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第3話 タイトルのネタ切れ感が既に3話から
しおりを挟む「 ラーメンライス!!!!? 」
があれば良かったがこの世界にそんな大層なものはない。
こんにちは。
妹の誕生日プレゼントを買った帰りに異世界転生しちゃった異世界転生歴1日目の絶賛彼女募集中の沙霧童夢です。
1日目は最悪な始まりだったワケだが、晴れてこの少年と仲良くもなれたし何故この世界に来たのか自分のこの世界での名前も分かったし万々歳な童夢さんなんだが、なにやら外が騒がしかった。
おかげで俺は定価500円のお買い得なラーメンライスセットを心ゆくまで堪能する夢から現実に叩き起こされてしまった。
現実とするにはかなり突飛しているが細かいことはこの際考えないようにしよう。
「何の騒ぎ?」
俺は先に起きていた窓際で外を眺めて黄昏ているツノのある少年に声をかけた。
「さあな。 この街は初めて来たから 」
「そっか。そうだ、お前の名前聞いてなかった。なんていうんだ? 」
「名前なんかどうせ意味を持たないよ。 訊いてどうしたいの? 」
「お前には無くても俺にはあるんだよ。ツノのある少年って毎回言うの面倒だしお前だって気分良くないだろ? 俺は名乗ったみたいだし、今度はお前が教える番だ」
「………… ルード」
「割と良い名前だな。 意外」
「何だと思ったんだよ」
「タロウ」
「何でそんなありふれた名前なんだよ!?不釣り合いだろ!!」
「普通がちょうどいいって言葉知らないか?」
「知らねーよ!! どんな理論だよ!」
俺は軽く笑った。
そうしてルードの隣に立って外の景色を見た。
どうやらパレードをやっていたようだった。
街は賑わいだっており、俺が妹と行った河川敷でなんかやっていた花火大会より規模は割とデカかった。
まあ、アレは学生やバカップルばかりだったから引き合いに出すのは間違いだと思うけど。
こんな小さい街にこんなに人が居たんだなって驚きの方が強い。
あー、やはりまだやっぱり現実に未練あるんだな俺は。
冒頭からずっと妹ばっか言ってるけど悪いが俺は妹萌えとかコンプレックスがどうとかは無い。
無いからな、勘違いすんなよ。
唯一の肉親だからだ。
守るのは当たり前だろう。
「失礼する! ニール・シュナイダーはいるか?!」
「?」
朝の爽やかなひと時を突き破るようなその声に、周りの空気もそうだが俺の全身が震えた。
ルードも同様だった。
「おい、ニール返事してやれよ」
「あ、はい! 居ます!!」
「了解した! ならばいささか無礼つかまつるが、失礼する!」
「は?」
と、その声の主はノブを回せばいいものを目の前にあったドアを蹴破って現れた。
「はぁ!!? 」
長い透き通るような水色の髪をたなびかせその女性は中へとそのスラっとした足を踏み入れた。
長身で、無駄な脂肪が一切見えないその人柄さえ体現したかのような体格だった。
女性だ。だが、あまりに顔は幼くその眼は強く真っ直ぐと前を見据えていた。
吸い込まれそうな感覚にずっと俺は見入っていていた。
ちなみに
スキルがてんこ盛りにあってザッと見て20くらい。
属性やフィールドに沿ったものばかりに固められている。
だけど、宿の人がちょっと可哀想な気もする。
「あなたがニール・シュナイダーだな?」
「はい、そうですが…」
「この度の諸君の活躍は正に勇敢だった。と、王は申されている。王は、貴殿を城へと招きたいと申されている。受けてくれるな?」
「あ……」
王? この世界のか? ありがたい話だけど今の俺にはまるで時間が無いため、早く魔王を倒して一件落着で終わらせたい。
これは断るべきだ。
それが世界平和に繋がることを王様だって分かってくれるはずだ。
と、数分考え答えを伝えようと目を開けるとそこにはどアップに迫った彼女の顔があった。
「うわ! 近い!! 近いって!!!?」
「まさか、断るわけではあるまいな? 」
「え? 」
「今、世界の領地は四つに分断された。それらのうち二つは既に魔王の手に落ちたが、お前の働きにより魔王は幾らか怯(ひる)み、うち一つを我々が支配できうるかの瀬戸際が今だ。貴殿には感謝はするが、甘い考えを抱くな。私はお前を認めてはいない。所詮、なんらかの運が作用して上手くいっただけだと思っている」
こいつ、可哀想だな。
みんなに命を狙われて尚且つ、この女性には信用されてすらいない。
正直、魔王なんかどうでもよくなるくらいの現実じゃないか。
何がこいつを駆り立てているんだ?
