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第一章
一話
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断罪イベント?
美人で王太子の婚約者でヒロインに嫌がらせして、最終的に国外追放とか、そんなんに自分の貴重な時間を使うなんて……暇なやつだな。
んなことより、もっと楽しいことあるじゃん?
だって異世界だよ?
ガチでファンタジーの世界だよ?
こんなん元ゲーマーでオタクの自分がハマらないわけがないって。
というわけでさっぱりよく分からない世界だけど、悪役令嬢なる人生、初っ端からちゃっちゃと離脱しちゃいまーす。
人選ミスしたのはそっちなんだから、悪く思わないでくれな。
なんなら所持金ゼロの初期装備からやり直しても良いわけで。
今の私ならテンション爆上がりだし、スライムの何千体だって倒しちゃうからさ。
だってゲームビギナーの基本でしょ、それ。
「フォルティエナお嬢様、急にお部屋を出られて……どこに行かれますか?」
んー……君は一体誰だね?
私の名前はそんな長ったらしい名前などではないのだがねぇ……。
前世の本名はユキって言う短いけど立派な日本名があったのだよ。
苗字の方は個人情報なんで、念のため伏せときますわ。
ちなみにゲームで使ってた名前はスノウマンで一律。
はい、捻りなく本名からもじった名前ですね。
スノウマンなのは、男キャラ使ってたから。
ネトゲの世界じゃ身バレ女子バレはそこそこ危険なんで、ずっと男のフリしてプレイしてました。
いっそこの世界でも『スノウマン』って名乗ってやろうかな。
冒険者としてこの名を世界に轟かせても面白そう。
「フォルティエナお嬢様、まだ寝衣のままでございましょう? 私がお手伝いいたしますから、朝食の前にお着替えしましょうね」
おいおい、お前は了承もなく勝手に人の腕を掴むなよ……って……なに、この転生キャラの腕の細さはっ!
こんなんじゃスライムとだって素手で戦えないじゃないか。
かー、お嬢様キャラなんてのはこれだから……まずは最低限の筋トレとランニングでもして、体を鍛えなきゃダメですね。
最近の体感型のMMORPGゲームってね、プレイするのにけっこう体力いるんですよ。
それがリアルなファンタジーの世界なら尚更、こんな細腕じゃあ、木の小枝一本振り回すのがやっとこだわ。
今のこのキャラの体でダンジョンなんか行ったら、即ゲームオーバー……おそらく詰む。
って、そういえば、このキャラの得意分野ってなんだろう?
魔法? スキル?
剣技……ではないな。
この華奢さでは。
というかチートはないのか、チートは。
別の世界に転生してくれたわりに、偉そうな人からのチュートリアル何も発生してないじゃん。
分かるのは、起きた時に『自分はよく知らないゲームの悪役令嬢キャラクターに転生した』って記憶だけ。
どっかの神さまさー……ちょっと初期の段取り端折り過ぎじゃないのか?
「フォルティエナお嬢様、どうしてお返事をしてくださらないのです……」
「返事? NPCと話しても仕方ないじゃない」
というかなんで追いかけてくるんだ? このキャラ。
なんかメイドみたいな格好して……。
もしかして目覚めた瞬間から、もうイベント始まってる?
攻略に関係ないなら正直たるいし、スキップできないのかなぁ……?
とりあえず少しでもこの体を鍛えるために、外を走ってこよう。
うん、そうしよう。
「え、えぬぴーしー? お嬢様、お願いですから、一度お部屋に戻ってくださいまし」
「はい、めんどくさい! スキップ、スキップ」
「すきっぷ……て、一体、どうされたのですか? やっぱり昨日転んだ時に頭の打ちどころが悪くて……こ、こうしてはいられません!」
って、あれ? あれれ?
体がズルズルと予期せぬ方向へと引っ張られていくぞ~~?
「早く、このことを旦那様と奥様にお知らせしなければ! とりあえずお嬢様、お部屋に戻りますよ」
「このNPC、なんたる暴挙!」
「お嬢様、何も心配はいらないですよ。きちんとお医者さまにも診ていただきますからね」
違う、違うんだ……今の私が欲しいのは医者じゃなくて、筋トレトレーナーなんだ~!!
