皆心の底から知ってしまっているのだから。
しかもそれを引き起こした張本人のエクスプレイから支給されるものだ。
ドローンを制するものは配信を制すると言う格言を生み出した企業なので期待はせざるを得ない。

「大盤振る舞いじゃない。勝ちも負けもなく乗るだけでそんな大それたものを一つくれるなんてそれだけのものだとおいそれとは作れないんでしょうに」

「そうね。負けたらそっちに行き渡るだけ作ったものを送るつもりだから、先にエクスプレイに行き渡らせるものだったものを送る必要があるから自社が心血込めて開発したものの恩恵を他社に譲るわけだから大打撃になるわ」

「開発品の恩恵をもろに受けられる上にタダ、その上海の向こうのイケスカナイ企業に一泡吹かせられるのだから悪くない条件ね。ちなみにそっちが勝った場合ウチが支払う対価はなに?」

「やっぱりそこのイトウかしら。調べれば調べるほどいろいろなものが出てくるしね。唯一のS級ダンジョン攻略達成者な上、三連覇。こんなものが分かったら欲しくないわけがないじゃない」

「ウチの伊藤とドローンじゃ。ドローンの方が軽すぎる気がするけど。内容にもよるけどその勝負受ける気はあるとは言っておこうかしら。今のところ負ける要素が一つもないもの」

勝ち得るものを聞いて挑戦的な笑みをアリサが浮かべるとエルメスCEOはニヤついた笑みをさらに深める。

「内容はダンプロのアスカとウチが新たに確保した配信者の同接数勝負よ。断る理由が無いわよね?」

「聞いて安心したわ。これで最新型は確約ね」

アリサとエルメスCEO、笑顔で火花を散らすと勝負することが決定した。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

処理中です...