「答えなど今更聞くまでもあるまい。私らと共に来るか、もしくは」
女剣士はそう告げると腰に刺した護身用と思しき剣の鞘を少し抜いた。
僅かな隙間越しに見せる剣の鋭い光はまるで彼女を表しているかのようだった。
まあ、県には詳しく無いから専門的な事はわからないが。
「ひとつ聞かせて欲しいんですけど」
「なんだ? 」
「魔王の息子を倒したんです。俺は。けど、何故あなたがたはぞんざいな扱いをするんですか? 労(ねぎら)うのが普通じゃ無いんですか?」
「知ったことか」
「世界のルールとか何にも知らないし、あなたがたにしたら俺は右も知らないヒヨッコかも知れませんけど………」
あえて、ルードについては言わなかった。
魔王の息子にはもう一人いて今、自分と行動を共にしていることを知れば彼らは目の色を変え、剣の鞘を抜き斬り殺すだろう。
何が憎しみで、何が彼らにもたらしたかはわからない。
「けど、誰もやらなかったことを俺はやったんだ。認めろよ、それくらい」
まるで自分の言葉のように話してるが、きっとこの転生した先のこの男の本心だろう。
「貴様、それ以上無礼な事を口にすると」
と。
「団長! 大変です!カルヴァスの使節の者だと名乗る人物が城に向かっていると伝令が有りました!」
「なに? 和平交渉をしたばかりの矢先に何の用だ?」
「この者はどうされますか?」
「………… 連れてこい。手厚く礼してやる」
「なあ、マズイぜ。相手はこの国の精鋭だ」
「分かってる。けどさ、俺はどうしても分からないことがあるんだよ。それがとりあえず知りたい」
「あのさ、あんたを殺す側の俺が言うのもアレだけど。 オレの事は引き渡したりしないよな?」
「しねーよ。 保証してやる」
俺とルードはその団長と呼ばれている女性に着いていくことになった。
しきりに辺りを警戒をしているのかキョロキョロしていた。
そして、逐一部下と話し合っている。
しかし、何故に徒歩なんだ?
馬車とか……あー、まあ電車はないだろうけどけどなんらかの移動手段はあったんじゃないの?
やはり、この世界について俺は何にも分からないな。
「ねえねえ、それが魔王を打ち破った剣?」
部下だろうか?
それとなく俺が振り向くとそこには見知らぬ女の子がいた。
鎧のような物はつけてはおらず、むしろ旅人のようなラフな格好をしていた。
端正な顔立ちをしているが、まだ垢抜けない幼さも見て取れる。
後ろ髪は結って束ねてありよく手入れをしているのかツヤがあった。
動きやすそうな短パンを履いていて……ってなんか変態みたいになってるからイメージの為にもよしとこう。
「そーゆうお前はこいつらの仲間か?」
「違うよん。 わたしはねー、あんたをよく知っている人。もしかしたら一回会ってるかもしれないね」
「嘘つけ、見たことないぞ」
「私はあるんだから、それで良いんだよ」
「誰? その人? 知り合い?」
「いや、まったく」
「とにかく、この一向についていくのはオススメしないなあ」
「なんで?」
「歳上の言うことは聞くものだよ」
「見るからに歳下なんだけど」
途端に彼女の眉間にシワがよった。
あー、気に触ること言っちゃったと思う反面ちょっとむすっとした表情を浮かべ見せてくれた為にちょっと可愛いなんて不覚にも思った。
若干だが雰囲気だけを見ると妹に似てる。
「けど、どうして俺にそんな事を教えるんだ?」
「あんたが知りたがってる情報を私が握ってるとしたら?」
「どーいうことだ? 」
「ついて行ってもいいけど、龍谷(りゅうこく)の話題には決して触れないで。私が言ったっていうのも無し。良い?分かった?」
「龍谷? なんの話だ?」
「知らないなら問題無し! 魔王に関する事だけど今のあんたに解決出来るわけはないし、どんなお人好しでも自分に迫る危険くらいはわかるはず」
「待ってくれ。 さっきの答えになっていない。俺はこれからどうしたら良いんだ」
「それはあんたにしかわからない。女神の加護を受けたあんたにしか」
「………なんで、それを?」
彼女はニコリと微笑み俺らの前から姿を消した。
彼女は何かを知っている。
女神の加護を受けた? 女神と話をしていたのは本当だ。
だが、それを知っている人間は居ない。
あの口ぶりから察するに何かを知っている。
俺に関わることか?
彼女にもう一度会わなければ。
もしかすればこの世界から脱出する方法があるかも知れない。
「おい、ど…ニール。なんの話?さっきなんか会話していたみたいだけど」
「あ、うん。何でもない。大丈夫」
「もう直ぐ着くみたいだ。もうくたびれちゃった」
「そうだな」
この世界は、なんなんだ?
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