思ったよりパワーあるメイドに、始まりの部屋へと連れ戻されました。
美人で王太子の婚約者でヒロインに嫌がらせして、最終的に国外追放とか、そんなんに自分の貴重な時間を使うなんて……暇なやつだな。
んなことより、もっと楽しいことあるじゃん?
だって異世界だよ?
ガチでファンタジーの世界だよ?
こんなん元ゲーマーでオタクの自分がハマらないわけがないって。
というわけでさっぱりよく分からない世界だけど、悪役令嬢なる人生、初っ端からちゃっちゃと離脱しちゃいまーす。
人選ミスしたのはそっちなんだから、悪く思わないでくれな。
なんなら所持金ゼロの初期装備からやり直しても良いわけで。
今の私ならテンション爆上がりだし、スライムの何千体だって倒しちゃうからさ。
だってゲームビギナーの基本でしょ、それ。
「フォルティエナお嬢様、急にお部屋を出られて……どこに行かれますか?」
んー……君は一体誰だね?
私の名前はそんな長ったらしい名前などではないのだがねぇ……。
前世の本名はユキって言う短いけど立派な日本名があったのだよ。
苗字の方は個人情報なんで、念のため伏せときますわ。
ちなみにゲームで使ってた名前はスノウマンで一律。
はい、捻りなく本名からもじった名前ですね。
スノウマンなのは、男キャラ使ってたから。
ネトゲの世界じゃ身バレ女子バレはそこそこ危険なんで、ずっと男のフリしてプレイしてました。
いっそこの世界でも『スノウマン』って名乗ってやろうかな。
冒険者としてこの名を世界に轟かせても面白そう。
「フォルティエナお嬢様、まだ寝衣のままでございましょう? 私がお手伝いいたしますから、朝食の前にお着替えしましょうね」
おいおい、お前は了承もなく勝手に人の腕を掴むなよ……って……なに、この転生キャラの腕の細さはっ!
こんなんじゃスライムとだって素手で戦えないじゃないか。
かー、お嬢様キャラなんてのはこれだから……まずは最低限の筋トレとランニングでもして、体を鍛えなきゃダメですね。
最近の体感型のMMORPGゲームってね、プレイするのにけっこう体力いるんですよ。
それがリアルなファンタジーの世界なら尚更、こんな細腕じゃあ、木の小枝一本振り回すのがやっとこだわ。
今のこのキャラの体でダンジョンなんか行ったら、即ゲームオーバー……おそらく詰む。
って、そういえば、このキャラの得意分野ってなんだろう?
魔法? スキル?
剣技……ではないな。
この華奢さでは。
というかチートはないのか、チートは。
別の世界に転生してくれたわりに、偉そうな人からのチュートリアル何も発生してないじゃん。
分かるのは、起きた時に『自分はよく知らないゲームの悪役令嬢キャラクターに転生した』って記憶だけ。
どっかの神さまさー……ちょっと初期の段取り端折り過ぎじゃないのか?
「フォルティエナお嬢様、どうしてお返事をしてくださらないのです……」
「返事? NPCと話しても仕方ないじゃない」
というかなんで追いかけてくるんだ? このキャラ。
なんかメイドみたいな格好して……。
もしかして目覚めた瞬間から、もうイベント始まってる?
攻略に関係ないなら正直たるいし、スキップできないのかなぁ……?
とりあえず少しでもこの体を鍛えるために、外を走ってこよう。
うん、そうしよう。
「え、えぬぴーしー? お嬢様、お願いですから、一度お部屋に戻ってくださいまし」
「はい、めんどくさい! スキップ、スキップ」
「すきっぷ……て、一体、どうされたのですか? やっぱり昨日転んだ時に頭の打ちどころが悪くて……こ、こうしてはいられません!」
って、あれ? あれれ?
体がズルズルと予期せぬ方向へと引っ張られていくぞ~~?
「早く、このことを旦那様と奥様にお知らせしなければ! とりあえずお嬢様、お部屋に戻りますよ」
「このNPC、なんたる暴挙!」
「お嬢様、何も心配はいらないですよ。きちんとお医者さまにも診ていただきますからね」
違う、違うんだ……今の私が欲しいのは医者じゃなくて、筋トレトレーナーなんだ~!!
思ったよりパワーあるメイドに、始まりの部屋へと連れ戻されました。
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